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「ドラゴンエイジ:インクイジション」のイベント「審問会の秘密会議」を開催

クリエイティブ・ディレクターのレイドロウ氏が語るマルチプレイの詳細に注目

11月4日開催

会場:アクト・スクエア

 エレクトロニック・アーツは11月4日、恵比寿のアクト・スクエアにて、RPG「ドラゴンエイジ:インクイジション」のイベント「スカイホールド 審問会の秘密会議」を開催した。このイベントでは来場者をゲーム内のキャラクターが所属する審問会のメンバーに見立て、雰囲気たっぷりの会場で発売前の「ドラゴンエイジ:インクイジション」を楽しむことができた。

 イベントはメディア向けとユーザー向けでそれぞれ開催された。ユーザー向けは抽選で選ばれた20名が招待され、メディア向けのあとに行なわれた。今回はメディア向けに開催されたイベントを写真で紹介すると共に、同時に行なわれた「ドラゴンエイジ」シリーズのクリエイティブ・ディレクターを務めるBioWareのマイク・レイドロウ氏へのインタビューをお伝えしたい。

 なお、今回のイベントの目玉となる「ドラゴンエイジ:インクイジション」の体験プレイだが、弊誌では前日に体験レポートをお伝えしているので、合わせてお読みいただきたい。

【審問会の秘密会議】
雰囲気たっぷりの会場。大画面でゲームのムービーを見ることができ、試遊台で体験ができた
“撮影コーナー”もあり、ゲーム内の背景で、コスプレ用のローブや剣を持ってコンパニオンとの撮影も。鎧は兜だけかぶれた

クリエイティブ・ディレクターのレイドロウ氏インタビュー、シリーズ初となるマルチプレイは?

クリエイティブ・ディレクターを務めるBioWareのマイク・レイドロウ氏
巨大なドラゴンも登場する濃いファンタジー世界が魅力
これまでのシリーズのキャラクターも登場する

 イベント中、マイク・レイドロウ氏にインタビューを行なった。レイドロウ氏は「本作がこれまでのシリーズと大きく変わったところは、“オンラインマルチプレイ”の存在だ」と語った。今回体験できなかったが最も注目したい部分だ。

 レイドロウ氏は「本作のマルチプレイは、友達とセッションを遊んだり、ダンジョン攻略ができます。色々な装備を作ることもできます。今作で1番遊んで欲しいのはマルチプレイです」と語った。

 気になるマルチプレイの詳細だが、まずは世界観の詳細などを質問してみた。「ドラゴンエイジ:インクイジション」は「ドラゴンエイジ2」のあとの物語が描かれる。「2」での事件や結末が、本作の冒頭に直接繋がっていく。

 「2」では、テンプル騎士団と魔道士達の自治管理組織「サークル・オブ・メジャイ」の対立は深まっており、「ドラゴンエイジ:インクイジション」の開始画面はこの対立を解決する“会議”に参加するため、多くの騎士と魔法使いが会場へ向かうシーンを描いているのだという。しかし謎の大爆発が起こり、その機会は失われ、大きな危機が訪れる。

 「ドラゴンエイジ:インクイジション」では、カサンドラなど「2」で登場した人物が活躍し、およそ1年間にわたるストーリーが展開していく。その展開する地域はとても広大で、プレーヤー達“ 審問会”のメンバーはこの世界の隅々まで旅していく。「本作は“マルチリージョンオープンワールド”というゲームになっており、査問会は様々な地域を旅していきます。今作では10の地域が用意されており、『2』のような難民の流入問題を抱えている地域もあれば、ゾンビが出てくる地域や、砂漠、沼地……など様々な場所があります。ストーリーで向かうだけでなく、自由に行き来も可能です。最初のストーリーを終えると動き回り、探索していくことができます」。

 様々なミニクエストをクリアしていくことで審問会は“勢力”というポイントを得ていく。この勢力ポイントを使い、新たな地域を探索できるようになるだけでなく、審問会そのものもアップグレードできる。「審問会もプレーヤーがレベルアップしていき、様々な地域を旅して行くに従い“成長”していきます。最初はメンバーは4人で、世界の影響力もありませんが、出会うキャラクターは団体の代表者だったり、大きな影響力を持つ人たちです。彼らが審問会に加わることで、世界で大きな影響力を持っていくのです」とレイドロウ氏は語った。また、キャラクターの種族によって世界の様々な団体のつながりが変わるなどの変化も用意されているという。

 そして目玉となるマルチプレイである。「ドラゴンエイジ:インクイジション」のマルチプレイは、最大4人で行なう。キャラクターデータは、オンラインとオフラインは独立しており、プレーヤーはオンライン専用のキャラクターが用意されている。

 オンラインでは、種族や職業の異なるキャラクターが最初3人、その後クエストを進めていくことで合計で8人が使用できる。どのスキルをとっていくか、どんなアイテムを装備していくかで、プレーヤーごとのキャラクタークリエイトが可能になる。

 残念ながらXbox OneとPS4など異なるハードウェアでのオンラインプレイはできない。マッチングはマッチング用のMMOロビーが用意されておりここで仲間を募り、挑戦するクエストを提示できる。マッチング機能を使っての即席パーティプレイにも対応している。PSNやXbox Liveのフレンド機能でパーティを組み、ゲームを始めることも可能になっているという。

レイドロウ氏は熱を込めてゲームの各要素を教えてくれた
戦闘は戦略性が高い。オンラインでは特に連携が重要になるという
アイテム収集は本作の大きな魅力となる

 MMO空間であるローカルロビーでは、ボイスチャットも可能で、戦略の提示や必要なメンバーの提示も可能だ。NPCをパーティに加える機能は用意していないので、あと1人の募集をかける、といったマッチングも可能となっている。敵の上にマークを出したり、「あいつを攻撃しろ」、「こちらに集まれ」といった用意されたショートメッセージを飛ばす機能もある。もちろんパーティ内でのボイスチャットも可能だ。

 マルチプレイのストーリーはオフラインとは独立している。時間軸は同じで、オフラインオンラインのゲームでの結果が反対に影響するといった要素はなく、それぞれ独立したコンテンツとしてたっぷり楽しめる要素が詰め込まれている。オンラインでは、1つのクエストをクリアすると次がアンロックされるという形になっており、どんどん挑戦できるクエストが増えていく。

 クエストは推奨レベルが明示されている。さらにクエストは「ナイトメア」、「カジュアル」など難易度設定が可能で、高難易度だと報酬も大きくなる。低いレベルのキャラクターで難易度の高いクエストに挑戦すれば、倒されやすいが、入手できるEXPが膨大なので、うまく生き残れば早く成長できる。

 クエストは地域と、目標となるモンスターを指定して挑戦する。目標モンスターをランダムにすると報酬が大きくなる。またダンジョンの場合は内部が変わるなどのランダム要素があり、侵入ルートが変わる場合でも進行は大きく異なってくる。地下を進むのではなく地上を進んで目的を達したり、協会から隠し通路を見つける、など様々なルートがあって、難易度設定でも展開は変わってくる。

 「4人がそれぞれ仕掛けを動かすなど、タイミングが重要になる仕掛けもある。そして他のMMORPG同様、4人が力を合わせないと撃破できない敵や仕掛けももちろん用意されている。『スター・ウォーズ オールドリパブリック』や、『World of Warcraft』などのゲームの影響も受け、よい部分を取り入れている」とレイドロウ氏は語った。

 連携が必要なボス戦もあるが、「ホードモード」といえる拠点を防衛するような戦いもある。ボスとしては巨大なドラゴンなども登場する。巨大なデーモンや、人型のクリーチャー、素早くトリッキーなアサシンなども強敵だ。シングルモードでは各キャラクターを戦略的に動かさなくてはならないが、マルチでは連携を意識して動かないと切り抜けることはできないという。

 高い難易度のクエストをクリアすれば、お金は跳ね上がるし、様々なエンチャントがついた武器や防具、さらに強力なアイテムの素材なども入手できる。より強いアイテムを求めて難しいダンジョンに挑戦する「Diablo」シリーズのような「アイテムハント」も本作の大きな楽しさだ。生産システムは要素を組み合わせる合成・分解といった要素も用意されており、自分の目指すアイテムをどこまでも追求できるというところも魅力とのことだ。

 また、レイドロウ氏に「開発中の面白いエピソード」はないかと聞いてみた。すると、「戦士が敵に魔法の鎖を飛ばして自分に引き寄せるスキルを持っているんだが、物理エンジンの不具合で、引き寄せた敵の射手がその勢いのまま、後ろにスゴイ勢いで飛んでいって、ものすごく高いところに着地してしまった。こちらの攻撃は当たらないのに、敵は高さを活かして強烈なダメージを出してきてね。僕たちは『それでも倒すぞ!』と何とか回り込む道を探したんだけど、結局射手が逃げようとして墜落して死んでしまった。あれはおかしかったね」とレイドロウ氏は語った。

 今後の予定としては、DLCという形でマルチプレーヤー向けダンジョンなどを追加していきたいとのことだ。現時点では具体的なプランはないが、コンテンツの追加などは前向きに考えているとのことだ。

 最後にレイドロウ氏はファンへ向けて、「今回初めて日本に来ることができ、本当にうれしいです。ぜひ私達の作品を遊んで欲しいし、楽しんでいただけると思います。特にマルチプレイにご期待ください。友達とパーティを組み、遊んでください。必ず喜んでもらえると思います。多くの人に『ドラゴンエイジ:インクイジション』を楽しんでいただきたいと思います」と語りかけた。

(勝田哲也)