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「新生FFXIV」、福岡F.A.T.E.にレベルファイブ日野氏がまさかのゲスト出演!

青燐精製所は日野氏の秘密特訓の舞台だった

青燐精製所は日野氏の秘密特訓の舞台だった

レベル50の攻撃でもすぐには死なない強敵が揃っているために、日野氏の特訓場となった青燐精製所

 日野氏がプレイの思い出を語る「エオルゼアでの思い出」コーナーでは、日野氏が「邂逅編」をクリアするために行なった秘密特訓を始め、プレーヤーなら思わず頷いてしまう思い出の数々を紹介した。

「真夜中の青燐精製所」

 ウルダハにある青燐精製所は今でこそ「真成編」の入り口として賑わっているが、いつも薄暗くてちょっと陰気な雰囲気が受けないのか、これまではあまりプレーヤーが寄り付かない場所だった。しかし、レベル50のキャラで殴ってもすぐには死なない強いモンスターがエーテライトの近くにいることから、日野氏はここを修業の場として愛用してきたのだそうだ。

 「大迷宮バハムート:邂逅編」の5層にサブタンクで参加すると、途中で蛇を2匹引っ張って走りながら、後から湧いてくる2引きの蛇もターゲットとってまとめなければならない場面がある。この蛇をいかに迅速にまとめるかが、「邂逅編」5層中盤の山場であり、とても難しい難所でもあった。日野氏は「シールドロブ」を投げて蛇を引き付けようとしていたが、パッドでプレイしていたので難しく、ここのモンスターに「シールドロブ」を投げて毎晩訓練をしていた。フリーカンパニーの人におススメしたら「今度やります」と微妙な返事だったそうだが。そんな思い出の場所が賑わっている現在の雰囲気は、ちょっと複雑なのだそうだ。

次に来る天気を教えてくれる「天気予報士」と、放送終了後価格が高騰したという噂のミニオン「マメット・トンベリ」

「僕と天気予報士とトンベリ」

 「ヌシ釣り」を提案した立場上、実装後には日野氏もヌシ釣りに挑戦したが、「シルバーソブリン」という魚が釣れなくて苦労した。3時間やってもなにも釣れず、「頭が病んできて、これは何か法則性があるのでは」と思った時、ミニオンのマメット・トンべリを連れていた隣のプレーヤーがヌシを釣り上げたところを目撃した。それを見た日野氏は「これはトンベリなのかも」とひらめき、さっそく実行してみたところ、なんと釣れた。それ以来、「トンベリを連れているとヌシの獲得率が20%アップする」という理論を確立して釣りをする時にはマメット・トンベリを連れていくようになった。ポイントはマメット・トンベリの持っている包丁で、包丁で捌くから釣れるのかもという発想だそうだ。

 さらに主釣りを進めると、今度は天気が「灼熱」の時だけ釣れる「オルゴイコルコイ」という獲物で行き詰る。こちらは3匹釣ればクリアで、最初の1匹はスムーズに釣れたが、それ以降ぱったりと当たりが来なくなった。そこでログインして最初にすることは、ウルダハの「天気予報士」のところに行って天気を教えてもらうのが日課だったことがあり、思い出深いそうだ。

木工士のスプラ装備。クラフターでも、ほとんどのクラスでスプラ装備を整えているというヘビーっぷりだ

「背中のスプラの謎」

 クラフターでハイランクのアチーブメント報酬としてもらえる「ルミナリー装備」という黄金の製作道具がある。製作装備は通常腰にぶら下げるが、ルミナリー装備だけは目立つ背中に背負う。

 パッチ2.3で実装されたクラフターの上位装備「スプラ装備」を獲得するには、膨大なお金と時間と努力が必要だ。それだけの苦労をして獲得したにも関わらず、スプラ装備の中には腰にぶら下げるものがある。中には背中に背負うものもあり、日野氏はどういう基準で背中か腰が決まっているのだろうという疑問を持っていた。「サーバーによっては100万ギルかかるものもあるので、これは背中にしてもらわないと困りますよね」と要求した。

 なぜそういう差が出ているのかという理由については、「旧FFXIV」まで遡る。「旧FFXIV」にはジョブという概念がなく、吉田氏が態勢を引き継いだ時点からジョブとジョブ専用装備を作り始めた。クラフターの装備についても、防具は「新生FFXIV」まで作れないが、せめて主道具だけでもと実装したのが「ルミナリー装備」だった。

 「旧FFXIV」では、背中から武器をとる時にモーションが飛んでしまうのを嫌って、武器はすべて腰に装着していた。吉田氏はそこをプレーヤーが苦労してとったものは目立たせるべきだし、目立つ場所に付けるべきという視点から「大きくして背中につけろ」と指示を出した。吉田氏としては、すべての装備についてそう指示したつもりだったが、その指示が徹底されていない可能性があるのが真相かもしれないということだ。「確認をして、全員背中だろと言えばなんとかなるかもしれない」といいつつも、あまり気のりはしない様子だったが、「もうやりましょ」と日野氏が背中を押していた。

日野氏から感じた、MMORPGに対する情熱と愛情

クリエイターとしてお互いをリスペクトしつつ、友人として苦労を共有する仲

 イベント終了後には、非常に短い時間ではあったが、メディア合同で日野氏と吉田氏からコメントを聞く機会を得た。時間がない中、2人の出会いから、MMOに対する情熱まで日野氏と吉田しの熱い思いを聞くことができた。

――まず、日野さんがここまで「新生FFXIV」をやりこまれている理由を教えてください。

日野氏: もともとゲーマーなんですね。MMOみたなものも好きだし、「Skyrim」みたいなオープンワールドも好きだし、好きな要素を持っている作品なので。もう1つあるとすると、吉田さんの人格が出ているので作っている人たちの顔が見えている感じですごく楽しめるなと。最初はお手並み拝見という感じだったのですが、普通にユーザーとして楽しんでいます。

 開発者としてはジェラシーを感じることが多くて。やはりうらやましいなという、僕も色々作っていますけれど、ユーザーとすごく対話して作っているところが物を作るうえでの理想形だと思うのですね。僕らも「妖怪ウォッチ」をやるときには子供たちの意見をすごく聞いて、子供たちのリサーチをしてやっているので、そういう意味ではステージは違えど、ある意味似たようなアクションをしているので、すごく参考になることも多いです。プレーヤーとしてやっているのも楽しいし、吉田さんと飲むのも楽しいし、色々な意味で楽しめるので、自然に1ユーザーとしてやっています。

――今日会場に来ていた人たちは、日野さんのヘビープレーヤーぶりに驚いたと思います。バトルだけではなくクラフターも極めていて。ものすごくお忙しいと思うのですが、どうやってプレイ時間を確保されているのですか?

日野氏: さっき(放送内)言った通りですよ。12時に家に帰って、募集がないとかないよねと(笑)。12時から3時くらいがコアプレータイムなのに、火曜日はリセット日なのでパーティ募集も多いのですが、水曜木曜となっていくと、夜にできないのでどうしてもやってもらわないと(笑)。最近は仕事で結構遅くになってしまうので、だいたい12時前くらいからしか自分の時間がとれないことが多いのです。なので、その後好きなゲームをやる時間にプレイしています。

――それは昔からなのですか?

日野氏: ここ1、2年くらいは「新生FFXIV」をずっとやっていますが、ゲームは常に好きなので「Skyrim」をやったり、色々やっています。

吉田氏: 本当にめちゃくちゃゲームをするんですよ。僕はショートスリーパーなのですが、日野さんもまったく同じなのです。2人ともたぶん4時間半睡眠くらいで起きるので、それだから12時から4時までとさらっといって、それがもう普通になってしまっているので、普通に時間をかけてプレイしています。

――お2人が仲良くなったきっかけは何ですか?

日野氏: 「新生FFXIV」をやり始めて、色々と苦労話をするようになったのですが、もともと「ドラクエ」の時から一緒に合宿をしたりしていたのです。

吉田氏: ちょうど「DQ8」の製作が終わって、僕が今の「DQX」を作るということでスクエニに入社して、堀井(雄二、「ドラゴンクエスト」シリーズクリエイター)さんも含めてやった最初の晴海での合宿の時に初めてお会いしていて、そのあとは「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」のディレクターをやっていた時に「DQ8」でレベルファイブさんが作ったリソースをお借りして作ったりしていたので、その時に少しまたご挨拶をしていたりしてました。でもそれ以降はイベントでちょっと顔を合わせて話すという感じで。

日野氏: 「FFXIV」をリセットして新しくやり直すという時に吉田さんの名前が書いてあって、僕はちょっと心配だったのですよ「これヤバいんじゃないの?」と思っていたのですが、それは違っていて、本当にガチの立て直しができていて、クリエイターとして本当に尊敬に値することができていると思っているのですね。なので、一緒に飲んでいてもすごく楽しいし、クリエイターのライバルとしても、友人としても楽しく付き合えるので、だんだん苦労話を一緒にするようになっていったのです。

吉田氏: 特に色々な雑誌とかメディアの中であれだけ言われていた「旧FFXIV」なのですが、「あれだけのものを作り出すのは世界的に見てもないことだぞ、すごいことなんだぞ」と当時日野さんがすごく言ってくださっていたのです。日野さんも一旦はプレイを休止していたけれど、新生した後、面白くなったといって戻ったら「なんだかえらくゲームが変わってる」と。

日野氏: 「新生FFXIV」の前の「旧FFXIV」の後半が変わったじゃないですか。あそこで変わって、すごいねと言って話すようになったのです。

吉田氏: そうですね。そこからは割と高い頻度で会うようになりました。

日野氏: でも「新生FFXIV」になる時、吉田さんに「楽しみにしておけよ」と散々煽られたんです。その日は何人か一緒にやっていた奴らと、今日はあれだけ吉田さんが言ってたから今日は1日このために開けておいたら、繋がらないとか。10秒で落ちるとか。「吉P言ってたのこれ?」、「つながらないってこと?」って(笑)

吉田氏: いやあ、お恥ずかしい(笑)。でも最初のうちはゲームの、どうやって考えてるの? みたいなところから、割とゲーム感だったり、今の業界はどっちに行くんだろうという話を最近特にするようになって、今は本当に月1くらいで。日野さんだったらなんとか時間を空けるから! と。

――ナイトでプレイされているということですが、タンクはプレイ人口が少なめなので、ぜひ日野さんからタンクの魅力を教えてあげて欲しいです。

日野氏: 僕も最初は黒魔道士だったのですよ。途中でナイトになったのですが、そっちの方が楽しかったのですよね。最初やり始めたときには、勉強を結構しないといけないのです。ダンジョンも面倒なものがいくつかあって、ワンダラーパレスとかタンクが先導しなくてはいけなくて、あれを勉強しなければいけないのが結構億劫だなと思ってやっていなかったのですが、1回やってみたらすごく楽しくて、自分の指示した通りにみんなが動いてくれるということにちょっとした快感があり、MIPがいっぱいもらえるようになったりとか。根っからのリーダー気質だからなのか、それで楽しくなってやるようになりましたね。今となっては、タンクをやらないと物足りないですね。

勉強しつつチャンスがあればオンラインゲームにもトライしたいと日野氏

――放送でベンヌのマクロを僕が出したいと言われていましたが、あれ結構伝わったと思いますよ。

日野氏: ベンヌのマクロを出しながら、自分のマクロも使いたい。

吉田氏: タンクの魅力って、確かに大変かもしれないですが、逆に僕も今どっちもたせるように集中的にタンクをやっているのですが、野良だと組んだ人のプレーヤースキルがバラバラなこともあるので、きちんと作戦を立ててここをちゃんとやりましょうと言って、確かに普通よりも時間がかかったかもしれないけれど、この場にいたこの人たちでクリアした喜びはたぶんタンクが一番感じられる気がするのですよ。「みんなやったね!」と。あれがタンクの一番の魅力な気がします。

日野氏: あと、ボスキャラを前から見られますからね。独占の視点ですからね。油断すると危ないのが、たまに黒魔道士で入った時にいつのまにか気づいたら前にまわっている。本能的に前に出てしまう。

吉田氏: 危ないですね(笑)

――日野さんまたオンラインゲームを作りたいですか?

日野氏: ん? またとか言いました?

――すでに経験が。

日野氏: いや、僕、経験ないですよ(笑)。作りたくてしょうがないのはしょうがないですけれど……やっぱりね。色々勉強させてもらってから、順を追ってやろうかなと思っています。

――ありがとうございました!

(石井聡)