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Xbox One/Xbox 360、絶叫ライドシム「ScreamRide」体験レポート

ジェットコースターを作ったり乗ったり、破壊したり……。物理演算が楽しいライドシム

3月5日発売予定



価格:
4,900円(Xbox Oneパッケージ版)
4,400円(Xbox Oneダウンロード版)
3,900円(Xbox 360パッケージ版)
3,400円(Xbox 360ダウンロード版)

 日本マイクロソフトが3月5日に発売を予定しているジェットコースター製作シミュレーションゲーム「ScreamRide」。ファーストパーティータイトルとしては、2014年11月13日の「Halo: The Master Chief Collection」以来の新作パッケージタイトルとなる。開発元は、Microsoft Studiosのセカンドパーティーとして「Kinectアニマルズ」や「Kinectディズニーランド・アドベンチャーズ」などを手がけてきた英国の独立系デベロッパーFrontier Development。いかにも英国的なテイストで、ユーモアに満ちたゲームに仕上がっている。今回発売に先立ち日本語版を体験することができたのでインプレッションをお届けしたい。

【「ScreamRide」最新トレーラー】

走行中のターボとQTEで飽きさせないハイスピードレース「スクリームライダー」

説明を行なう「ScreamRide」プロダクトマネージャーの南雲聡氏
ゲームならではのアクロバティックなコースターを楽しめる
海上に浮かぶジェットコースター
コースターやライダーが振り落とされるとやり直しとなる

 「ScreamRide」は、世界中の海上に浮かべられた架空のビル群を舞台に、その上を走るジェットコースターをうまく乗りこなしたり、ジェットコースターを丸ごとデザインしたり、建物を壊したりできるシミュレーションゲーム。ゲームモードは、ジェットコースターを乗りこなす「スクリームライダー」、建物を壊していく「破壊のエキスパート」、ジェットコースターを作る「エンジニア」の3つがあり、それぞれ個別にステージクリア型のミッションが20以上用意されている。

 メインモードとなるのは「スクリームライダー」。この世界のライドには、加減速、ターボ、左右への傾きといった機能が付いており、これら機能を上手く駆使してアクロバットなジェットコースターを上手く乗りこなしていく。発想としては、“スロットレーシング風のレースゲーム”といった感じで、規定のレールの上を走りながら、いかに加速やターボを繰り返し、アクロバットな走行でターボチャージを稼ぎ、ターボ状態による高速走行を維持できるかというゲームになっている。

 デモを見ている時は、あまりの激しい動きに「3D酔いするんじゃないか?」と心配になったが、自分でプレイしてみたところ、圧倒的なスピード感と慌ただしいゲームプレイに酔う暇も無いといった感じ。スタート直後や、加速レーンの終点、ジャンプ台の着地時など、レースシーンの至る所に、タイミングを計るQTEが発生し、これがレースゲームとしてのアクセントになっている。QTEを上手く決めるとターボゲージがググッと蓄積され、ゲージがMAXになるとターボを使うことが可能になる。

 このゲームについてひとつ誤解していたのは、発表時に乗客がライドから飛び出したり、場合によってはライドそのものが脱線してコースターの柱に激突し、粉々になるシーンなどが発表されていたため、そういうゲームかと思っていたが、あれはあくまで演出であり、「スクリームライダー」において乗客やライドが脱線するのはダメだ。

 普通に走っているだけではよっぽどのことが無い限り、乗客やライドが脱線することはないが、ターボを使い出すと、これが簡単に吹き飛んでいく。吹き飛ぶとミスになり、最初から、もしくは途中からやり直しになる。脱線を防ぐために、ターボ時はカーブの際、慣性が働く方向とは逆にライドを傾けて上手くやり過ごしたり、ターボそのものを細かくオンオフするなどのテクニックを駆使する必要がある。これがかなりのスピード感の中で行なわれるため、スリリングでおもしろい。

 デモの最後に、かなり終盤のステージも走ってみたが、スタート直後に方輪走行しないと脱線する障害物があったり、ブレーキを使わないとライドごと脱線するなど、完走すら覚束なかった。かなり遊び甲斐、やり込みがいのあるレースゲームになっている。

【スクリームライダー】

全力で“バカゲー”路線を突っ走った投球ゲーム「破壊のエキスパート」

人が搭乗した弾を専用の機械で打ち出して建物に勢いよくぶつける「破壊のエキスパート」
建物には壊れやすいポイントや、爆弾などが置かれており、これらを上手く活用することでより効率的に建物を破壊できる

 「破壊のエキスパート」は、人が入った球を、バッティングマシーンの要領でぶん投げ、建物にぶつけて、いかに粉々に破壊できるかを競うゲーム。最初、球を投げ方がわからず、ボーリングゲームのように地上を転がしてしまったが、このゲームもまた、射出後も、その着弾地点を微妙に操作できるようになっており、なかなか奥が深い。

 「破壊のエキスパート」では、手前にバッティングマシーンのような専用マシンがあり、奥に建物が並んでいる。まずは射出する向き、角度、パワーを決める。パワーが強ければ強いほどアームの回転スピードが速くなり、思い通りに射出するのが難しくなる。

 射出後は、球の着弾点を跳びながら微調整し、建物にぶつかるだけ。建物は物理演算に従って破壊され、破片をまき散らしながら海中へ沈んでいく。建物を完全に破壊したら、また隣の建物を破壊するという感じで進められ、持ち玉をすべて使った時点での得点を競う。

 建物には、何故か地上付近の付け根の位置に爆弾が備え付けられていたり、ボーナスが得られるモニターや、いかにも中を通して欲しげな輪っかが浮かんでいたりなど、様々なギミックが凝らされているため、これらが目標ポイントになる。ただ、狙ったところに撃ち込むのは思いの外難しく、こちらもやりがいがある感じだ。

 試しに後半のステージもプレイしてみたが、建物がちょっとやそっとではびくともしないような堅牢な作りになっていただけでなく、球の種類も1つだけではなくなり、ゴムのように跳ねまくる球や、空中で3つに分かれる球などがあり、投球前に使用球が決められるようになっているなど、「Angry Birds」のような展開になっていておもしろかった。

【破壊のエキスパート】

3Dエディットの面倒くささを徹底的に解消したコンストラクションモード「エンジニア」

ジェットコースターを作成できる「エンジニア」

 最後の「エンジニア」は、「スクリームライダー」でプレイしたような海上ジェットコースターを自分で作れるモードだ。

 この手のエディットモードは、各種タイルを配置するだけで済んだ2Dゲームと違って、3Dゲームでのステージ作成は、3次元になるため非常に面倒になることが通例だ。「ScreamRide」の「エンジニア」はこの点についてかなり工夫されているのが大きな特徴となっている。

 まず1点目として、ゼロから作らせない。「エンジニア」は、先に紹介した2つのモードと同じように稼いだポイントによって評価が決まるステージクリア型のゲームになっており、いきなりゼロの状態から作らせるようなことはしない。

 最初のステージはほとんど完成状態のジェットコースターで、繋がっていない部分を繋ぐだけでいい。もちろん、高評価を得るためには、乗客やライドが脱線しない範囲内で、スリリングなコースをデザインする必要がある。

 最初は程度がわからないので、カタツムリのようなぐるぐる巻きコースターにしようと、気が済むまでコースを巻いたら、むしろ最初より終点が遠ざかってしまって完成させるのが面倒くさくなってしまった。エディットモードでありがちなパターンだ。

 そういう場合に便利なのが2点目の工夫として「自動コンプリート」機能があることだ。この機能を使えば、始点から終点までを最短ルートで繋げてくれる。角度を合わせて連結するという一番面倒くさい作業をやってくれる。

 こうしてひととおり完成したら、次はテスト走行を行なう。このテスト走行では、エンジニア風の外からコースターを観察する外部ビューと、乗客の視点の2種類が用意されているが、最初のステージということもあり、「スクリームライダー」にあるようなジャンプ台や、加速レーンなどはない。

 このため、ある意味で非常に淡泊なジェットコースターシミュレーションゲーム風の映像が展開されるのだが、それでも筆者がデザインしたぐるぐる巻きの箇所でライドが脱線してしまった。そのほかにも乗客が飛び出してしまったり、気分が悪くなってしまったようだ。そうしたフィードバックは、テスト走行終了後のエディット画面で、すべて吹き出し形式で明示されるようになっていて、そこを直すことでより完成度の高いコースターがデザインできるようになっている。

 こうしてエディットしたジェットコースターは、Xbox LIVEを通じてシェアすることができる(Xbox Oneのみ)。シェアしたジェットコースターは、世界中に公開され、絶叫数や破壊数を競うランキング機能もサポートしている。

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(中村聖司)