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【スマホアプリ今日の1本】「ハントクック」 ひどかわいい野生のレストラン経営

かわいい演出で鳥獣を解体! 毒気もちょっぴりのスローライフゲーム

11月18日 配信

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

「ハントクック」の3大ポイント

・かわいいグラフィックと鳥獣を狩って解体する残酷さが見事にマッチ
・鳥獣をハントするときのミニゲームも適度な難易度で◎
・収集要素と育成要素のせいで時間経過が待ち遠しくなる

 育成対象のマンボウがあまりにも簡単に死んでしまうことでユーザーに多大な衝撃を与え、一世を風靡したアプリ「生きろ!マンボウ!」を配信したSELECT BUTTONが、新たなアプリを配信した。その名も「ハントクック」。ハント(狩猟)したりクック(料理を作る)したりしてジビエレストランを経営するスローライフゲームだ。

 本来“ジビエ”とは狩猟で得た野鳥や野獣の肉のことで、今日ではそれらの肉を使った料理を指すことが多い。本作では、オーナー&猟犬「てんちょー」の指示のもと、シェフ兼ハンターとして山奥のジビエレストラン「ハントクック」の立て直しを手伝う。

【プロモーションムービー】

ミニゲームはてんちょーを操作して獲物を追いかける。制限時間内に追いつけばOKだ
ハントに成功すると、獲物が手に入る。食材に関するトリビアが閲覧できるのも◎

 ゲームは、おおまかにいうと2つのパートで構成されている。1つ目は草原や山、河川などに出かけて、食材となる野鳥・野獣を狩るハントパート。狩れる鳥獣は場所によって決まっており、ハント方法は「すばやく」と「じっくり」の2種類から選べる。「すばやく」を選べば、少量ではあるものの、肉を確実に入手することが可能。逆に「じっくり」はミニゲームに挑戦し、獲物を捕まえれば大量の肉が手に入り、失敗すれば肉をいっさい得られないオール・オア・ナッシング方式だ。

 もう1つは、入手した食材で料理を作るクックパート。最初のハントに成功すると、獲得ボーナスとして“きじのコンソメスープ”のレシピと、食材を煮ることのできる圧力鍋が手に入る。これらを使って作れる料理はきじのコンソメスープだけだが、ゲームを進めていくと新しいレシピや調理器具が入手でき、作れる料理もしだいに増えていく。料理には狩った野鳥・野獣の肉だけでなく、てんちょーが拾ってくるねぎや牛乳、ハントの道中に落ちている小麦やリンゴも必要になるので、とにかく多くの食材を集めまくるのがポイントだ。

 てんちょーとともに野生の鳥獣を狩り、魅力的な食材を集める。手に入れた食材でおいしいジビエ料理を作り、レストランに来てくれるお客さんをもてなす。そして、喜んでくれたお客さんから新しいレシピをもらい、レストランを発展させる。ゲームはこれの繰り返しだが、それが実に楽しいのだ。少しずつ食材を集めていく楽しさ・少しずつレストランを大きくしていく面白さは、収集系RPGが好きな人にもオススメできる1本と言えよう。

 しかし、本作の魅力は育成要素や収集要素だけではない。ゲーム画面からもにじみ出すかわいらしさ、そしてそのかわいいグラフィックスとは対照的に、鳥獣を狩り解体するというともすれば残酷な描写を両立させている点だ。

 本作はグラフィックスはもちろん、キャラクターのセリフや仕草、演出にいたるまで、基本的には“かわいらしさ”をベースに作られている。たとえばセリフ。てんちょーはチュートリアルも兼ねて主人公に指示を出すのだが、語尾にはつねに「わん」をつけて話す。ありがちと言えばありがちだが、かわいらしさを強調する王道の手法であることは間違いない。また、主人公は言葉をいっさい話さずに、顔文字だけで感情を表現する。個人的には、喋らないキャラクター+顔文字という組み合わせに思わず心を掴まれてしまった(笑)。

 では、本作はかわいいだけのゲームなのかというと、“否”である。料理のために仕方がないとはいえ、狩猟というのはやはり残酷な作業を伴う行為にはちがいない。猟犬を野生の鳥や獣にけしかけ、驚いて逃げるところを銃や罠などで仕留める。また獲物を料理する過程において、解体という作業も避けては通れない。

 狩猟という残酷な行為を、かわいらしいグラフィックスで描く。解体というグロテスクな作業を、かわらしい犬言葉で指示する。こういったアンバランスさこそが、本作の妙である(さすがに解体場面は「自主規制」が入るが)。一見すると、かわいさを前面に押し出したスローライフゲーム。しかし、その内側にはちょっぴりの毒をはらんでいる。「生きろ!マンボウ!」より引き継がれているかわいいけどひどい=“ひどかわいい”本作の魅力、ぜひ1度体験していただければと思う。

主人公のセリフはすべて顔文字! これを見たときは、こっちが( ゚д゚)な顔になった
これが解体シーン。「自主規制中」の文字には、センスを感じずにはいられない
iTunesで購入

(平平平平)