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究極のMMAを!「EA Sports UFC」クリエイティブ・ディレクターインタビュー
次世代機パワーを全力投入。日本版は全部入りのパーフェクトバージョンに!
(2014/9/21 18:01)
エレクトロニック・アーツが11月20日のリリースを予定しているPS4/Xbox One用アクション「EA Sports UFC」は、世界最大級の総合格闘技イベントであるアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)を次世代機パワーで再現する、MMAファン垂涎のゲームタイトルだ。
本作は次世代機専用に開発されたこともあり、リングで躍動する選手たちをかつてないレベルの緻密な映像で描写することが最大の特徴。一足早く発売された海外版では数々のホットフィックスやフリーアップデートによりさらなるコンテンツの拡充や、登場選手の追加が行なわれており、国内版での内容がどうなるかも気になるところ。
今回、東京ゲームショウ 2014の開催に合わせて本作のクリエイティブ・ディレクターを務めるBrian Hayes氏が来日。インタビューを行なうことができたので、その模様をお届けしよう。
“Feel the Fight”。次世代機パワーで究極の試合描写を目指した「EA Sports UFC」
─── まず、本作の見所を教えて下さい。
Brian Hayes氏:本作では、ファイター(選手)たちをいかに緻密に再現するか、というところに力を入れました。本作では“Feel the Fight”というスローガンを掲げていますが、これはリング内で展開する打撃、サブミッションなど、ファイターたちの戦いの雰囲気や感覚をユーザーの皆さんが真に感じられるよう、次世代コンソールの技術を集中的に活用したことを示すものです。
─── 次世代機向けのファイティング・ゲームというのはEAとしても初の試みですよね。
Brian Hayes氏:そうです。本作はEA Sportsにとって初めてのPS4、Xbox One向けのUFCゲームとなりました。私達開発チームにとっても、初めての次世代コンソールへのチャレンジとなりました。
─── EA Sportsのファイティング・ゲームというと以前、ボクシングの「Fight Night」シリーズがありましたが、その開発に携わった皆さんが本作の開発でも中心になっているのでしょうか?
Brian Hayes氏:ええ、本作の開発に参加したたくさんのスタッフが「Fight Night」シリーズの開発経験者です。私は最新の「Fight Night Champion」でゲームプレイ・デザイナーを勤めました。そしてスタッフの中には初代作の「Fight Night 2004」からプロジェクトに参加してきた人も大勢いるんですよ。
─── 私は「Fight Night 3」からプレイしたことがあるのですが、パンチが当たると顔が歪むとか、腹がヘコむとか、人体の変形表現がすごかっという印象があります。
Brian Hayes氏:私達にとっても、そこが非常に気に入っている部分です。まさにその部分が、本作で掲げる“Feel the Fight”というスローガン、つまり試合を生々しく描写するためにさらに強化された部分でもあります。ハードの能力や開発の技術が向上したことで、パンチやキックで人体が受ける影響をさらに緻密に描くことができるようになりました。特に今作では次世代機のみに集中することができましたので、ダメージの影響、流血や皮膚の変色、運動量が上がって血管が浮き出る様子など、本物の人体が見せる変化をくまなく再現しています。そこは「Fight Night」シリーズではやりきれなかった部分ですね。
─── 1対1で戦うゲームですから、次世代機のパワーを2人のキャラクター描写に集中することになりますね。
Brian Hayes氏:ええ、まさにそこが本作の特徴で、私達にとっても開発上のユニークなチャレンジとなりました。例えば「FIFA」では22人の選手が映しだされますが、本作では2人ですからね。カメラの距離も近く、細かい部分まで見えますから。
そこで本作では1人のキャラクターを再現するためにより多くの投資をしています。描写のディティールやリアリズムはかつてないほどで、そのためにたくさんの最適化を施し、次世代機のマシンパワーを余すことなく活用しました。例えるなら「FIFA」で11人のキャラクターを作り出すのと同じリソースとパフォーマンスを、たった1人のキャラクターに注ぎ込んでいるというような感じです。それぞれのファイターの体の特徴も、全身の3Dスキャン技術を通じて緻密に再現しているんですよ。
─── ちなみに本作のスローガンは“Feel the Fight”、「FIFA」は“Feel the Game”ですね。これって今年のEA Sports全体で共有されたコンセプトということなんでしょうか?
Brian Hayes氏:ワハハハ、こっちが先に言い始めたんですよ(笑)! もちろんEA Sportsのそれぞれのシリーズにはそれぞれの基本的な開発目標があるわけなんですが、「UFC」のラインの場合は以前、“As real as you get”、可能な限りリアルにという目標を掲げていました。それをさらに1歩進めて、本作では映像のリアルさを“見る”ことから、“感じる”というところに力点を置くようになりました。技術の進化によって、他のEA Sportsタイトルでもそういった流れがあるのだと思いますね。
─── 本作の映像は本当にスゴいですよね。ファイティングポーズで揺れているだけでも、大胸筋とかプルプル揺れてますし、本当にそこに居る感があるというか。
Brian Hayes氏:そうですね、そこが私にとって本作の開発で1番力を入れた部分の1つです。ファイターがリングに立つ前、入場してくるシーンでも 、本物の人間のように全身の筋肉が揺れ、躍動している様子を見ることができます。そういったところから、ビデオゲームのキャラクターとは思えないほどの存在感を感じて頂けると思います。
日本版は北米版のアップデートを全て反映したベストバージョンに!
─── ゲームとしては殴る、蹴る、防御する、組む、各種サブミッションなどたくさんのアクションがありますね。一見、操作が難しいのかなという印象もありますが、そのあたりはどのように作られていますか?
Brian Hayes氏:ええ、総合格闘技のゲームですから、ボクシング等と比べるとアクションの多様性が非常に広くなっています。それだけ、開発においては操作をシンプルにし、アクセシビリティを高めることに注力しました。本作では戦いを始めるのは簡単で、すぐに楽しんで頂けます。それでいて、マスターするためにはたくさんの練習が必要となるような深みもあるんですよ。
─── 本作では予約特典のスペシャルキャラクターとしてブルース・リーがフィーチャーされましたね。でも、たくさんのレジェンド級のファイターがいるなかで、なぜブルース・リーを選んだのでしょうか?
Brian Hayes氏:1番の理由は、ブルース・リーがマーシャルアーツの象徴として至高の存在であるからです。またブルース・リーのマーシャル・アーツの哲学は、様々な戦いのスタイルを取り入れることに対して非常にオープンであり、総合格闘技が現代のように発展してきた礎として、彼の業績は計りしれませんからね。
─── 「UFC」には日本人ファイターも参戦していますが、開発スタッフのみなさんは日本の総合格闘技シーンについてはどう評価されていますか?
Brian Hayes氏:大好きですよ。実は私の兄が7年間ほど日本に住んでいたのですが、よく「PRIDE」とかのVHSテープを送ってきてくれたんですよ。そのおかげで当時から日本の総合格闘技シーンに触れられる機会を得られたのですが、そこで日本の観客の熱狂や、ファイターのレベルの高さを目の当たりにして本当にスゴイと思っていました。その後「PRIDE」のレジェンドである桜庭選手など、多くの日本人ファイターが「UFC」に参戦して、その価値を示しましたね。
─── 最後に、11月20日に発売される日本版「EA Sports UFC」を楽しみにしているゲームユーザーや、総合格闘技のファンの皆さんにむけてメッセージをお願いします。
Brian Hayes氏:皆さんに本作をプレイしていただけることが本当に楽しみです。ぜひ、UFCの興奮や臨場感を、ゲームを通じて感じ取り、体験してください。たくさんのファンの方とその楽しさを共有することが私にとっていちばんの喜びです。
それから最後に、日本のファンの皆さんにとって重要なことなのですが、先行発売された北米ではこれまでに100以上のアップデートや修正、たくさんのファイターの追加を行ないました。日本で発売されるバージョンにはそれらが自動的に全部収録されます。つまり日本の皆さんが購入するのは「EA Sports UFC」のベストバージョンです。ぜひ楽しんでください。
─── ありがとうございました。