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“古典”の感触を持ったSFアドベンチャー「Alone With You」
ファミコン風の激しいアクションシューティング「Axiom Verge」
(2015/3/9 00:00)
GDCでは様々なインディーゲームが紹介された。プレイステーション 4、Xbox Oneの2つのゲームハードも、自社の優位性をアピールするためにインディーゲームを展示していた。「そのゲームをプレイできるゲームハードは魅力的だ」と思わせる作品に、インディーゲームがどんどん増えている。
GDCということもあるとは思うが、実際、Sony Computer Entertainment America(SCEA)のGDC EXPOブースでは10台ほどの試遊台があったが、大手メーカー製で展示していたのは「The Order: 1886」と、「Bloodborne」など3タイトルで、他はすべてインディータイトルだった。
本稿ではその中から2本のタイトルを紹介したい。SFアドベンチャー「Alone With You」と、2Dグラフィックスのアクションシューティング「Axiom Verge」である。どちらもファミコンや“マイコン”時代のゲームの雰囲気を持っているのが面白い。開発者がゲームに触れた原初の感覚を追うというのは、インディーゲームの1つの特徴かもしれない。
たった1人、AIと共に破壊された植民惑星を探索する「Alone With You」
「Alone With You」は淡い色のイラスト風のグラフィックスで描かれるSFアドベンチャーだ。PS4とPS Vita版の発売を予定しており、発売時期は2015年。価格は未定。
プレーヤーは植民惑星に派遣されたメンバーの1人。しかしゲームをスタートしたとき、彼女はたった1人だ。植民計画は失敗し、施設は崩壊。仲間は人口冬眠で眠っており、目覚めた彼女は、自分を支援してくれるAIと共に故障した宇宙船を修理し、故郷である地球に帰るための探検を開始するのである。
グラフィックスのシンプルな雰囲気や、昔の潜水服やアポロ計画時代を思わせる丸いヘルメットなどデザインはレトロで、崩壊したコロニーの中を探索するというテーマも含めて“古典”を感じさせる。それでいながらフィールドを探索するときは宇宙服の一部がマフラーのようにはためいて女性らしさを演出すると言ったところも面白い。ゲームの基本は様々な場所に行きアクションができる場所を探していくというスタイルだ。じっくりと探検が楽しめそうな作品である。
プレーヤーの相棒となるAIはワイヤーフレームで表示されており、様々な場面で語りかけてくる。今回は序盤のみの体験だが、孤独を際立たせる演出や、シックでシンプルなグラフィックス、謎めいたストーリーなど、非常に展開が気になる。ぜひ日本でも発売して欲しい作品である。
激しく、熱く、懐かしい、古典的なアクションの“ノリ”が楽しい「Axiom Verge」
「Axiom Verge」はコナミの「魂斗羅」シリーズを彷彿とさせるアクションアドベンチャーだ。PS4/PS Vitaと共に、Windows版の発売も予定している。発売予定日は3月29日で、価格は19.99ドル。
本作は面クリアー型ではなく広大なフィールドを探索していくタイプだが、中ボスとの戦闘は部屋が閉鎖されての濃密なアクション性を持っている。プレーヤーは移動しながら射撃方向を変え敵に弾を当てていく。懐かしさを感じさせる硬派なアクションシューティングである。
グラフィックスはドットが荒く、そしてわざと色数を少なくしてまるでファミコン・ゲームのような雰囲気を出している。試遊台でのボスは拡散した弾を撃つだけでなく、弾がフィールドに付着し、一定時間後に破裂する「爆弾」型のものも発射してきて、かなり歯ごたえがあった。試遊台でゲームに挑んでいた来場者達はかなりエキサイトして戦っていた。
本作には様々な武器が登場するようで試遊台ではレーザーのドリルのような武器が入手できた。近距離しか攻撃できないが壁の一部を壊すことができ、この武器で移動範囲が広がった。セーブ用のカプセルのようなフィールドも確認でき、敵と戦いながらたっぷりとフィールドを探索するタイプのゲームであることが確認できた。
「Axiom Verge」は画面の雰囲気からも発色が少なかったファミコン時代の作品を思い起こさせる。激しい敵の攻撃をかわしていくボスとの駆け引きもかなり無茶な感じで、昔のゲームっぽいバランスだ。「Alone With You」も昔のアドベンチャーゲームのにおいがするし、他の出展作でも古典のゲームの雰囲気を取り入れているものが多かったと思う。ひょっとしたら今後、インディーゲームによる「リバイバルブーム」の様な流れが、日本にも来るかもしれない。