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Xbox OneのXbox 360後方互換性について今わかっていることまとめ
100タイトルでスタートで、毎月100タイトルずつ追加。Kinectタイトルは対象外に
(2015/6/17 10:35)
Microsoftが「Xbox E3 Media Briefing」で正式発表し、ゲームファンから拍手喝采を集めたXbox 360の後方互換性のサポート。Xbox Oneでお手持ちのXbox 360タイトルが楽しめる素晴らしい新サービスだ。今回E3で、Xbox 360後方互換性に関するデモが行なわれたので、これまでに判明した内容をまとめておきたい。なお、気になる日本でのサービスについては未定としている。
まず、Xbox Oneの後方互換性が提供するサービスの内容を簡単にまとめておくと、Xbox Oneで動作するXbox 360エミュレータと、エミュレータ専用のゲームプログラムを組み合わせることで、Xbox 360とはアーキテクチャが異なるXbox One上でXbox 360タイトルを走らせるサービスだ。
必要なものは、Xbox One本体と、Xbox 360のディスク、もしくはデジタルライセンス。Xbox Oneで後方互換性のサービスが開始されると、Xbox Live上で対応タイトルがラインナップされ、ディスクやデジタルライセンスを通じてオーナーシップを確認し、所有者であることが認められれば、専用のプログラムをダウンロードしてゲームを楽しむことができる。もちろん、ゲームのセーブデータやアーチブメント、ゲーマースコアはもれなくXbox 360から引き継ぐことができる。なお、これら一連のプロセスに一切のコストは掛からないが、ディスク版の場合は、今のところ起動時にディスクが必要になるという。
ダウンロードされたXbox One用Xbox 360ソフトのデータは、Xbox Oneゲームとして管理され、ゲームのリストに並べられる。Xbox 360のタグが付与されるため、一目でそれとわかるようになっている。起動後は、Xbox Oneタイトルとまったく同じ扱いとなり、Xboxボタンを押せば、ホーム画面に戻るし、スクリーンショットを取ったり、動画を撮影したりといったXbox One独自のサービスも利用できる。また、今回は確認できなかったがWindows 10のXbox Oneストリーミングサービスを使って、Xbox 360のストリーミングプレイもできるようだ。
ユニークなのは、Xbox OneでXbox 360のエミュレーターを動作させているため、Xbox 360のダッシュボードの一機能であるXbox Guideも呼び出せるところだ。これにより、フレンドがXbox 360でプレイしているか、あるいはXbox Oneのエミュレーターでプレイしているかに関わらず、ゲームプレイ中でもフレンドとコミュニケーションを取ったり、フレンドをゲームに誘ったり、誘いに載ったりすることができる。Xbox Oneに移行してもXbox 360ユーザーとのコミュニケーションやマルチプレイがそのまま楽しめるのは大きなメリットと言える。
現在のステータスは、Xbox Preview Programを通じて21のXbox 360タイトルが提供され、動作に関してβテストが行なわれている。それと同時に公式フォーラムでは、対応して欲しいXbox 360タイトルの要望を受け付けている。現在テストが行なわれているXbox 360タイトルは以下の通り。
【Xbox Preview Programテスト中Xbox 360タイトル一覧】
A Kingdom for Keflings
A World of Keflings
Alien Hominid HD
Banjo-Kazooie
Banjo-Tooie
BattleBlock Theater
Defense Grid
Geometry Wars Evolved
Hexic HD
Jetpac Refuelled
Kameo
Mass Effect
N+
Perfect Dark
Perfect Dark Zero
Super Meat Boy
Toy Soldiers
Toy Soldiers: Cold War
Viva Piñata
Viva Piñata: TIP
Zuma
正直な所、Xbox 360タイトルのポテンシャルを活かしきったラインナップとはまだまだ言えないが、今冬の正式ローンチまでに100タイトルを揃え、その後のアップデートで毎月100タイトルのペースで対応タイトルを追加していきたいとしている。
なぜすべてのXbox 360タイトルが対応しないのかというと、Xbox One上で駆動するXbox 360のエミュレータは汎用ではなく、個々のゲームにおいてそれに最適化するプロセスが必要になるからだ。つまり、この後方互換性を実現するためには、Microsoftのみならず、パブリッシャーの協力が必要不可欠になる。このため、Microsoftではパブリッシャーの協力と、ユーザーからの要望を強く求めている。
もうひとつ残念なニュースは、Kinectの機能は使えないところだ。ソフトウェアエミュレーションだけでは、Xbox OneのKinectを使って、Xbox 360 Kinectを代替することは難しく、専用のドライバを提供してXbox Oneで、Xbox 360 Kinectをサポートする計画もないため、Xbox 360 Kinect専用タイトルは、後方互換性サポートプログラムから最初から除外されている。対応タイトルについてはKinect部分の機能は使えないということになる。
今回のデモでは、「Mass Effect」(Electronic Arts)と「Borderlands」(2K)の2タイトルの実機デモを見ることができたが、パフォーマンス面ではまったく問題がなく、Xbox 360ではできなかった動画撮影やスクリーンショット撮影が手軽にでき、なおかつ、高性能なXbox Oneのゲームコントローラーで遊べるメリットは大きい。何よりXbox OneとXbox 360を両方出しておく必要がないのは嬉しいところだ。
課題は、言うまでも無く対応タイトルの数だ。数百程度に留まるようなら、もはや後方互換性をサポートしているとは言えないし、Xbox Oneのセールスを牽引するほどインパクトにはならないだろう。年末のサービス開始までに、どれだけのパブリッシャーの協力を取り付け、有力パブリッシャーのAAAタイトルを数多くカバーできるかいなかにその成否は掛かっている。非常に大きなポテンシャルを持つ新サービスだけに、どう軟着陸するか見守りたいところだ。