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「FFXIV 蒼天のイシュガルド」ジョブレポート【DPS編】

MP/TP回復が可能な機工士の加入でますますアツいDPS! 今後はDoTやバフの管理も重要に

5月18日~21日開催

 「ファイナルファンタジーXIV 蒼天のイシュガルド」欧州メディアツアーの最後のレポートとなる「ジョブレポート【DPS編】」をお届けしたい。

 このレポートでは新ジョブ「機工士」をはじめとしたアタッカージョブについて、使ってみた感触などをお届けしたい。限られた時間の中でのプレイなので、ある程度使いこめたジョブと、そうでないジョブで多少温度差があるかもしれないが、なるべくすべてのジョブについてレベル60での立ち回りや新アクションの特徴をお届けしたいと思う。

 使用したキャラクターは、アイテムレベル170の装備をつけた、レベル60のアウラ男性。フィールドモンスターや、F.A.T.E.、新ダンジョンなどでプレイしてみての感想だ。

詩人と似た立ち位置ながら、まったく操作感の違う「機工士」

機工士は銃を片手に戦うエンジニアだ
リロードした特殊弾を使ってコンボをつなげる「ホットショット」。ジャンプしながら撃つかっこいい技だ

 新ジョブの機工士は銃をメイン武器に戦う新しいDPSジョブ。その名前の通りエンジニア的な側面も持ち、2種類のタレットを操作して攻撃や支援など様々に立ち回ることができる。アディショナルスキルは弓術士と槍術士を使うことができる。

 機工士のポイントとなるスキルは銃にアタッチメントを取り付けるアクションと「リロード」という技だ。機工士はなんのバフも付いていない状態では、詩人のように走り回りながら自由にスキルを使うことができる。しかし高いDPSを出すには前述したアタッチメントのアクションを使ってより慎重な立ち回りが必要になる。

 アタッチメント使用時には、銃の先にとがった機工兵器が取り付けられ攻撃力が大幅にアップする。しかし、一部のスキルを除いてキャストタイムが発生して、術系のスキルと同じようにボタンを押してから攻撃が発動する間に動くと攻撃がキャンセルされてしまうようになる。これまで詩人がやっていたように、動き回って攻撃をよけたりギミックの処理をしながらの攻撃もできるし、黒魔道士のように周辺の安全な場所に陣取って、そこからひたすら攻撃を仕掛けるという2通りの戦い方を選択できる。

 アタッチメント装着時にしか使えない強力な攻撃もあり、移動を伴う「動」の動きと、足を止める「静」の動きの切り替えがやはり重要になりそうだ。さらにキャスト時間を短縮する技もあり、高いダメージを維持したまま一気に攻撃をたたき込むなど、工夫の余地が大いにあるジョブだ。

 DPSを延ばすためのもう1つの要素が「リロード」だ。これは銃に特殊弾を装填するアクションで、5発装填できる「リロード」と、1発しか装填できないが即時性の高い「クイックリロード」の2種類がある。特殊弾というと、アイテムのようにも思えるが、スタック式のバフの一種だと思えばいい。特殊弾を5つ装填すると、「特殊弾V」というバフがつく。このバフがある状態で他のウェポンスキルを使うと、ダメージが上昇し、特定のウェポンスキルは追加効果の発生確率が高くなる。

 これらのウェポンスキルは追加効果が発動している状態で使うとコンボが成立する。ほかのジョブで言うところの基本コンボのようなもので、この3つを適宜使いながら、単発の技を織り交ぜていくというのが基本のローテーションになりそうだ。1回コンボをつなげるには最低でも弾が2つ必要で、他の技でも弾を消費するので5つのバフを使いきるのは割と一瞬だ。その割にはリロードにそれなりの時間がかかるので、特殊弾は常に使い続けるものというよりは、短い時間に高いDPSを出さなければならない局面などで使用する攻撃バフの一種だと考えるといいかもしれない。

 ほかにも追加効果がスタンが入る「サプレッシブファイア」。相手をバインドさせたり、ヘヴィ状態を作る技もあった。物理ダメージを減少させる「ウェポンブレイク」は、「ファイナルファンタジータクティクス」を彷彿させる技となっている。

 攻撃系の技では、扇状に銃を乱射する「スプレッドショット」や、相手に爆弾をセットしてダメージを蓄積させるユニークなもの、相手にグレネード爆弾を投げつけるものなどかっこいい技が揃っている。

 そんな機工士のもう1つの大きな特徴がタレットだ。タレットは2種類ある。「オートタレット・ルーク」は細長い見た目で、胴体部分から単体の敵に対して弾を打ち出す。「オートタレット・ビショップ」は丸い形のタレットで、自身を中心としたサークル上の範囲に入った敵に対して術攻撃を行なう。動かせないため、召喚士のエギのように一度出せば死ぬまでは付いてくるというものではなく、その時々に設置する必要があり、タンクになれるほどの耐久力もないが、攻撃補助としてなかなか頼りになる存在だ。

 ちなみに「タレット回収」というアビリティがあるが、通常は回収せずに放置しておいても問題はない。タレットを交換するときにも1台出している状態で、もう1台を出せば前のものは消える。回収は、ダメージを与えてはいけない場面などタレットを強制退場させたいときに使うもののようだ。

 タレットにはさらに支援効果もある。特定のアクションを使うことで、タレットのモードを入れ替えてMPを消費しながらTPを持続回復させる。効果範囲はだいたい詩人の歌と同じくらいだと思えばいいだろう。詩人は詩人で強化されており、機工士が登場したから席がなくなる心配はなさそうだが、遠距離物理攻撃が好きならかなり魅力的な選択肢が増えたことは間違いない。

【機工士のアクション】
オートタレット・ビショップの範囲攻撃
オートタレット・ルークを出しながらの攻撃
リロード。機工士のアクションにはあまり派手なオーラなどがつかないが、よく見ると細かく銃をいじったり、腕のコントローラーでタレットを操作したりしている
前方の敵を銃で薙ぎ払う「スプレッドショット」

既存のDPS6ジョブも新アクションで戦闘スタイルが変化!

竜騎士は「蒼の竜血」を使うことでシチュエーションに合わせた攻撃スタイルの選択が求められるようになる

 続いては既存6DPSジョブについて紹介していこう。まず、「蒼天のイシュガルド」を象徴するジョブである竜騎士には「蒼の竜血」といういかにもなアクションが入った。使用すると、アクションの威力が短時間増加する。この間に、「フルスラスト」か「桜華狂咲」のコンボを成立させると、さらに派生する新たな2つの技が使えるようになる。さらに重要なのはこの技を使うことで「蒼の竜血」自体の効果時間を延長できることだ。

 蒼の竜血の発動中に使える最強の技は、レベル60で覚える「ゲイルスコグル」という前方に向かって放つ範囲攻撃技だ。このアクションには「蒼の竜血」の効果時間を短縮するという追加効果がある。「蒼の竜血」はそれほど効果時間の長い技ではないため、発動直後に、「ゲイルスコグル」を使うとすぐに切れてしまう。しかし、前述のアクションによって効果時間を延ばすことが可能であり、効果時間を自ら延長し、大技を使って行くという工夫の余地が見どころとなる。

 レベル60竜騎士の戦い方は、戦闘が継続している間は「蒼の竜血」でダメージ上昇を維持しつつ、フェーズの切り替えなどでバフが落ちてしまうようなタイミングには、一気に大技で放出するという2つのスタイルを適宜使い分けてDPSを延ばしていくようなスタイルになりそうだ。

 実際に使ってみると、確かにまったく貯めずに使うと「蒼の竜血」は本当にあっという間に切れてしまう。フルスラストや桜華狂咲のコンボを貯めつつ、どのタイミングで「蒼の竜血」を使ってどこまで貯めて、どこで放出するかを考えつつ、さらに背面、側面も使い分けてと、これまでとはかなり違う戦い方が必要になるだろう。

【竜騎士の新技能】
竜の血を目覚めさせる「蒼の竜血」
「蒼の竜血」中に繰り出す最強の技「ゲイズコグル」

モンクは「闘気」を貯めたり、「演武」を使って型を進めることで「疾風迅雷」の活用方法に工夫の余地が生まれる

 モンクには「闘気」という新しい技が追加された。これはバフの1種でボタンを押すと赤いオーラを放出しつつ1つずつ、最大5つまでスタックしていく。この闘気自体には特別な効果はないが、5まで貯めることで派手な攻撃技などが使用可能になる。

 モンクは常に疾風迅雷を維持するために敵を殴り続けているが、敵がジャンプしたり、痛い攻撃をよけたりするときに多少手が空いてしまうことがある。そういうときに、すかさずこの闘気を貯めておけば、敵の側に戻った時に前述の強力な技でDPSを稼ぐことができる。

 また、疾風迅雷を維持する工夫として、攻撃せずに型だけを進める「演武」というアクションが入る。こちらも同様に、攻撃できない待ちの局面などシチュエーションを選んで使うことで、DPSを効果的に維持しようというものだ。

 新しい攻撃技としては、ジャンプして敵の頭上から青いビームのような範囲攻撃を出す「蒼気砲」や、「疾風迅雷III」の時にそれを消費して繰り出す「闘気旋風脚」といったものがある。今回の新技能では、まったく攻撃スタイルが変化するジョブと、現状を維持しつつ物足りなかった部分を埋めるという2方向が感じられるが、モンクの場合は後者に当たる。他のDPSのように立ち回り自体が全く変わってしまうというものではないが、よりテクニカルな方向へ進化を遂げるようだ。

【モンクの新技能】
「闘気」を貯めるのはボタンを押すだけと簡単
「闘気」を5スタックさせて繰り出す「陰陽闘気斬」

忍者は新ウェポンスキル「強甲破点突」で「風遁の術」を更新できるようになる

 忍者は後発のジョブだからなのか、一見すると基本的な立ち回りについては大きな変化がないように見える。攻撃面での特徴は、「双刃旋」、「風断ち」から続くコンボに3つ目となる新しいルートが追加されたことだ。新コンボの3段目となる新しいウェポンスキルは、コンボの追加効果で「風遁の術」の効果時間を延長する。しかし、これによって忍術のリキャストを風遁に用いていたものが、他の忍術を絡める余地となり、複数の忍術を絡めた立ち回りによって大きな変化が生まれるかも知れない。

 忍者にはほかにも2種類のDoTや、敵への攻撃弱体技などを維持するためのコンボも使い続ける必要があるためローテーションをしっかり見直す必要が出てくるだろう。さらに1度で3回攻撃をかけるお得な単体攻撃技や使用すると効果時間中に使ったウェポンスキルのダメージを増幅させるアクションなどもあり、一気にDPSを叩き込むことが可能になっていた。

 今回増えたアクションのうちの2つは支援系の技になっている。「影渡」は自分に貯まった敵視の大部分をパーティメンバーに渡すというもの。「縮地」が使える忍者が開幕に先行してタンクからターゲットをとってしまうのは、非常にありふれた光景だ。「あ、やべ!」と思ったときには今までだと攻撃の手を止めて意図的にDPSを落とす必要があったが、「影渡」でタンクに敵視を渡してしまえばそのまま攻撃を継続できるかもしれない(あくまで状況によるので断定はできないが)。さらに対象の敵視を下げる効果を持つアクションもある。自分の敵視を下げる効果をもっているジョブはあるが、こちらはパーティメンバーに対して使えるので、より便利な技だ。

 3つのコンボルートを使い分けなければならないという部分で、DPSとしてはよりトリッキーになった感があるが、支援系の技能も入り、よりパーティの連携を意識した形のプレイが求められているということだろう。

【忍者の新技能】
自身の敵視をパーティメンバーに渡す「影渡」
対象メンバーの敵視を下げる支援系の新技

詩人はDoTの管理が便利になり、チャージして戦うという新しいスタイルが追加された

 機工士が入ってやや先行きを危ぶまれている詩人だが、レベル60までの技能でまた一皮むけた成長を遂げている。ポイントは、機工士のアタッチメントと同じように、ダメージは上がるがアクションにチャージが発生するようになる新しい歌「旅神のメヌエット」だ。使うと与ダメージが上昇する代わりに、「ストレートショット」など従来のウェポンスキルに発動までのチャージ時間が付いて、その間は動けなくなる。機工士と同じように、今まで通りの動きまわりながらの攻撃と、後方からより強力なダメージを出す固定砲台という2つの選択肢が生まれている。

 「旅神のメヌエット」中にしか使えない2つの新アクションを持つところも似ている。しかしそこからの立ち回りは、実際に遊んでみるとむしろ召喚士を思わせた。詩人には「べノムバイト」と「ウインドバイト」という2種類のDoTがあり、この2つを常に維持しながら戦うのがスタイルだった。ところが新アクションのひとつを使うと、なんとこの2つのDoTが同時に更新できてしまうのだ。さらにDoTが2つとも入っている状態の敵に「サイドワインダー」という攻撃技を使うと、追加ダメージも与えられる。これらの技をうまく回すことで、今までよりも格段に高いDPSをたたき出すことができるようになっている。

 動き回りながらの攻撃が詩人のアイデンティティ、という人にとってはキャストタイムに立ち止まる必要がある戦い方は多少ストレスを感じるかもしれないが、たたき出すダメージを見るときっと次からはまずメヌエット、と思えるはずだ。詩人の残る1つの新アクション「時神のピーアン」はパーティメンバーやペットを対象にかける補助効果で他の歌とは競合しない。

【詩人の新技能】
MP消費がなく他の歌と併用できる「旅神のメヌエット」
旅神のメヌエットを使うと、与ダメージが上がる代わりに一部のスキルにチャージ時間が発生する

黒魔道士は「エノキアン」という新技でローテーションが大きく変わる

 黒魔道士には「ファイジャ」と「ブリザジャ」という上位魔法が入った。しかし、単に「ファイガ」が「ファイジャ」に変わったわけではない。これまで黒魔道士はファイア系を使って「アストラルファイア」のバフを、ブリザド系を使って「アンブラルブリザード」のバフを貯めながらそれを適宜スイッチすることでMPを切らすことなく攻撃し続けるというスタイルだった。レベル60からは、ここに新たに「エノキアン」の維持という要素が加わる。

 エノキアンは使うと効果時間中の与ダメージがアップするバフで、ファイジャとブリザジャを撃つ必須条件にもなっている。これらの上位魔法は、エノキアン効果中でかつアストラルファイアかアンブラルブリザードの時に初めて使うことができる。ブリザジャを使うとエノキアンが更新されるが、その際1度更新するたびに効果時間が縮まっていく。

 また、ファイジャとブリザジャは、アストラルファイアとアンブラルブリザードを更新しないので、この2つを維持するためには従来通りファイガやブリザガも回していかなくてはならない。この微妙にタイミングの事なる2つの要素をうまく組み合わせられるかどうかが黒魔道士の強さになる。

 そして今回、「黒魔紋」という術の詠唱速度が早くなる魔法陣や、「激成魔」という魔法の効果アップを発動させるアビリティも入っている。黒魔紋は使うと自分を中心とした魔法陣が地面の少し上あたりに生成される。一度生成されてしまうと地位が固定になり、魔法陣から出ると効果も魔法陣自体も消えてしまう。範囲内なら自由に移動できるので、敵の範囲攻撃をまったく避けられないわけではないが、それほど大きなサークルではないのでDPSが伸びるぶん、動きはかなり制限される。

 今回あまり黒魔道士を使う機会はなかったのだが、少ない時間で試した範囲でも、びっくりするような数値をたたき出していたので、これらの要素をうまく使えば相変わらずパーティのエースダメージディラーとして君臨できそうだ。

【黒魔道士の新技能】
詠唱スピードが速くなる「黒魔紋」。魔法陣内であれば自由に動くことができる
黒魔道士のローテーションを変える新技能「エノキアン」

召喚士はついにバハムートの力を自分に宿らせて駆使するという新しい戦闘スタイルを得た

 今回、筆者が使った中で一番難しく感じたのが召喚士だ。召喚士は新しいエギが入らなかった代わりに、バハムートの力を宿して戦う「バハムートエーテル」という要素が加わった。バハムートの力を解放するまでには、結構な手順が必要だ。まずは通常度通り「エーテルフロー」を貯めた状態からエーテルフロー消費アクションを実行すると「バハムートエーテル」という30秒間有効なバフが付く。

 バハムートエーテルを貯めると「トランスバハムート」という技能が使えるようになる。これでバハムートの力を自らに宿らせ、更なる攻撃手段を得る。つまりエーテルフローをバハムートエーテルに積み替えることで力を発揮するという形だ。

 この絡み合う要素に気を取られていると、通常のDoT管理が怪しくなってしまうが、今回「トライディザスター」がレベル56で覚える新技能として生まれ変わり、バイオ・バイオラ・ミアズマを一度に付与できるという、その名にふさわしい強烈な技になった。従来の技は「トライバインド」という名前に変更になっている。

 デスフレアやトランスバハムートは、カンスト近くにならないと覚えない。そこ召喚士は既存のアクションにも様々な調整がなされており、レベル60に到達したときには黒魔道士同様にローテーション一気に変化しそうだと感じた。これまでも召喚士は「強いが操作が難しいジョブ」という印象があったが、この印象は「蒼天のイシュガルド」ではさらに磨きが掛けられ、やはり武器が本だけにいろいろと頭を使わねばならないジョブとして強化されていると感じられた。

【召喚士の新技能】
新しくなった「トライディザスター」
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(石井聡)