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Gearboxが放つFPS×MOBA系アクション「Battleborn」が日本初公開
個性的なヒーロー達によるチームバトルやCO-OPが熱い“ヒーローシューター”
(2014/10/3 00:00)
「Borderlands」シリーズを大ヒットさせた名コンビGearboxと2K Gamesの最新作「Battleborn」。E3から1カ月が過ぎた7月に突如発表され、世界の注目を集めているタイトルだ。9月に開催された東京ゲームショウでは、残念ながらブース出展は行なわれなかったものの、メディア向けにプレα版をベースにしたデモンストレーションが行なわれたので紹介したい。「Battleborn」はプレイステーション 4およびXbox One向けに日本を含むグローバル市場で2015年の発売が予定されている。
「Battleborn」の特徴は、なんといってもGearboxとして初の次世代機向けタイトルとなること、ゲームジャンルが“FPS×MOBA”という新しいものであること、そしてチーム戦が主体のゲームであることの3点が挙げられる。
Gearboxは、「Half-Life」シリーズや「Brothers in Arms」シリーズ、PC版「Halo」の開発経験などを経て、FPSの集大成として代表作「Borderlands」を生み出した。その道は決して平坦ではなく、「Borderlands」自体も完成までに何度も作り直したことで知られる。
「Borderlands」のヒットの要因は、FPSという同社が得意とするゲームジャンルに、RPGの要素を大胆に加え、独自の味わいを生み出していたことだ。「Diablo」が生み出した“ハック&スラッシュ”の醍醐味をFPSの世界で表現し、FPSファンにキャラクターを育て、レアアイテムを集めるRPG的な楽しさを提供したことで大ヒットを記録した。
そして「Battleborn」では、FPSとMOBAの融合にチャレンジする。MOBAとは“マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ”の略で、複数のヒーローが戦うチームベースのリアルタイムストラテジー(RTS)のことを指したRTSのサブジャンルとなる。この分野の代表作には「League of Legends(LOL)」や「DotA」などがあり、e-SportsにおいてもFPSと並んで豊富なユーザー人口を誇る分野だ。
「Battleborn」には、「LoL」と似たイメージで、数多くの個性的なヒーローキャラクターが登場し、プレーヤーはそのいずれかを選択して戦場に赴くことになる。今回は5つの勢力、9人のキャラクターが紹介されたが、発売時にはもっともっと増えるという。
このキャラクターは、「Battleborn」のキモとなる要素となるが、追加キャラクターをどのような手段で増やしていくのか、RPGとしての継続的な成長要素と、バトル内でのリアルタイムでの成長要素はどう切り分けるのか、同じヒーローを同一陣営内で使えるようにするのかなど仕様の詳細については明らかにされておらず、ゲーム性やバランシングの面で、これからじっくり煮詰めていくようだ。
現時点で判明しているのは、「Borderlands」で個性的な登場人物達を次々に生み出してきたGearboxの最新作だけに、今回も期待を裏切らず、非常にユニークなヒーローキャラクター達が揃っているということだ。
主人公格のMONTANAはミニガンを手にしたタフガイで、ローンチトレーラーで主役を演じたTHORNは宇宙の自然律を大事にするレンジ攻撃を得意とするアーチャー。RATHは刀を持った近接アタッカーで、自分の体ごと旋回する攻撃スキルで多くの敵を一掃できる。MIKOは謎のマッシュルーム型キャラクターで、忍者のようにすばしっこく器用にくないを扱う。MARQUISは、貴族のロボットというユニークな設定で、洗練された言葉と精度の高い銃撃を得意とする生粋の戦士。戦場を偵察したり、自爆攻撃を加えられるロボットフクロウを操る。OSCAR MIKEはコマンドーそのもので、ライフルを扱うだけでなく、空爆も呼ぶことができる、などなど、多様な世界観も含めて実に個性的だ。Gearboxでは、このヒーローを主体としたゲームデザインから、「Battleborn」のことを“ヒーローシューター”と呼んでいる。
ヒーロー達は、それぞれ異なる武器による複数の基本攻撃と、「Ultimate Ability」と呼ばれる特殊攻撃が用意されている。戦場や相手に応じて、どの攻撃手段やアビリティを重視するかを考え、ヒーローを選んでいく。まさにMOBA的な発想に基づいている。
さて、ゲームの基本設定は、遙かな未来、幾多の戦いの末に、1つしか惑星がなくなってしまった宇宙が舞台となる。その惑星目がけて多くの種族や派閥に属する生命体が押し寄せ、プレーヤーはその生命体のひとりとして、わずかに残った資源を巡って戦うことになる。
この惑星の覇権を巡って5対5のチーム戦が繰り広げられるほか、この惑星の回りには、いくつもの衛星が存在し、その資源を獲得するために、みんなで協力して共通の敵と戦うCO-OPモードが用意されている。このCO-OPモードが、「Battleborn」のストーリーモードになるようだ。
チーム戦は1戦あたり長くても30分程度で、全員レベル1からスタートし、バトル中に敵を倒すなどして経験値を上げることでレベルアップしていく。戦いの終盤にはレベル上限まで達することができるバランスになっており、レベルが上がる度にスキルを1つ習得できる。
「Battleborn」のスキルシステムは、「Borderlands」シリーズのような複数の系統からさらに枝分かれしていく複雑なスキルツリーではなく、ゲノムのような2重螺旋のデザインになっている。それぞれの螺旋にレベル1からMAXまでのスキルが設定されており、右か左かを選ぶだけでスキルを習得することができる。スキルツリーではないので枝分かれはせず、どちらを選んでも構わない。このスキルの内容はキャラクターによってすべて異なるようだが、左側は攻撃系のスキル、右側は防御系のスキルなど、一応系統立った区分けがされるようだ。
今回のデモでは、冒頭でも触れたようにプレαのバージョンによるチーム戦とCO-OPを見ることができたが、チーム戦は、まさにFPS視点で展開される「LOL」のようであり、これまでのFPSとはまったく違ったバトルが斬新だった。CO-OPについては、語弊を恐れずに言えば、近接と多種族を加えさらに多様化した「Borderlands」といった印象で、グラフィックスがカートゥーンテイストという点でも共通しているため、「これが『Borderlands 3』だ」と言われれば信じてしまいそうだ。
ただし、このゲームの主体はあくまでFPSによるMOBAであり、瞬間的な見た目は「Borderlands」に近くても、実際のプレイスタイルはまったく違ったものになりそうだ。FPS×MOBAは、これまでありそうでなかったゲームジャンルだけに、2Kにとっても未知の挑戦と言うことになりそうだが、その成功が大いに期待される手応えを持った。FPSファンや「Borderlands」ファン、そしてMOBAファンにとって要注目のタイトルだ。