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【スマホアプリ今日の1本】「聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-」あの感動が甦る!!
操作性もOK! 新しくも懐かしい「聖剣伝説」の原点をプレイせよ
(2016/2/11 00:00)
「聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-」の3大ポイント
・グラフィックスがパワーアップし冒険する楽しさが倍増!
・新しさと懐かしさを兼ね備えた伊藤賢治アレンジの楽曲が最高!
・バーチャルスティックによる操作性はスマホアプリのなかでもトップクラス!
スクウェア・エニックス製のゲームのなかでも「ドラクエ」シリーズや「FF」シリーズに次ぐ著名作の1つ「聖剣伝説」シリーズ。もはや説明する必要がないほどのビッグタイトルであり、ゲームファンであれば、プレイしたことはなくとも一度は画面を目にし、名前を耳にしたことがあるだろう。
初代「聖剣伝説」の発売は今から25年前の1991年。「ファイナルファンタジー外伝」と銘打たれ、ゲームボーイ用のアクションRPGとしてリリースされた。今でこそ、“マナの女神”を中心に確かな世界観を築き上げている「聖剣伝説」シリーズだが、1作目は「FF」からの派生作品であったのだ。
その「聖剣伝説」が、PS Vitaとスマホアプリで甦った! 今回はスマホ版をプレイし、グラフィックスやサウンド、操作性などを中心に、“スマホ作品として見た「聖剣伝説」”をレビューしようと思う。
まずゲーム画面だが、ドットが粗くモノクロだったオリジナル版から大幅パワーアップ。3Dにフルリメイクされ、当時の面影はまったくない。主人公はコミカルながらも凛々しくなり、ヒロインはデフォルメながらも美しくなった。また、世界各地に出現するモンスターのグラフィックスも一新され、とくにボス敵は大きく迫力のある姿で描かれている。背景も格段にリアルになり、フィールドをはじめ、城や街、ダンジョンなどは臨場感バツグンに。それだけでなく、グラフィックスの向上により、ダンジョン内にある仕掛けもわかりやすくなった。
次にサウンド。こちらはグラフィックスとは逆に、当時の面影を残している。当時の曲と完全に同じではないが、オリジナル版をプレイした人ならば、間違いなく懐かしさを感じられるはず。というのも、本作のサウンドはオリジナル版のBGMを作曲した伊藤賢治氏のアレンジ楽曲を使用しているからだ。「聖剣伝説」における代表的な曲の1つである「Rising Sun」を含め、すべての楽曲が新たにアレンジされており、3月にはサウンドトラックCDの発売も予定されている。
そして、気になるのは操作性だ。本作のキャラクター操作は、ボタンやアイコン以外の場所をタッチすると表示されるバーチャルスティックで行なう。この操作方法は、フィールドを見下ろすタイプのスマホゲームに採用されていることが多い。筆者がプレイしてきた作品のなかでは、ケムコの「アスディバインクロス」や「RPG ドラゴンシンカー 竜沈めの末裔」が気に入っているが、本作はそれらに勝るとも劣らぬレスポンスを実現している。純然たるRPGとアクションRPGゆえ、単純に比較したり優劣を判断したりはできないが、操作性の良さは折り紙つきだ。
しかし、そのスマホ最高ランクの操作性をもってしても、十字キーにはおよばないのでは? というのが正直なところ。とくに本作はアクションRPGであるため、コンシューマー機をやり慣れたプレーヤーが不満を抱く可能性はある。「いかに快適にキャラクターを操作できるか」は、スマホアプリにおける永遠の課題と言えるのかもしれない。
また肝心のゲームシステムについても触れたいと思う。これは良い意味でも悪い意味でも大きく変化している。まずはプラス面から説明していこう。
2Dで表現されたオリジナル版は、主人公が移動できるのは上下左右の4方向だった。しかし、本作では斜め方向はもちろんのこと、微妙な角度での移動も可能になったため、キャラクターの移動がとてもスムーズだ。また、移動と同じく武器を振る動作も360度、いずれの方向へ対しても行なえる。モンスターとの戦いで動きの幅も広がり、全体的なアクション性は大きく向上したと言っていいだろう。
一方マイナス面は、画面を切り替えたときに発生する人為的な誤動作。具体的な例をあげると、「部屋などに入ったとき、バーチャルスティックに触れたままだと、キャラクターが予期せぬ方向へ移動し、結果的に元いた場所(この場合は部屋の外)へもどってしまうこと」がある。プレーヤーの微妙な指の動きを敏感に察知するバーチャルスティックゆえに、そして本作のレスポンスの良さが逆にアダとなってしまった結果と言える。ゲームの根幹に関わる部分であるため、簡単なアップデートなどでは解決できないのかもしれないが、どうにかして改善いただきたい次第だ。
では、総合的に判断すると、本作の評価はどのようなものになるだろうか。ゲームボーイでは5,000円前後だったものが、3Dにフルリメイクされて1,400円(税込)。しかも、ダンジョンの仕掛けや謎解き、武器の種類によって攻撃方法が大きく変化するなどの名作たるゆえんの部分には変更がないのだから、価格以上に楽しめる作品であることは、誰の目にも明らかであろう。
とくに、オリジナル版をプレイしたことのあるユーザーなら、十二分に満足できるはず。むしろ「オリジナル版をプレイしたけど、イマイチだった」と感じた人でも、生まれ変わった本作をプレイしてみれば評価が変わるかもしれない。とはいえ、PS Vitaを持っているユーザーは、そちらを購入するのも一手だ。操作性に一日の長があるPS Vita版か、どこでも遊べるお手軽なスマホ版かは、自分のライフスタイルに合わせて選ぶといいだろう。