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「Indie Stream Fes 2014」でヌードメーカー「Project Scissors」発表
インディーズを対象としたクラウドファンディングなども明らかに
(2014/9/22 17:33)
nyamyamの東江亮氏とNIGOROの楢村匠氏が発起人となりインディーデベロッパーのコミュニティーとしてのパーティ「Indie Stream Fes 2014」が東京ゲームショウ2014の会期中に行なわれ、多くのインディーゲームデベロッパーの関係者が集まった。
パーティには協力という形で、ソニー・コンピュータエンタテインメントやMicrosoft、UnityやEPIC GAMES(Unreal Engine)が名を連ね、プレゼンテーションが行なわれたが、主役はあくまでインディーゲーム。制作者の方が壇上に上がり自らの作品をプレゼンテーションする場などが設けられていた。また会場に「Oculus RIFT」を持ち込んでデモンストレーションを行なう開発者の方もいて、ほかのパーティにはない独特の楽しい雰囲気のパーティとなった。様々な企業の参加者も多数来場し、インディーゲーム開発者にとっても人脈作りには最適な場となっていた。
前述の通り様々な発表もあったが、ここでは3件に絞り込んでお伝えする。
伝説のホラーゲーム「クロックタワー」が帰ってきた!
パーティも終盤に入ってきた頃、ヌードメーカーの河野一二三氏が壇上にあがり、電撃的に新作ホラーゲーム「Project Scissors」を発表した。スライドに大きなはさみが映し出されると、もちろんゲーム好きが集まっている場のこと、大きなどよめきが起こった。それを察知した河野氏は「『クロックタワー』誕生から20年。その魂を受け継ぐゲームです」と発表した。
「クロックタワー」は、か弱い美少女が大きな“はさみ”を持った男に追いかけられる中、古城を逃げ惑うホラーゲーム。今作では、洋上の豪華客船が舞台。この閉鎖空間の中で発生した惨殺事件。連鎖的に殺人事件は起き被害者が増え続ける中、生き残るすべを見つけていかなければならない。
会場では特徴的なフォルムを持った“はさみ”のグラフィックスが公開された。このデザインは、「サイレントヒル」シリーズに登場する「Red Pyramid Things」などをデザインした伊藤暢達氏が手掛けている。伊藤氏は同作においてクリーチャーデザインを手掛けている。
さらに映画「呪怨」、「輪廻」などで知られる清水崇監督も参加。清水監督は、同作のティザー映像の演出と、ゲーム内における恐怖演出の企画協力を行なっている。河野氏は「今回はJホラーのパワーを見せつけたいと思った」と語り、清水監督を招き入れた。清水監督は「ゲームには疎くこれまで断ったりしてきたが、ぜひともと声を掛けてもらった」と経緯を語り、協力を快諾したようだ。清水監督は「予算が無くとも自由にできる」とコメント。「呪怨」のスタートはビデオで発売されたインディー出身ということで、河野氏のインディーで制作するというその精神に共感したという。
プレイステーション 4で東方創作ゲームがリリース
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは、同社のプレゼンテーションで「東方Project ZUN × PlayStation 新プロジェクトがスタート」とスライドに映し出され、東方創作ゲームがプレイステーション 4でリリースされることが明らかになった。
第1弾として「不思議の幻想郷3」、「東方蒼神縁起」、「東方スカイアリーナ・幻想郷空閃姫-祭-」がリリースされることが明らかになった。またその後も東方や同人ゲームがどんどんリリースされる予定だという。壇上からは会場にいるZUN氏に向かって「ぜひZUNさんの新作もよろしくお願いします!」と誘致をアピールしていた。
クラウドファンディングサービス「Makuake」が本格始動
パーティの中頃、壇上に招き入れられたcomceptの稲船敬二氏は「インディーにとっていい話を持ってきました」と切り出し、会場から大きな拍手を持って迎え入れられた。稲船氏は「ゲーム作りに1番大切なのは“熱い想い”。それは誰にも負けない……逆に言えばそれしかない人がこの場に集まっていると思う。では2番目に大切なこと……それは“お金”。お金がないと情熱があってもできない。今日はインディーの皆さんのためにお金を持ってきました」と語りかけ、会場から大きな拍手が巻き起こった。
ここでIPCのアレックス氏が商品説明を行なった。同氏は「インディーファンドはありそうでなかった。しかしあったとしても、どう活用すればいいかわからないのでは」と語り、とりあえずはコンタクトして欲しいとアピール。
稲船氏はサイバーエージェント・クラウドファンディングと組んでクラウドファンディングサービス「Makuake」でインディーズゲームの復興支援を図っていく。これはクラウドファンディングで資金を調達すると同時にニコニコ生放送などのメディアを使ってタイトルを露出することで支援していく。同時にプラットフォーマーともマッチングを行なう。会場ではプレイステーションしか書かれていなかったが、パーティ会場に来ていたMicrosoftのXbox事業を統括するフィル・スペンサー氏に「プレイステーションの名前がここにあるのに、Microsoftの名前がないのは問題だろう? どうOK?」と語りかけ巻き込んでいた。
「Makuake」は、2013年9月にインディーズゲーム開発プロジェクト「Airship Q」が、Cygamesよりプロジェクトの開発費及び宣伝費として総額7,000万円規模の資金調達に成功した事例を持っている。今後もこういった当取り組みを通して、インディーズゲームの復興を支援していくとしている。