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“オープンであること”がゲームコンソール「ALIENWARE Alpha」の哲学!

ALIENWAREスタッフに聞く「半分イエスで半分ノー」なPS4/Xbox Oneとのライバル関係

9月18日~21日 開催(一般公開日 20日~21日)

会場:幕張メッセ1~9ホール

入場料:

前売り 1,000円

当日 1,200円

小学生以下無料

 コアなPCゲーマーにはお馴染みであろう、デルが贈るゲーミングPCブランド「ALIENWARE」。主にゲームを高いクオリティで快適に楽しむためのPCを販売しているブランドだ。

 そんな「ALIENWARE」が今年ユニークなマシンを発売する。それが今回紹介する「ALIENWARE Alpha」だ。「ALIENWARE」ブランド初の「ゲーミングコンソール」という位置づけの製品で、リビングにあるTVなどに繋いでみんなで同じ画面を見ながら楽しむというコンセプトのマシンになっている。

 弊誌では今年のE3で取材をしたが、今回の東京ゲームショウのタイミングで具体的なスペックや発売日など詳細な情報が発表された。

 今回は「ALIENWARE Alpha」のプレゼンテーションで披露された概要と、「ALIENWARE」 General ManagerのFrank Azor氏、「ALIENWARE Alpha」Product ManagerのMarc Diana氏へのインタビューの内容をお届けしたい。

カスタマイズも可能な「ALIENWARE Alpha」のスペックを確認

「ALIENWARE Alpha」Product Manager Marc Diana氏によるプレゼンテーション
ブースに展示されている「ALIENWARE Alpha」で動作する「Bioshock Infinite」。この設定でまったく問題なく60FPSで動作している

 まずは今回正式に発表されたスペックから紹介していく。「ALIENWARE Alpha」はMaxwellアーキテクチャのGeForce GTX 860Mを、NVIDIAと共同でカスタマイズしたものを搭載しており、高いパフォーマンスと静音性と省スペース性を兼ね備えている。

 このGPUにDDR3の4GBメモリーと、インテルのCore i3プロセッサー、500GBのHDDを組み合わせたのが「スタンダード」モデルで、価格は税抜で59,800円。CPUやHDD、メモリを増強した「プレミアム」、「プラチナ」という上位モデルも発売される。

 ちなみにCPU、HDD、メモリはユーザーが自分でアップグレードする事もできる。交換の手順も非常に簡単で4隅にあるネジを外せば筐体の蓋が簡単に外れ、CPUクーラー、GPUクーラーもワンタッチで外せる。その下にCPUやノートパソコン用のメモリーがあるので、外して付け替えればアップグレードは完了だ。HDDも裏面にあり、ネジを外すことで簡単に交換できる。

 実機を見せてもらって確認したが、自作PCよりも簡単にカスタマイズできる。また蓋をあけるとメーカー保証が受けられないというハードが多いが、「ALIENWARE Alpha」はカスタマイズしても1年間のメーカー保証が受けられる。

 Marc Diana氏によるプレゼンテーションでは実際に「スタンダード」モデルを使用したゲームのデモプレイが公開され、「Bioshock Infinite」で安定して60FPS近くを維持する様子や、高解像度MODを導入した「The Elder Scrolls V Skyrim」でも概ね60FPSで安定して動作する事が紹介された。

 またPS4や、Xbox Oneといった他のコンソール機との比較も紹介し、「Alphaは1080pでのゲーム動作を保証し、ユーザーが自分でアップグレードもでき、なおかつゲーム配信プラットフォーム『Steam』を使うので多くのタイトルが安くプレイできる。そして省スペースで消費電力も最大で130Wと比較すると低く抑えられています」とプレゼンで紹介した。特にMODを導入できるというのはゲーマーにとってはありがたい利点の1つだ。

 更に「ALIENWARE Alphaにはゲーム配信プラットフォーム「Steam」と直結されており、コントローラーだけで全ての操作が可能な「コンソールモード」と、通常の通常のWindows PCと同様にマウス・キーボードを接続して操作する「デスクトップモード」も搭載されることが明らかになった。

 「デスクトップモード」を使えば「Steam」以外のゲーム、例えば エレクトロニック・アーツのゲームプラットフォーム「Origin」をインストールして「バトルフィード 4」をプレイしたり、「Microsoft Office」をインストールし、プレゼンテーション資料を作ることもできる。

 気になる発売日は11月21日予定で、Amazon.co.jpでは既に予約を受付けている。良い事づくめなプレゼンテーションは終わり、続いて気になる点についてインタビューを行なった。

「ALIENWARE Alpha」はコンソール機として見るとぶっちゃけどうなの?

「ALIENWARE」 General ManagerのFrank Azor氏(左)、「ALIENWARE Alpha」Product ManagerのMarc Diana氏(右)

 インタビューでは、今回は既存の「ALIENWARE」ユーザーではなく、コンソール機に慣れ親しんできたユーザーという視点で質問をした。プレゼンテーションでは語られなかった新要素もあるので、ご覧頂きたい。

――まず確認なのですが「ALIENWARE Alpha」は「ゲームコンソール機」として発表していますね。ということはライバルは「PlayStation 4」や「Xbox One」ですか?

Marc Diana氏:我々としては「ゲームコンソール機」であると考えています。ただ「ALIENWARE Alpha」はデスクトップマシンという顔も持ち合わせているので、そういった点では異なります。

 PS4やXbox Oneをライバルとして考えているか、という問いに対しては半分がイエスで、半分がノーです。

 というのもPS4やXbox Oneはエクスクルーシブなタイトルを持っているのでそういう意味ではライバルです。ただ「Alpha」は「Steam」で配信されている3,200タイトル以上のゲームが楽しめる、そういう意味では「ALIENWARE Alpha」のライバルではありません。

――ということは、これまでのコンソール機をメインに遊んでいたユーザーもターゲットということですか?

Marc氏:そうですね、我々としては特にターゲットは絞っておらず、これまでPCゲームに慣れ親しんできたユーザーから、コンソール機をメインに楽しんできたユーザーもターゲットです。リビングで使用することも想定しているので、そういった層にもリーチしたいと考えてます。

 その中でも特に「Steam」ユーザーとは相性が良いと思います。既に持っているライブラリーがそのまま移行できますので。

――少し意地悪な質問をさせてください。「ALIENWARE Alpha」はゲームコンソール機を謳っているので、既存の「ALIENWARE」とは違いPCに詳しくないユーザーも購入されますよね? そのようなユーザーをどうサポートする予定ですか?

Marc氏:「ALIENWARE Alpha」はコンソール機を使いこなせるユーザーであれば誰でも使いこなせるようになっています。その理由はこの独自開発された「Alpha UI」というUIにあります。

 PCの設定方法などがわからなくても、Windowsの設定を全てコントローラーで直感的に操作・設定ができます。ハードコアなユーザーは自由に設定をいじるでしょうし、そういった意味では二極化すると思っています。

――現在「Steam」で配信されているタイトルはほぼ全て高画質で動作すると伺いましたが、PCゲームの必要スペックは上昇しています。そういった意味では将来的にはその保証はできなくなりますよね?

Frank Azor氏:確かに数年先のゲームでは設定を落とす必要があるかもしれません。

 ただその頃には新しい「ALIENWARE Alpha」が発売されていると思いますので、最新のゲームを最高のクオリティで楽しみたい場合はそちらを購入して頂ければと思います。

――なるほど、PS3からPS4へ、Xbox 360からXbox Oneに乗り換えるようなイメージですね。

Frank氏:いいえ、「ALIENWARE Alpha」ならではの大きな違いがあります。例えばPS3からPS4へ乗り換えた場合は、PS3のコレクションはPS4では使えなくなるので、新しくソフトを購入する必要がありますよね。

 「ALIENWARE Alpha」は「Steam」を利用するので第2世代、第3代のハードが出てもコレクションはそのまま引き継いで利用できます。

 そしてもう1つ違う点があります。例えば第2世代の「ALIENWARE Alpha」を購入して、第1世代の「ALIENWARE Alpha」が不要になった場合でもマウスとキーボードを挿せばデスクトップPCとして活用できます。その点がそれらのコンソール機との違いになります。

――先ほど「デスクトップモード」を紹介されていましたが、こちらを利用すれば「Steam」以外のゲームも利用できるのが面白いですね。

Marc氏: この“オープンであること”が「ALIENWARE Alpha」の哲学とも言えます。ハードウェアも含めて、ユーザーが自分の使いたい方法で、やりたいゲームがプレイできるというのが他のゲームコンソール機との違いです。

――色々と伺ってきましたが、他に何かアピールする点はありますか?

Marc氏:もう1つオススメしたい楽しみ方があって、実は「ALIENWARE Alpha」には専用の携帯ケースが存在します。小型で携帯性に優れていますので、電源とHDMIケーブル、そして人数分のコントローラーがあれば友達の家に持って行って一緒にゲームを遊ぶということもできます。

――それでは最後に日本のゲーマーへのメッセージをお願いします。

Marc氏:「ALIENWARE Alpha」は今までになかった選択を提供できるチャンスだと思います。リビングでくつろぎながらみんなで大画面でPCゲームを楽しむ、こんな遊び方を実現できたのは非常に画期的だと思います。

 また非常にオープンですので、中をアップグレードしたりできますし、好きなように使うことができます。これまでの既存のコンソール機の様に遊び方を制限するのではなく、ユーザーが自由に、遊びたいように遊べる、これは今までにない経験です。

 9月18日からAmazon.co.jpでも予約開始しているので、ぜひ予約して頂ければと思います。

 価格は他のコンソール機と比較するとハードウェアの値段は少し高いですが、PCとしても使えるし、約1万円分くらいのゲームが無償でついています。更に「Playstation Plus」や、「Xbox Live ゴールド メンバーシップ」の様なマルチプレイのサブスクリプションも必要ありませんし、「Steam」では比較的安価にゲームを購入できますので、価格の差は十分に吸収できます。

――ありがとうございました。

 コアゲーマーもカジュアルゲーマーも満足させられる可能性を持ったまったく新しいゲームコンソール機「ALIENWARE Alpha」。これから次世代機を買おうと考えているユーザーにとっては選択肢の1つとしても遜色のないマシンだ。

 東京ゲームショウの「ALIENWARE」ブースでは20台の試遊台が用意されており、様々なゲームがプレイできる。来場される読者はぜひチェックしてみて欲しい。

(八橋亜機)