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ストレージ業界大手のアイ・オー・データとWDが業務提携を発表
世界1位のWDと手を組み国内ナンバーワンを目指す!
(2015/4/15 16:25)
米WD(Western Digital)とアイ・オー・データ機器は4月15日、都内で共同記者会見を開き、両社の間で外付けハードディスク(HDD)に関する業務提携が締結されたことを発表した。総代理店契約ではなく代理店の1社ということだが、現時点での国内代理店はアイ・オー・データのみで、実質的には独占状態となる。
業務提携の内容は、世界最大手のストレージメーカーWDの外付けHDDを、日本国内においてアイ・オー・データが販売を行なうというもの。これまでもアイ・オー・データのストレージ製品にはWDのHDDが採用されており、10年以上に渡って親密な関係にあるが、今回の提携では、WD製HDDの採用に加えて、“WDブランド”の外付けHDDもアイ・オー・データが取り扱うようになる。これによりWDとしては、日本でのシェア拡大に向けて販路を広げることができ、アイ・オー・データでは、ストレージ事業におけるポートフォリオが飛躍的に拡大し、バッファローが独走する国内トップシェアの地位に向けた大きな1歩となる。
今回の提携の背景には、世界的なストレージ需要の増大と、2011年以降断続的に続く業界再編の動きがある。発表会に登壇したWD Executive Vice PresidentのJim Welsh氏によれば、各家庭におけるストレージの使用量が2011年は0.46TB(460GB)だったのに対し、2016年には3.3TBまで拡大すると予測。クラウドの利用量についても、2011年は7%に対して、2016年は36%まで伸長するとしており、パーソナルユースの個人向けストレージ、クラウド向けの法人向けストレージ共に拡大傾向は今後も続くと予測している。
一方、2011年に日立がWDに、サムスンが米Seagateにそれぞれストレージ事業を売却するなど、業界再編の動きも続いている。2014年には米Seagateの外付けHDDをエレコムが取り扱うことを発表し、バッファローが堅持する業界1位の座を伺っている。こうした状況を踏まえアイ・オー・データとしては、提携内容をもう一歩踏み込む必要があると考えたようだ。
アイ・オー・データとしては、現在、PC/TV向けに特化してきたストレージ事業を、4K映像の録画制作をはじめとした個人向け、そしてNASの活用を含めた形での企業データの保全用まで広げ、より広いユーザーニーズに応えていく。
なお、WDの新製品として注目されている個人向けのクラウドストレージ「My Cloud」については、アイ・オー・データ代表取締役社長 細野昭雄氏によれば、「商標の関係で同名ではリリースできないため一部をカスタマイズした上で、夏を目処に日本で販売できるように準備を進めているところ」と説明。日本でも取り扱う予定であることを明らかにした。
ちなみにアイ・オー・データは、TV番組の録画や、パーソナルデータの保存については事業として大きく力を入れているが、ゲーム用途については他社と比較してそれほどでもない。この状況はWDの外付けHDDを含めても状況は変わりそうになく、ゲームファンとしてはゲーム方面のポートフォリオの拡充にも期待したいところだ。