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第2次OBT開催記念、PS4「World of Tanks Console」を改めて紹介!

隠れながら索敵し、装甲を貫け! 戦車ならではのリアルな対戦アクション

1月8日23時~1月11日18時 実施

最大15対15の戦車によるチーム戦が展開される

 プレイステーション 4用オンラインタンクバトル「World of Tanks Console」の第2次オープンβテストが、1月8日23時から1月11日18時まで行なわれた。

 「World of Tanks Console」は、PC向けにサービスされている「World of Tanks」のコンシューマー機向けバージョン。リアルな戦場で様々な戦車を駆り、友軍戦車とともに敵軍と戦う、最大15対15の対戦型3Dアクションシューティングとなっている。

 戦車ゲームと言うと、敵味方で砲弾を撃ち合うゲームだと思うだろう。本作は確かにそういう側面もあるが、ただ撃ち合うだけのゲームではない。今回はPS4版「World of Tanks Console」が第2次OBTを迎え、ローンチの日も近いと予想されるため、PC版をご存じない方にもわかるよう「World of Tanks」とは何か? という部分も含めて改めて紹介し、第2次OBT版でプレイできた内容から、本作の基本と面白さをお伝えしていきたい。

戦車ならではの真面目でリアルなダメージ判定

小さなものから大きなものまで、いろいろなタイプの戦車が登場

 本作に登場する戦車は、軽戦車、中戦車、重戦車、駆逐戦車、自走砲という5つのカテゴリに分けられている。軽戦車は装甲が薄く砲も小さいが俊足。重戦車は装甲が厚く砲も強力だが鈍足。中戦車はその間になるオールラウンダー。駆逐戦車は大威力の砲を持ち、遠距離からの狙撃にも優れるが、足回りや装甲は頼りない。自走砲は超遠距離からの砲撃を得意とし、俯瞰視点から砲撃地点を選ぶという全く違うプレイスタイルになる。さらに各カテゴリには様々な種類の戦車があるが、詳細は後述する。

 操縦する戦車には装甲値が設定されている。いわゆるHPに当たるもので、敵の攻撃を受けて装甲が0になれば撃破される。本作では戦闘において撃破されると、同じ戦闘で復活することはなく、次の戦場。戦闘は敵軍の戦車を全滅させるか、敵の拠点を占領することで勝利となる。

 本作では、ダメージ判定に戦車ならではの概念が持ち込まれている。最も重要なのは貫通の概念。例えば敵の装甲に対して砲弾が斜めに当たった場合、砲弾が弾かれてダメージが入らないことがある。敵戦車の装甲に対してなるべく垂直に当たるように撃つと貫通しやすくなり、大きなダメージを与えられる。また軽戦車の小さな砲で重戦車の装甲を貫通させるのは難しい、といったことも当然ある。

 次にモジュールへのダメージ。わかりやすいのが履帯(キャタピラ)で、砲弾が当たって破壊されると移動できなくなり、搭乗員による修理が終わるまでは敵の的になってしまう。他にもエンジンや燃料タンクが被弾して発火したり、弾薬庫に誘爆することもある。さらには搭乗員が負傷して役割を果たせなくなり、結果として戦車の機能が失われるという要素もある。

 モジュールの位置は戦車の種類によって異なる。相手の戦車が何であるかを確認したら、まず足回りを破壊する、窮地で弾薬庫を撃って一発逆転を狙うといったことも可能になる。逆に自分の戦車の弱い部分を敵から隠すようにしたり、敵と斜め向きになるよう対峙して砲弾を弾こうとするなど、防戦面でも重要だ。

 これらのダメージ判定を頭に入れておけば、ただ真正面から撃ち合うよりも有利になる要素がとても多い。3DCGで描かれた戦車や戦場のビジュアル的なリアリティも本作の魅力ではあるが、ゲーマーの筆者としてはこのダメージ判定システムにこそリアリティと開発者のこだわりを感じる。

【スクリーンショット】
敵を見つけて砲撃。装甲を貫通すればダメージを与えられる
レティクルの色が黄色い時はほぼ貫通できず、赤い時は貫通する可能性が高い
履帯を撃たれて破損すると、修理が済むまで動けなくなる。1度撃たれてなお動けないのは相当厳しい
装甲が0になると撃破される。復活の概念はなく、その戦闘にはもう参加できない

撃つ前に見る! チーム戦の役割分担が勝利の鍵

最初は集中砲火を浴びてあっさりやられることが多い。隠れるという意識が必要だ

 ダメージ判定を理解していれば、撃ち合いをやってもそう簡単にはやられない……といいのだが、実際に遊んでみるとそううまくはいかない。敵と撃ち合うべく戦車を走らせていると、敵を見つけたと思った一瞬後には自分の戦車が大爆発! ということがよくある。こちらが敵に照準を合わせる間もないほど、敵の精密な砲撃でやられるような、理不尽な感覚に襲われる。

 これにはもちろん仕掛けがある。本作には視線の概念があり、敵から自らの姿が見えないように行動する方法がある。敵との間に建物があれば当然見えないが、他にも草むらの中や樹木の影にいるだけで、敵から見つかりにくくなる。周囲が開けた道を突っ走っていれば、敵からは遠方からでも丸見え。いざ敵を発見できた時には、自分は多数の敵から捕捉されていて、ハチの巣になる一歩手前というわけだ。

 そうならないためには、敵がいそうな場所に近づいたら障害物や視線を遮るものを活用しながら、周囲の状況をよく見ていく必要がある。もし自分の位置から敵が発見できたら、敵の位置はすぐさま味方にも共有され、マップ上に表示される。味方に敵の位置を知らせることで、敵に集中砲火を浴びせたり、駆逐戦車や自走砲の遠距離砲撃で狙ってもらうことが可能になる。敵を見つける、ということ自体が本作においてはとても重要だ。

 敵から隠れる際には、当然ながら大型な重戦車よりも小型の軽戦車の方が草むらなどに紛れやすく、見つかりにくい。逆に移動や砲撃などを行なうと見つかりやすくなるため、敵を見つけたからと言ってすぐに砲撃することが得策とは限らない。また軽戦車は動いていても見つかりにくいなど車種による違いもあり、軽戦車は最前線を走って偵察に徹するという戦略もある。

 ちなみに、敵からの視線を一定時間逃れると、敵が見失ってレーダーから消失する。ただし敵から見えていないだけで、攻撃を受けないわけではない。いったん見失った敵も、「たぶんこの辺りに逃げたはず」と予想して砲撃し、本当にそこに潜んでいれば命中する。

 撃ち合いの前に索敵があり、発見した敵を味方と連係して攻撃するというのが理想的な流れだ。そのためには各戦車の性能を頭に入れ、地形を把握した上で、チーム内での役割を果たすために適切な行動が求められる。敵を見つけて撃ち合うだけではなく、索敵と連係にも頭が回るようになれば、生存率と勝率も上がり、最大15体15のチーム戦の面白さにも気づけるはずだ。

【スクリーンショット】
建物などの障害物を挟んで慎重に動く。しかしこちらから敵も見えづらい
草や木々に紛れるだけでも車体の隠蔽効果がある
軽戦車は足が速く、敵に見つかりにくい。敵がいなさそうなら一気に移動して距離を詰める
最前線で敵を見つけて味方に知らせるのも重要な役割だ

各国の戦車を開発し、より強力な戦車を手に入れる面白さ

戦闘が終わると、結果に応じて経験値とお金が手に入る
手に入れた経験値とお金で、新たな戦車やモジュールを開発・作成する

 本作において戦闘と並んで魅力的な要素は、新たな戦車の入手だ。プレーヤーは戦闘によって経験値とお金が得られる。貯めた経験値は、新しい戦車や、戦車の能力を引き上げるモジュールを開発するために使える。開発した後、お金を使えば戦車やモジュールを作成し入手できるという流れだ。

 本作では戦車にTier(ティア)という値が設定されている。最初に入手できるのはTier1の戦車で、能力的に最も低い。Tier1の戦車で戦い、経験値とお金を貯めて、モジュールを開発・作成して強化しながら、その先にあるTier2の戦車を開発・作成。続いてTier2の戦車で戦って経験値とお金を得て、Tier3の戦車を目指す。

 戦車やモジュールの開発はツリー形式になっており、Tier1から順番に、より高いTierの戦車を開発していく。またツリーは国単位で分かれており、ある国で高いTierの戦車を持っていても、別の国の戦車はTier1からプレイして新たに開発する必要がある。今回のOBTでは、ドイツ、ソ連、アメリカの戦車を使用できた。

 基本的に、高いTierの戦車の方が性能が高い。ただし対戦では、両軍の戦力が極力公平になるよう、参加者全員のTierや車種に差がつかないようマッチングされる。簡単に言えば、自分が強い戦車で参戦したら、相手も同じくらい強い戦車が出てくる。自分が低いTierの戦車だったとしても、強力な敵戦車に蹂躙されるわけではない。よって、戦闘結果の差は参加する両軍のプレーヤーの腕の差ということになる。

 今回のOBTでは高いTierの戦車を入手するまではプレイできなかったが、低いTierであっても新しい戦車を入手するということ自体に喜びがある。軽戦車よりも堅甲な中戦車には比較的低いTierで乗れるし、駆逐戦車によるスナイピング、自走砲による超遠距離砲撃も、開発に至るまでさほど待たされることはない。同じカテゴリの戦車であっても性能は異なるし、何より新しい戦車が入手できるのはコレクション的な意味でも嬉しい。

 戦いに勝っても負けても経験値とお金はもらえる(勝った方がより多くもらえるが)ので、遊び続けていればいずれは高いTierの戦車が入手できる。ゲーム自体は即死も頻発するシリアスでシビアな対戦ゲームだが、マイペースに遊んでも楽しめる要素もある。

【スクリーンショット】
国ごとに開発ツリーが用意されている。開発するのは1国でも全ての国でも構わない
新たな戦車を作成すると、派手な演出で紹介される。このシーンが意外と嬉しい
駆逐戦車の狙撃は決まれば爽快。見つかって反撃されると脆いので、位置取りが重要になる
自走砲の砲撃は俯瞰視点で着弾点を指定する。着弾地点のブレが大きく、精密な照準には時間がかかる

FPSに慣れた人なら導入はスムーズ

視点はTPS。移動はいわゆるラジコン操作になるため、前後逆の時の操作は慣れが必要だ

 最後にPS4でのプレイ感についても触れておきたい。操作は左スティックで移動、右スティックで砲塔旋回。FPSをプレイしたことがある人なら、さほど違和感なく対応できるだろう。ただし視点はTPSで、戦車の移動方向が変わっても視点(砲塔の向き)は維持される。そのため戦車が180度転回した場合は、見た目上の操作が前後左右逆になる。いわゆるラジコン操作になるので、後退しながらの砲撃などは慣れが必要だ。

 砲身の向きについては、敵をロックオンする機能を使うことで、どちらに移動しても砲塔が勝手に相手を狙ってくれる。また遠距離からの射撃時には、望遠鏡視点で精密射撃もできる。戦車を動かしながらの砲撃では精密射撃は難しいが、敵がこちらに気づいていない状態からの精密射撃なら、特定の部位を狙った攻撃も可能だ。

 砲塔の動きは、右スティックで動かした視点に合わせて動くが、場合によっては視点の方が先に動き、砲塔が後からついてくる状態になることもある。また戦車によって、砲塔の動く角度が制限されているものもある。例えば戦車は左右には360度砲塔を回せるが、上下方向にはあまり大きく動かせないため、水平から大きく外れた位置は撃てない。

 そういった制約があるため、FPSのように敵を見つけたら即撃ち合いが始まるような、反射神経を求めるゲームとは違う。敵を見つけてから狙いをつけるのも少しは時間が必要だし、撃たれて即反撃するのも難しい。敵に見つからないよう移動しつつ索敵し、先制攻撃を仕掛けることが重要なゲームシステムだ。

 筆者はPCでキーボードとマウスを使ったFPSに慣れているため、コンシューマーゲーム機のコントローラーを使ったFPSはあまり得意ではない。しかし本作ではそこまで照準のスピードや精密さを求められないので、少しプレイすれば慣れて問題なくプレイできた。問題があるとしたら、筆者が突撃して反射神経で戦いたい性格ゆえ、本作ではいい的になりがちなことくらいだ(笑)。

 手も使えば頭も使う、アクションゲームとしてはユニークなゲームバランスに仕上がった作品だと感じる。アクションゲームが苦手だという人も、これなら意外といけるということもありえるし、戦車をコレクションするだけでも結構楽しめる。PS4版もPC版と同じく、ソフトは無料で提供されると思われるので、次回のテストや正式サービス時には気軽にプレイしてみていただきたい。

【スクリーンショット】
システムのリアリティと映像のリアリティ、両方が合わさって独特なゲームの面白さを作り出している

(石田賀津男)