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「グランツーリスモ」でプロレーサーを目指せ!「GT アカデミー」がついにスタート!
老若男女誰でも参加可能! イベントで加藤茶さんが激走
(2015/4/21 18:08)
日産自動車は、ソニー・コンピュータエンタテインメント、ポリフォニー・デジタルと共にドライバー発掘育成プログラム「GT アカデミー」を日本においても開催すると発表した。
「GT アカデミー」は、2008年にSony ComputerEntertainment Europ、ポリフォニー・デジタル、欧州日産自動車によってスタートした企画で、「グランツーリスモ」のトッププレーヤーに国際レースを走るために必要な訓練とライセンスを取得するチャンスが与えられる。すでにプロレーサーを輩出しており、「グランツーリスモ」の高いシミュレーション性を証明する結果となっている。同様の試みは既に世界中で行なわれており、アメリカ合衆国、ロシア、インド、タイ、メキシコなど35カ国で実施されている。
これまで日本では行なわれていなかったが、国内はもとより欧州のチームなどからも待望する声が上がっていた。2013年にイギリスで開催された「グランツーリスモ6」の発表会の時も「日本でもぜひやって欲しい」と関係者から声が上がっていた。そういった意味では“やっと”といった印象だ。同時に今回用意されたキャッチコピー「ゲーム大国を、レース大国に。」がまさに言い表しているが、ついに日本のプレーヤーにもチャンスが回ってきたと言える。
参加者は4月21日16時から予選にチャレンジする事ができ、予選を通過した上位20名が参加するナショナルファイナルラウンドにより日本選手団6名が選出される。予選は、プレイステーション 3用「グランツーリスモ6」で6月16日15時59分まで行なわれる4回のオンライン予選全てに挑戦。上位16名がジャパンファイナルに進出。リアルイベント予選は「SUPER GT第二弾@富士スピードウェイ」のNISSA/NISMOブースや、日産グローバル本社ギャラリーなどで開催予定。ここで勝ち抜いた4名がジャパンファイナルに進むことができる。
オンライン予選への出場資格は、運転免許証を所有していることなど諸条件と、PS3「グランツーリスモ6」でインターネット予選に参加できること。
「GT アカデミー」の日本での開始を記念して、21日にはゲストを招いてイベントが開催された。ゲストとして招かれたのは、NISMO契約のレーシングドライバー・松田次生選手、そして70歳を超えるが車好きで知られているタレントの加藤茶さんとその奥さんの綾菜さん。加藤茶さんはステアリングホイールを装備した本格的なレーシングゲームはプレイしたことはないと言うが、発表会にはレーシングスーツを着て登場し、気合いの入っているところを見せた。
「グランツーリスモ」について聞かれた松田選手は、「皆さんが思われているゲームと違って、精度が良くなり初めて走るコースはゲームで憶える」とリアリティの高さを選手の目線でコメント。さらに「カーセッティングもできますし。実車で走るとお金がかかりますから(ゲームでイメージトレーニングを行ないます)」とレーサーにとっても重要なツールとなっていることを明かした。
ここでエキシビションとして、F1等でも使用されるイギリスの有名なコース「シルバーストーン」を使い走ることに。まず走った松田選手はバックストレートからコーナーに入るときに攻めすぎてコースアウトするも何とか戻して完走。松田選手は「路面の凹凸などのショック、バンプなどの吸収など、ステアリングホイールに振動が伝わって本当にリアルだが、(実際と違って)Gがないので、体的には疲れない。それでも(本物同様のレースの)緊張感がすごくて、汗をかいてしまう」とアピール。
ここで挑戦した加藤茶さんは、スタートラインに入る前にステアリングを取られ場面もあったが、コースに入ってからはコースアウトすることもなく緩急を付けたドライビングでコースを走り続け、松田選手からは「ライン取りが良いですね」と褒められることも。2周して1周目から1秒ほどタイムを縮めてみせた。松田選手は加藤茶さんの走りを「普通なら無茶してコースアウトしてしまうんです。少しコースを外れてもハンドルを取られてしまいます。それをコースアウトしないで運転する加藤茶さんはセンスがありますね。少し練習すれば10秒くらいタイムが縮みますよ」と称えた。
イベントの最後には、「GT アカデミー」出身で現在は世界耐久選手権(WEC)や全日本F3選手権にも出場しているスペインのルーカス・オルドネス(Lucas Ordonez)選手がサプライズゲストとして登場。オルドネス選手は「日本でのローンチイベントにこれて光栄。7年前はスペインの学生だった僕の人生を『GT アカデミー』は変えてくれた。参加者の皆さん、がんばって」とエールを送った。
ちなみにオルドネス選手もシルバーストーンにチャレンジ。松田選手よりコンマ2秒早かった。このタイムを見た松田選手は「1秒とか離れたらどうしようかと思いました。でもコンマ2秒違うとレースでは3~4台順位が変わるんです」と勝負の厳しさを解説した。
松田選手は最後に「若い世代は夢を持って欲しいし、夢をつかんで欲しい。車離れなど言われているが車に興味を持って欲しいし、『グランツーリスモ』やこの大会がそのきっかけになって欲しい」と語った。
以前オルドネス選手に、「グランツーリスモ」のプレイと実際のレースに違いがあるか伺ったところ「フィジカルにはGの違いがある」と語っていた。実際プロドライバーの運転でシルバーストーンサーキットを走ったとき、ドライバーが軽く踏み込んだだけで首が取れるかと思うほどのGの衝撃で、2周ほど走っただけで全身汗だくとなった。この過酷な条件下で一瞬の判断を下し緊張感を維持するのはまさにプロスポーツと言える。しかしコースのシミュレートや精神力の維持は、プレーヤーもレーサーも変わらないところまで来ている。ぜひともチャレンジして世界への切符を入手していただきたい。