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SCET、Taipei Game Showに世界最大規模のPSVRブースを展開
XPECやUSERJOYなど台湾大手のオリジナルPSVRタイトルも続々発表!
(2016/1/27 18:22)
ソニーコンピューターエンタテインメントジャパンアジアの台湾法人Sony Computer Entertainment Taipeiは1月27日、台湾台北市の台北文創大楼において、Taipei Game Show前の記者発表会を開催した。Taipei Game Showは1月29日から2月2日までの日程で、Taipei World Trade Centerにおいて開催される。
ゲームショウ前の発表会は、SCEのアジア部門は毎回恒例となっているイベントだが、今年は例年より規模を拡大して開催された。理由は、PlayStation VRという目玉コンテンツを大々的にアピールし、より多くのゲームファンを会場に集めたいためだ。
PlayStation VRは、“Project Morpheus”というコードネームで呼ばれていた時代から、3月のGDCから新しい情報を公開してきた。そのため、1月から2月にかけて実施されるTaipei Game Showはタイミングが悪く、これまで出展の機会がなかった。台湾メディアに対するお披露目は、昨年6月に済ませており、その際、他のアジア地域に勝るとも劣らないほど反応が良かったことから、今回、SCE史上最大規模での出展を決めたという。
まさに満を持しての出展となる今回の出展規模たるや驚くべき内容だった。SCETブースとは別にPlayStation VR専用のブースを設け、そこに40台のPSVRの試遊台を展開。プレイできるタイトルは、昨年12月に米国で開催されたPlayStation Experienceまでに発表・出展された選りすぐりの15タイトルに加え、今回台湾XPECが発表したPSVRタイトル「O! My Genesis VR」を加え、16タイトルを出展する。東京ゲームショウやPlayStation Experienceの試遊台が20台程度だったことを踏まえると、いかに規模が大きいかがよくわかる。
PSVRを紹介したのは、アジアイベントではお馴染みとなったSCEWWSプレジデントの吉田修平氏。吉田氏は、自社開発の「The London Heist」をはじめ、PS Experienceで発表された「Rez Infinite」(Enhance Games)、PSVR初のe-Sportsタイトル「RIGS」(Guerrilla Games)、そしてPSVRの代名詞的存在である「サマーレッスン」(バンダイナムコゲームス)などを引き合いに出しながら、PSVRの魅力を語った。
その上で、2015年6月に実施したPSVRの開発者向けセミナーを受け、PSVRの参入を決めた台湾デベロッパーの中から、3社のタイトルが紹介された。
1つ目は、先述したXPECの「O! My Genesis VR」。コンソールゲームでは、下請けをメインとしているXPECだが、今回は自社開発の新IPとなる。宇宙空間を舞台に、両手に持ったPS Moveを操作して惑星をぐるぐる回したり、惑星内の生物をつまんで遊んだりして楽しめるサンドボックスゲーム。わずか半年で遊べるところまで作り上げたその開発力は素晴らしい。Taipei Game Showではプレイアブル出展されるため、後日インプレッションをお届けしたい。
残る2タイトルはプロトタイプ前のコンセプトレベルの内容が公開された。Winking Entertainmentの「The Tell Tale Project」は、自然とSF的人工物が共存する美しいSF世界を自由に動き回れるアドベンチャーゲーム。吉田氏は、「美しいグラフィックスで、ハリウッド映画のワンシーンを体験できるのではないかとワクワクする」と語り、プレイできる日を待ち望んでいますと結んだ。
もうひとつは台湾老舗メーカーのUSERJOYが手がける「The Occasional Encounter(TOE)」。こちらは実写ベースのタイトルで、素材は台湾そのもの。台湾の観光地や食事、人々、イベントなどをPSVRを通じて手軽に楽しめるコンテンツになるようだ。吉田氏は「台湾のデベロッパーだからこそ作れるコンテンツ」とそのアイデアを激賞。PSVRコンテンツの多様性を感じさせるタイトルとなりそうだ。
発表会後、SCET総経理の江口氏にコメントを求めたところ、「(営業を)頑張りました」と上気した様子で語ってくれた。PSVRの参加デベロッパーは、今回紹介した3社だけでなくもっと多く、今回の3タイトルは、台湾ローンチタイトルにしたいと考えていると、一歩踏み込んだ抱負を語ってくれた。
中国、韓国でもそうだったが、PS3の時代まではあれだけ消極的だったアジアのデベロッパーが、PS4やPSVRへの参入に積極的になっている理由は、アジアのメインプラットフォームであるPC、そしてモバイルが完全に飽和状態に陥っており、デベロッパーが新しい“出先”を求めていることと、逆にSCEサイドはPS4を5,000万台、1億台売るために、グローバルで通用するコンテンツを求めており、両社の思惑が一致したことが大きい。
特にPSVR向けの開発については、詳細は非公開ながら、SCEによる各種支援が受けられ、デベロッパーはリスクをほぼゼロにした上で参入できることも大きいようだ。Taipei Game Showは明後日1月29日より開催される。会期中はPSVRのほか、「龍が如く 極」や「ドラゴンクエスト ビルダーズ」、「ファイナルファンタジーXV」などなど、プレイステーションが誇る様々なAAAタイトルのステージイベントが予定されている。GAME Watchでも随時レポートをお届けする予定なので、楽しみにお待ちいただきたい。