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雪山、滑空、そしてゾウ! 「ファークライ4」インタビュー

新登場の武器、動物、乗り物。コンテンツをフルに使って「ひとりひとりの物語を」!

2015年1月22日 発売予定

価格:
8,400円(税別、PS4/Xbox Oneパッケージ)
7,500円(税別、PS4/Xbox Oneダウンロード)
7,400円(税別、PS3パッケージ)
6,600円(税別、PS3/Windowsダウンロード)

 ヒマラヤの山からウイングスーツで滑空したり、象に乗って敵の要塞に突入したり、他のFPSタイトルとはまた違った要素が詰め込まれた「ファークライ4」。先日開催されたUBIDAY2014では、日本語初のプレイアブル出展を行なうなど、2015年1月に迫る日本発売に向けて段々と盛り上がりを見せつつある。

 そのような中、今回プレゼンテーションディレクターのリアム・ウォン氏にインタビューを行なうことができた。制作秘話や各種コンテンツの詳細など、ムービーやプレイデモだけではわからないゲーム内容について色々と話を伺ってきた。

「ゾウに乗ること」が前提で制作された「ファークライ4」

プレゼンテーションディレクターのリアム・ウォン氏
リアム氏はゲーム内でグラフィックスやUIなども担当している。ほかにも、こちら「コレクターズ・エディション」に含まれているポスター(ゲーム内にも登場)のデザインなども手がけている

――改めて、本作の見所を教えてください。

リアム・ウォン氏: 新しいロケーション、新武器、新しい動物、新しい乗り物など、新しい要素がたくさん登場するところです。

 武器には投げナイフやオートクロスボウ、ハープーンなどがありますし、動物にはゾウ、ミツアナグマ、ワシなどがいます。今回は「肉を投げる」という行動ができて、近くの動物をおびき寄せることも可能になっています。

 また乗り物には空中を飛べるジャイロコプターが登場するほか、乗り物に乗ったまま銃を撃てるようにもなりました。今回はヒマラヤが舞台ということで、空中を滑空できるウイングスーツが前作以上に活躍します。より使い勝手が良くなっていますね。

――今回、なぜヒマラヤをテーマにしたのですか?

リアム氏: 実は、舞台設定が決まる前に「次回の『ファークライ』ではゾウに乗りたい!」とディレクターが言い出して、それにチームが乗っかったという形でスタートしたのです。

 ゾウが登場する地域は世界でもいくつかありますが、「ファークライ」シリーズは秘境をテーマにしていたことや、植物や生物の生態系など様々に考慮した結果「ヒマラヤが最もオモシロイのでは?」となったということです。

 今回はチベットやネパールといった国々からインスピレーションを受けた、「キラット」という架空の国がテーマになっています。

――グラフィックス面での向上点は?

リアム氏: 技術的には、動物の毛皮を表現するシェーダーの機能を向上しているほか、植物は実物に近いものを再現できるようになりました。またライティングシステムを一新して、24時間の昼夜のサイクルを実現しました。

――今回コンシューマー機はPS4/Xbox One版とPS3/Xbox 360版(日本はPS3版のみ)が発売されますが、違いはありますか?

リアム氏: まず、ゲーム内容は全く一緒です。グラフィックスについては機種ごとの限界に挑戦して、できるだけ美しいものにしています。私達が1番に考えているのは、「いかに楽しんでもらえるか」ということです。プラットフォームに関係なく、どの機種でも楽しんでもらえるように制作しています。

「ファークライ4」は「ゾウに乗れること」きっかけで制作されていた!

ゲームは「山を登るように」進行。ロケーションも逐次変化

ゲーム進行と高度がリンクする。上は本作のマップで、左下から右上に向かっていくようになるという
山の麓から山頂まで、ロケーションが変わっていくのも本作の見所の1つ

――ヒマラヤ山脈というと広大なイメージがありますが、今回はどのくらいの広さなのでしょうか?

リアム氏: マップを上から見てしまうと、実際の所「ファークライ3」とあまり変わりません。ただ今回は山があって高低差があるので、表面積を考えるとその分広くなっています。

 「ファークライ3」では高低差のない島だったので、どこに行っても見た目があまり変わらない点が不満としてあったのですが、今回は高低差があることで山の麓は湿地帯で植物が色鮮やかに生い茂っていたり、山頂付近は雪景色になっていたりとロケーションが変わります。

――ロケーションが変わるというマップについて、もう少し詳しく教えてください。

リアム氏: 最初は高度の低い場所からスタートして、ゲームが進むに従ってエリアが山頂に向かって広がっていきます。

 エリアを進んでいくと、湿地帯から山の中腹部、そして雪の降り積もる山頂と段々と自然環境が変わっていって、環境だけでなく敵の強さや登場する動物も厳しいものになっていきます。山頂には最大の敵が待っているわけですが、主人公のエイジェイが高みを目指すという、ストーリー的な意味合いもあります。

――山を登っていく過程と、ゲームレベルの上昇がリンクしているということですね。

リアム氏: メインストーリーについてはそういうことになりますが、サイドミッションにはバラエティ豊かなものを用意しているので、早い段階で達する場所でも難しいといったような場所はあります。

――環境が変わることでの戦略的変化といったことはあるのでしょうか?

リアム氏: 山頂では空気が薄くなるので、酸素ボンベが必要になる、といったことはあります。また登場する動物は実際の生態系を反映させているので、ゾウは水辺、サルは木の多い場所、ユキヒョウは雪のある所にいる、といった感じになります。

――その動物ですが、今回は肉を投げるという行動が特殊ですね。開発側で想定している使い方はありますか?

リアム氏: 普通に考えれば、敵に見つからないように肉を投げ込んでみたり、肉を投げながら銃撃戦を行なって、敵を撹乱してみたりといったところですかね。

 ただ作っている側の楽しみとしては、ユーザーが開発者の想定以上の行動を見せてくれる部分もあるので、「こう使わなければならない」という制限はないようにしています。

 例えばハンズオンのイベントを開催した時は、ユーザー2人がそれぞれゾウに乗って、お互い体当たりをしたらどうなるかとか、ゾウと車を激突させてみたらどうかといったプレイが行なわれていました。

 ユーザー同士で色々と発見していけるのが、「ファークライ」シリーズの強みではないかと思います。ゾウとゾウを衝突させられるFPSというのは他にありませんので(笑)。

“非対称ゲームプレイ”の対戦マルチプレイも準備中

2人でできる協力プレイ。各地を回ってみるだけでなく、開発側も思いつかないような様々な実験も大歓迎だという
リアム氏は敵の拠点を制圧するデモプレイも披露してくれた。1人だとかなり忙しそうだったが、2人でプレイすればさらなる戦略が広がる

――UBIDAY2014で流れたムービーに、「シャングリラ」というものがありました。これは何ですか?

リアム氏: これはサイドミッションという位置づけですが、メインストーリーにも絡んできて、ある程度プレイしないといけない種類のコンテンツです。

 ヒマラヤ山脈の国々は、伝統や宗教が重要な長い歴史を持っているエリアです。そのような文化的な部分をゲームの中に表現したいというコンセプトがあって、伝説の世界を楽しんでもらえるものになっています。

 「ファークライ3」で好評だったトリップ世界のような非日常的な内容も意識していて、他のコンテンツとは違うものになっています。どうせ非日常ならとトラのパートナーを作ってみるなど、開発側も楽しんで作っています。

 「シャングリラ」で獲得したスキルは他の場所でも使えるようになるので、その点でもプレイする価値のあるものですね。

――今回はマルチプレイシステムにも変化がありましたね。改めて教えてください。

リアム氏: 今回のマルチプレイは、1人用のオープンワールドマップの中に他のプレーヤーが入って、2人で冒険できるようになります。PS4とPS3では「キラットへの招待状」というシステムがあり、1人が「ファークライ4」を持っていれば、2時間限定でフレンドの誰か1人と一緒にプレイできます。

 「キラットへの招待状」はPS4/3限定ですが、もちろん2人がソフトを持って入れば、プラットフォームごとにずっとフレンドと協力プレイができます。ただし、クロスプラットフォームではありません。

 ちなみにPS4にはシェアプレイというシステムがありますが、「キラットへの招待状」はこれとは別のシステムです。

――前作では4人協力プレイ用のミッションとマップがありましたが、今回はありますか?

リアム氏: 今回はありません。

――他に対戦プレイも用意されているようですが、どのようなものになるのでしょうか?

リアム氏: 言える範囲での表現になってしまいますが、5対5人の対戦で、“非対称ゲームプレイ”になります。“非対称ゲームプレイ”とは、2つのチームが同じ条件ではないということです。動物も絡んできて、前衛的な感じですよ。

――では最後に、「ファークライ」ファンにメッセージをお願いします。

リアム氏: オープンワールドのゲームを作っていて最大の楽しみは、ユーザーから思ってもみなかったプレイが発見されて、それを共有してもらえることです。

 ぜひ「ファークライ4」をプレイして、ひとりひとりの物語を紡いでほしいと思います。次世代機は特に共有しやすくいので、見るのを楽しみにしています。思ってもないものを見せてください。

――ありがとうございました。

(安田俊亮)