ニュース
個性豊かな選手達と共に戦う「NBA 2K15」、先行体験レポート
選手のポテンシャルが実感、“新たなスポーツゲーム”を提示する作品
(2014/11/21 20:00)
テイクツー・インタラクティブ・ジャパンは、プレイステーション 4/3/Xbox One/Xbox 360/用スポーツゲーム「NBA 2K15」を11月15日に発売する。価格は6,300円(税別)。今回、発売に先がけてメディア向け体験会が開催された。本稿ではその感触をお伝えしたい。
今回プレイできたのはPS4版だったが、まさに実写と見まごうばかりのグラフィックスに驚かされた。選手達はもちろん、観客1人1人も描画され、状況に合わせて様々なリアクションを見せるチームメイトや、マスコットなども楽しい。今回はNBAファンのスタッフ達のコメントを聞くことで、本作が目指す“リアル”を感じることができた。
これがスター選手達だ! プレーヤーを導くAIにより、試合の感触を再現
「NBA 2K15」は2Kの人気ゲームシリーズである。北米で絶大な人気を誇るNBA(National Basketball Association:北米プロバスケットボールリーグ)をテーマに毎年様々な機能をアップデートし、ファンからの評価を受け続けている。オンライン機能も充実しており、シーズン中は毎日更新されるデータにより、戦績や、出場選手情報、コンディションなど多彩な要素がアップデートされる。CPUが操作するチームを戦わせて、次の試合の予想も可能だ。
選手達は技などのモーションも控え選手も含めて収録されており、AIで各選手の動きも再現している。運動量に応じて汗をかいたりもして、NBAの試合中継を実際に見ているよかのような臨場感が味わえる上に、いつでも試合を止め、多彩な角度から試合のリプレイもできる。
試合の合間には選手のインタビューが入る。このコメントはセリフを試合の展開に合わせつなぎ合わせたものになっている。解説は引退した名解説者シャック(シャキール・オニール)氏が登場するところもファンにはたまらないところだ。今作ではチアリーダー達のパフォーマンスまで見ることができる。
“見ているだけで楽しい作品”となっており、チームの監督となり、チームを管理するゲームモードも用意されている。さらに選手をトレーディングカードとして表現し、“デッキ”として選手達をコレクションしていくモードも用意されているという。
とはいえ、やはり“主役”となるのは実際に選手を動かし、試合を行なうモードだ。「NBA Today」では日々更新されるデータで手軽に試合が楽しめる。1人でCPUを相手にすることも、2人で対戦も、オンラインなら最大10人でプレイできる(オフラインなら4人)。操作する選手を切り替え、パスやドリブル、シュートを行なうスポーツゲームの基本を押さえたシステムで、初心者でも手軽に試合が楽しめる。
面白いのはAIだ。こういったスポーツゲームは慣れていなければ全然操作できず、試合にならないのが常だが、「NBA 2K15」は違う。操作していない選手はプロ選手達そのままに、巧妙に動くのだ。試合後半などは逆転する3Pシュートを決めるためわざと反則し相手にフリースローをさせ、そのシュートミスを拾おうとする。操作をしていない選手の動きをうまく利用することで試合がきちんと進行していくのがわかる。そしてスティックとボタンを組み合わせた複雑なアクションを試す余裕も生まれてくる。
各選手のパラメーターは細かく決められており、3Pシュートが得意な選手、ダンクがうまい選手などがいる。彼らにボールを集めれば、シュートボタンのタイミングがある程度ずれてもかっちり決まる。各選手の能力が高いチームを選べば戦いはグッと楽になるし、各選手の得意技を知れば流れるように試合を進められる。選手達のデータがここまでゲームに反映されるというのは驚きだった。実際のチームに詳しい人ほどゲームが楽しいのは確かだが、本作をきっかけに各選手に興味が生まれて、勝つための方法を探しているうちにチーム対して強く興味を持つようになるだろう。そして自分が得たプレイテクニックで、選手達にさらなる活躍をさせられるのだ。
実際の選手達のデータが、きちんと試合全体に反映されており、そこを意識してゲームを遊ぶことで知識が深くなる。まるで実際の選手達にゲームの面白さを教えてもらっているかのような気持ちになった。改めて最新のスポーツゲームの“凄さ”を実感できた。
往年の選手達も収録、さらに自分だけのキャラクターで挑戦も
「NBA 2K15」では最新の選手だけでなく、往年の名選手も多数収録しており、伝説の名勝負を再現できる。マイケル・ジョーダンのシカゴ・ブルズと、カール・マローンのユタ・ジャズと言ったカードも再現できるのだ。
今回、対戦をしてみたのだが観客であるNBAファンの反応が面白かった。「ロッドマンがこういうシュートをするのはあり得ない」、「今のを決めないのは選手としておかしい」、「彼がああいうプレイをするとは!」、「スティブ・カーがここで決めるのか!」、「ジョーダンを使わないのは、ダメだよね」などなど大騒ぎになった。
思わずファン達が色々なことを言いたくなってしまう。「NBA 2K15」のグラフィックス、選手達の動き、演出が生むリアルな空間だからこそ、ファンがのめり込むのだ。コントローラを握る人、見ている人、それぞれが知識を披露して、「あのときは実際にアメリカまで行ったんだよ」など思い出を語り合う、ゲームがうまくなくても楽しめる、スポーツバーなどに本作を置いても、ものすごく盛り上がるのではないだろうか。
本作には「2Kスマートプレイ」というアシスト機能があり、オフェンス時、L1を押すと動く場所がサークルで指示される。プレーヤーはボールを持った選手をサークルに移動させると、次にパスすべき選手と、ボタンが表示される……というように指示を表示させることで理想的な動きができるのだ。指示に従うには慣れが必要だが、フリープレイでのコツもつかめる機能だ。
さらにうまく操作することで「アリウープ」や「ピック・アンド・ロール」といったテクニックも使えるようになれば、さらに興奮は高まる。今回、シカゴ・ブルズでプレイしたのだが、ジョーダンのドリブルスピードには驚かされた。他にもダンクを決めやすい選手や、3ポイントが簡単に決まる選手など、チームの凄さがプレイするだけで伝わってくるのだ。本作は「キャラクターゲーム」としての側面が強いのではないだろうか。きら星のような名選手達を自らの手で活躍させる“気持ちよさ”を強く感じることができた。
さらにオリジナルキャラクターでNBAの世界で活躍する「マイキャリア」モードでは、次世代機版のみ自分の顔をカメラを使って取り込めるのだ。取り込んだ顔は個性的で、そこからさらにカスタマイズができるので、自分だけのキャラクターという思い入れが深くなる。
「マイキャリア」モードはストーリー要素がかなり強くて面白い。プレーヤーキャラクターは「ドラフトに選ばれなかった」という、どん底からスタートするのだ。ここから興味を持ってくれるチームを訪ねて、テストの試合を受けていく中で活躍を目指す。
プレーヤーキャラクターは最初能力値が低く、操作に慣れていなければ思うように活躍ができない。評価がどんどん低くなっていく中で焦る気持ち……スポーツの世界でのし上がっていく若者を追体験できるのが面白いし、自分の顔がモデルになっているところも楽しい。
「NBA 2K15」は盛りだくさんの内容の、北米での人気が実感できるゲームだ。やはりグラフィックスに優れるPS4やXbox One版を強くオススメしたい。スポーツバーなどでも話題を集める可能性がある作品であり、本体と一緒に導入してもいいのではないだろうか。
誤解を恐れず言うならば、「NBA 2K15」は“キャラクターゲーム”なんじゃないかと感じた。この選手ならばこう、こういった能力を持っていて、こう動く、そういうデータがきちんと入っており、プレーヤーはそのキャラクター性を頭に入れ、あるいは覚えながらプレイを重ねていく。間口の広さと、ファンの思い入れに応える深さをきちんと実現している作品だと感じた。
これまでのスポーツゲームは、モチーフとなるスポーツの知識が豊富でもゲームのテクニックも極めないと遊べない作品が多かったと思う。しかし、本作は違う。選手の特性を知っていれば選手はポテンシャルを活かして大活躍させることができるのだ。また知識もあまりない、という人も本作をきっかけにNBAに興味を持つことは必至だ。スポーツ選手をきちんとキャラクターとして際立たせ、初心者でも楽しめるゲームに仕上げているこの手腕は高く評価したい。そしてうまい人にはオンライン対戦というさらなる高みが待っているのである。スポーツゲームの進化を実感させてくれる作品だ。
[お詫びと訂正]
掲載当初、シャキール・オニール氏の愛称を「ジャック」としておりましたが、「シャック」の誤りです。ここにお詫びして訂正いたします。