ニュース

スマホで遊べるシリーズ最新作「モンスターハンター エクスプロア」体験会レポート

4人同時の伝統的・本格的な狩りを片手で実現! 本日よりCBT募集開始

今秋サービス開始予定

プロデューサーの杉浦一徳氏

 カプコンは6月24日、iOS/Android用オンラインアクション「モンスターハンター エクスプロア」のメディア体験会を開催した。

 「モンスターハンター エクスプロア」は、2013年の東京ゲームショウにてiOS用アクション「モンスターハンター スマート」として発表されたタイトルに大幅な手を加えたもの。新たにAndroidにも対応したことに加え、「モンスターハンター」シリーズの魅力であるオンラインでの4人同時プレイに対応している。

 発表会では、本作のプロデューサーを務める杉浦一徳氏が登壇。同氏は「モンスターハンター フロンティアG」のプロデューサーとして知られ、現在は同社CS第二開発統括 第二開発部部長として、複数のオンライン・モバイルタイトルを統括している。その視点から、「オンラインのノウハウを使ってこうすれば面白くなるのでは、と開発を重ねてきた。今の『モンスターハンター』がどうモバイルで楽しいゲームになるかという1点に集中して、2年近く開発してきた」と述べた。

 本作において目指したのは、「スマートフォン史上最高の『モンスターハンター』」だという。杉浦氏は開発チームに対し、現時点で可能な限り綺麗な「グラフィックス」、ネットワークプレイで他のゲームに負けない面白さの「マルチプレイ」、5年、10年と長く遊べる「継続する楽しさ」という3つのお題を課したと語った。

舞台は未踏の島々。秘宝を求めて探検に出発!

ディレクターの岡野勇樹氏
運営プロデューサーの山本千晶氏

 続いて本作のディレクターを務める岡野勇樹氏と、運営プロデューサーの山本千晶氏が登壇し、ゲームの具体的な内容を紹介した。舞台となるのは、多種多様な島。誰もその先へと渡れなかった「裂海域」と呼ばれる難海域に航路が見つかり、その先にある島々が発見された。プレーヤーは冒険者となり、未開の地を切り開いていくが、そこには恐ろしいモンスター達も棲息している。

 本作のメインビジュアルは、中心に描かれた島とハンターが対峙するという構図になっている。「モンスターハンター」シリーズのメインビジュアルは、伝統的にハンターとモンスターの対峙を描いてきたが、本作では探検という要素を強く打ち出すため、このような構図になったという。

 ゲームをスタートすると、各種メニューの背景に島々が描かれている。さらにクエスト選択へと進むと、1つの島が表示される。島にはマスが描かれており、島の奥へと進んでいけることがイメージできる。「モンスターハンター」シリーズでは、紙をイメージしたリストからクエストを選択するというのが一般的だったが、探検のワクワク感を出すため、こういう演出にしているという。また進路は1本道ではなく分岐することもあれば、昼夜でクエストが異なる場合もあるという。

 ゲームの目的は、自らが偉大な大探険家になること。未開の地を進むと、島に眠る未発見のものを見つけられることがあり、クエストを達成して持ち帰ると発見したアイテムが「探検手帳」に記される。これを全て埋めていくのが、本作の目的であり、やり込み要素の1つとなっている。

 またそれぞれの島には、1つだけ秘宝と呼ばれる特殊なアイテムが眠っている。入手できれば、プレーヤー自身が成長するという効果がある。秘宝のコレクションは本作最大の目標であり、獲得時には古ぼけた箱を開けて中から秘宝を取り出すというビジュアル演出も用意されている。ちなみに箱を開けるところから秘宝を掲げるまで、全て新規にモーションキャプチャしたそうだ。

本作のメインビジュアル。モンスターではなく島が中心にある
未踏の島々を探検する
クエストはマップ上のマス目として表示される
未発見のアイテムを持ち帰って報告する
派手な演出とともに秘宝が発見される。キャラクターの能力も向上する

本格的な狩りを指1本の操作で実現

おなじみの3Dハンティングを、アイコン1つの操作で遊べる

 本作には探検だけではなく、もちろんモンスターを狩るという伝統的要素もある。クエストがスタートすると、狩りの対象となるモンスターといきなり対峙する。画面中央にあるアイコンに触れながら上下左右に動かせば、その方向に移動。アイコンをタップすると武器を振る。画面のアイコン以外の部分をスワイプすると、その方向に緊急回避(転がって避ける)できる。大剣やハンマーなど一部の武器では、アイコンに触れたままにしておくことで溜めも可能だ。

 3Dフィールドでのアクションは、巨大なモンスターに各々が手にした武器で挑むという「モンスターハンター」シリーズの伝統に則っているが、簡略化された部分もある。攻撃の際、モンスターをタップすることで、指定した特定の部位を狙って攻撃できるようになっている。また部位破壊が可能な場合は、タップして狙っている場所が赤く表示される。剣で尻尾を切る、ハンマーで頭を叩くといった緻密な狩りが、片手で楽しめるようになっている。

 またモンスターに攻撃していると、画面右にあるゲージが溜まっていく。一定量貯まるとゲージの上にあるアイコンが光り、タッチすると「武技」といわれる必殺技が発動する。「武技」の内容は武器によって異なり、仲間を回復させる、特定のモンスターに大ダメージを与える、自分がパワーアップするなど、様々な効果がある。また回復するものも、ゲージを大量に消費して大幅に回復するものもあれば、ゲージを少しだけ消費して少し回復するものもある。

 登場する武器種は公式サイトで12種類と発表されているが、新たに「チャージアックス」が追加されることが明らかにされた。「チャージアックス」自体は過去のシリーズにも存在するが、本作ではさらにオリジナル要素を盛り込み、「生まれ変わったと言っても過言ではない」ほどの変化があるとしている。合計で13武器種になるが、他の武器種も開発を進めていて追加していくとしている。

 狩りにおける基本的な挙動は「モンスターハンター」シリーズを踏襲しているが、画面上にモンスターの体力ゲージが表示されていたり、攻撃した際や攻撃を受けた際にダメージが数字でポップアップするようになった。また攻撃した際に、武器の種類や属性によって、派手なエフェクトが発生する。「モンスターハンター」は伝統的にリアリティを追及したストイックなゲームだったが、本作はスマートフォンに最適化するに当たり、わかりやすい快感が必要だと判断し、「ド派手なエフェクトを出すことで誰でも気持ちよさが感じられるものにした」という。

派手なエフェクトとともにダメージが数字で表示される。見た目にもカジュアルになった
13種類目の新武器種「チャージアックス」
ゲージを消費して発動する「武技」。武器により効果が異なる
味方の体力を回復できるものや、自分が狙われにくくなるものなど多彩な効果がある

 続いて、本作の売りの1つであるマルチプレイのデモが行なわれた。通信環境はWi-Fiだけでなく、4G(LTE)回線でも全く問題ないという。メニューでクエストを選択する際、マルチプレイを選び、他のプレイヤーが入れる部屋を作成。参加したい人が集まったらクエストへ出発する。部屋にパスワードを設定して友達同士で遊ぶこともできれば、日本中から全く知らない人を募って遊ぶこともできるという。

 マルチプレイだけでなく1人でのプレイも可能で、その場合は「オトモアイルー」がついてきてサポートしてくれる。2~3人のマルチプレイでオトモが登場するかどうかは検討中としている。

 本作の登場モンスターは、「モンスターハンター3」と「3G」に登場したものは全て実装。「4」や「4G」のモンスターも実装を検討中としている。さらに本作オリジナルの「特殊種」も順次実装される。「今までの概念をひっくり返すモンスターが登場する」としており、その一例として全身が燃えている「リオレウス豪火種」が公開された。

マルチプレイは4人同時。シリーズの伝統を正しく受け継いでいる
全身が燃えている「リオレウス豪火種」は、本作オリジナルの「特殊種」の1つ

有料ガチャは実装せず! 自動操作など新たな課金システムに挑戦

他の登壇者がマルチプレイを見せる中、オート機能で傍観しながら話をする杉浦氏(右)。これも課金要素の1つ

 本作のアプリのダウンロードやプレイ料金は無料。となると気になるのは課金要素だが、本作には「狩玉」という有料アイテムが用意されており、これを消費することで受けられる4つのサービスがある。1つはクエスト前に自分の能力を一時的に高められるというもの(体験会では2割)。際どいところでクリアできない時に使ってもらいたいという。

 2つ目はゲームプレイのオート機能の使用。オート機能とは文字通り、狩りをCPUが自動で行なうという機能で、アクションの操作が要らなくなる。「モンスターハンター」の伝統からすれば信じられない機能だが、アクションのプレイができない時でもゲームを進められるようにするため、杉浦氏が強く実装を希望したものだという。マルチプレイ時にも使用可能で、狩りの最中にオフにして自分での操作に切り替えることもできる。

 3つ目は、クエスト完了後の報酬を増やすというもの。達成時には狩ったモンスターに応じたアイテムを入手できるのだが、「狩玉」を使って画面に表示された宝箱を開けることで、1度のクエストでより多くのアイテムを獲得できる。なお入手したアイテムは、武具の強化に使用する。武具そのものはクエストを達成することで完成品が入手できるという。有料のガチャなどで武具が入手できるといった要素はなく、「クエストクリア後に報酬が得られるという『モンスターハンター』の原則は守りたかった」と説明している。

 4つ目はクエスト中に体力がなくなって倒された時の復活。「狩玉」を消費して復活すると、体力が満タンになって復活できる。試しに3回やられてみたが、クエスト失敗にならず継続できた。

クエスト出発前に「狩玉」を消費して、一時的にパワーアップできる。オート機能もここで設定
クエスト報酬画面で、2段目、3段目の宝箱(追加報酬)を開けるには「狩玉」が必要

Android版CBT募集開始。特典アイテムを応募者全員プレゼント

今後のスケジュール。開発は問題なく進んでいるそうだ

 今後のスケジュールについての発表も行なわれた。サービス開始に先駆けて、Android版でクローズドβテストが実施される。テスターの募集は本日からスタートし、7月9日13時59分まで受け付ける。その後、7月10日14時から13日13時59分までクローズドβテストが実施予定となっている。募集は公式サイトにて受け付けており、応募の際にはGmailのメールアドレスが必要になる。応募者には当落に関わらず全員に、正式サービス開始後に使用できるハンマー「始まりの宝槌」がプレゼントされる。

 その後、8月より事前登録を開始。今秋にはAndroid版をリリースし、その1カ月後をめどにiOSをリリースする予定。正式サービス開始後は、順次大型アップデートを実施していくとしている。

 本作は単発のゲームではなく、アップデートで新要素が追加されるオンラインゲームとして運営される。期間限定イベントも実施予定で、そのタイミングでしか手に入らない武具も登場する予定。また多くのプレーヤーが協力したり対戦したりといったイベントを制作中としている。正式サービスでは「狩猟団」というギルド的な要素も実装する予定だという。

 このほか、2つのコラボレーション企画も発表された。1つは同社のタイトル「戦国BASARA」。「キャラクターに特徴があるゲームなので、装備がどうなるかはお楽しみに」としている。2つ目は「進撃の巨人」。こちらの詳細は正式リリース後に発表したいとしている。

クローズドβテストは本日から募集開始。特典のハンマーは応募者全員にプレゼントされる
早くもコラボ企画が発表された

マルチプレイも実際に体験できた。通信のラグも感じられずとても快適だった

 最後に、筆者が会場にて実際にプレイしてみた手ごたえもお伝えしたい。「モンスターハンター フロンティアG」などシリーズタイトルをプレイしてきたプレーヤーとしては、十分に本格的な狩りが楽しめると感じた。特定部位をターゲットできるとはいえ、距離は自分で合わせなければ狙った場所には当たらない。溜め攻撃におけるタイミングの重要性、モンスターのモーションを見た緊急回避など、狩りにおいてやるべきことは変わらない。

 それでいて、よりカジュアルに遊ぶこともできる。部位破壊を考えずに狩るだけなら、近づいてアイコンを連打するだけでも何とかなる。部位破壊すれば報酬にボーナスが付くという程度の違いなので、気楽に遊んだ方が楽しいと感じる人も多いだろう。究極的にはオート機能もあり、人によってカジュアルにもシビアにも遊べるというバランスが面白い。「モンスターハンター」の間口がまた1歩広がったな、という手ごたえがある。

 モンスターや武器のモーションはシリーズの伝統から大きく変わっていないので、遊んだことがある人ならスムーズにプレイできるはずだ。スタミナや武器の出し入れといった要素も省かれ、指1本で遊べるにも関わらず、「これは間違いなく『モンスターハンター』だ」という実感がある。Android端末をお持ちの方は、ぜひともクローズドβテストへご応募いただき、感触をいち早く味わってみていただきたい。

(石田賀津男)