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「Newニンテンドー3DS」&「Newニンテンドー3DS LL」を触ってきた!

裸眼立体視の恩恵を自然に味わえる「3D立体視の調節機能」

軽く触れれば動いてくれる「Cスティック」

視点操作などに使える「Cスティック」が追加。指が当たらないようヒンジに凹みも設けられている。細かい配慮だ

 さて、いよいよ筐体を開いてみると、まず目を引いたのは新たに追加された「Cスティック」の存在だ。Xボタンの斜め上あたりにあり、先端には指が外れないよう凹みがついている。感触はグニグニとしていて、それほど大きくスライドしたり倒れたり、要するに動きはしない。例えるなら、ノートパソコンでマウス操作に使われているポインティングデバイスを想像してもらえるとわかりやすいだろう。

 この「Cスティック」はこれまでの「3DS」シリーズで言うところの「拡張スライドパッド」の右アナログスライドパッドの役割だ。今回試した中では、「モンスターハンター4G」は視点操作に、「大乱闘スマッシュブラザーズ for ニンテンドー3DS」ではスマッシュ攻撃の操作に割り当てられていた。

 Cスティックは、少し触れる程度で反応してくれ、グイグイと力を入れる必要はない。レイアウトとしても、従来機での拡張スライドパッド使用時よりA/B/X/Yボタンに近く、指を移動させやすいし、スライドパッドよりもコンパクトな指の動きで操作でき、ラクだ。親指の先がヒンジ部分に当たらないように凹みがつけてある細かな配慮も見逃せない。

 「モンスターハンター4G」の視点操作はCスティックの入力に対して加速が控えめで、動かした後もピタッと止まってくれ、短時間で上下左右に狙った通りの視点操作ができた。また、「大乱闘スマッシュブラザーズ for ニンテンドー3DS」でのCスティック操作はちょっとはじく程度で「スマッシュ」が繰り出せ、据え置き機での操作に感覚が近いのがまず嬉しいし、位置的にも正面に並ぶ“A/B/X/Yボタンに続く5個目のボタン的な感覚”で使えるのが、とてもいい感じだ。

 なお、Cスティックが加わったことで、A/B/X/Yボタンの位置がわずかに下がっているが、それによるデメリットは特に感じられない。むしろ指の収まりとしてはよりバランスが良くなったようにも感じられた。

 ボタンレイアウトの変更に関しては、両機種とも、タッチスクリーン下にホームボタンが中央に単独で位置し、スタートボタンとセレクトボタンは右下に移動した。「New3DS」は従来の「3DS」と比べるとそれらのボタンがハードキーになったことで、感触が良くなった。それに、「New3DS」は既報の通りA/B/X/Yボタンがスーパーファミコンと同配色になっているのも、かわいらしさに一役買っている(「New3DS LL」はボタンの文字色が変わっている)。

 ほかにも、スピーカーの音質や音量に両機種で違いはあるのだろうかと「New3DS」と「New3DS LL」とで聞き比べてみたのだが、明確な違いは感じられなかった。最大音量も大きく、充分な音量となっていた。

Cスティックが加わり、従来からあるスロット類もより使い勝手を考えられた位置に移動している。「New3DS」は既報の通りA/B/X/Yボタンがスーパーファミコンと同配色

裸眼立体視の恩恵を自然に味わえる「3D立体視の調節機能」

「New3DS」は画面のサイズが従来機よりも1.2倍に!
3D立体視が綺麗に見える位置を自動で調整してくれる機能が追加! これは3Dを大幅に見やすくしてくれる

 画面を見ると、「New3DS」は画面サイズが従来機より1.2倍大きくなっているのが、想像以上にインパクトがある。現行機なら「3DS LL」の大画面さは圧倒的で、迷わず「3DS LL」を選んでいた筆者だったのだが、「New3DS」と「New3DS LL」なら、画面が大きくなった「New3DS」はその存在感も増したことで、「New3DS LL」とかなり悩ましい選択になりそうだ(この記事を書いている今も悩んでいる)。

 画面と言えば外せないのは、今回初搭載となる顔認識&ジャイロセンサーによる傾き検知を使った「3D立体視の調節機能」だ。3D立体視が綺麗に見える、いわゆるスイートスポットをゲーム機側で調節してくれるというもので、プレーヤーがどこから画面を覗き込んでいるのかを内側カメラとジャイロセンサーで計測し、3D立体視が楽しめるよう、こちらの目の位置に合わせて映像の焦点位置を左目、右目用の映像をずらして調節する仕組みになっているようだ。

 調節の動作には特徴があり、プレイ中のちょっとした手の動きや揺れ、顔位置の変化には、それこそ吸い付くように視差を調節して立体視が継続し、その補正もなかなか早いと感じられた。左右にも、上下にも本体を傾けても、ちゃんと立体視が続く。上下補正はあまり余裕がないが、左右への補正は結構な角度まで追従してくる感覚だ。ちなみに、内側カメラを指で隠して本体を傾けると、それでも焦点位置が動くので、ジャイロセンサーによって得た情報も加味して本体の角度を検出して補正していることがわかる。ちなみに、誰かが画面を覗き込んできた場合は、2人分の顔に反応しての調整はされないので注意。

 さらに、本体を試験的にババッと左右に振ってみたりして顔の位置を素早く変えたりしていると、さすがに追尾・補正が忙しい感じになって、0.5秒ほど後からパッと焦点が切り替わる、という感じ。大きい/素早い動きにはちょっと遅れて調節してくる感じだ。

 この「3D立体視の調節機能」は、正直言って劇的な効果が感じられた。例えば、この日にプレイした「モンスターハンター4G」や「大乱闘スマッシュブラザーズ for ニンテンドー3DS」はアクション要素の強いタイトルなので、瞬間的に入力に力がこもることも多く、操作に力が入ってくればその反動で本体が揺れたりもする。そうした時、3D立体視のスイートスポットから外れてしまうと、映像が2重にぶれて気になったりした方も多いだろうし、そもそもスイートスポットから外れないよう、本体を机の上に置いたりして安定させたり、持ってプレイするときは少し意識してプレイしたり……なんてこともあったと思うが、新機種ではそんな気遣いは必要ない。意図的にスイートスポットから外そうとしなければ、自然と調節機能が手を差し伸べてくれて、アクション要素が強くても、立体視でゲームを楽しめる時間が増えたな、という感じだ。

 この3D立体視の新機能による効果は、現場で「3D立体視を使ってこれだけ快適に楽しめたのは初めて」という声も聞こえてきたほど。今後に試遊機などで遊べる機会が訪れたら、ぜひ試してもらいたいと思う。

カメラとジャイロセンサーで顔の位置を認識させ、3D表示の角度を調整してくれる。カメラが認識できないような状況でも、ジャイロセンサーだけで調整してくれていた

 新型ではCPUも新型が搭載されているところも注目ポイント。3D立体視の調整など機能や処理が増えてはいるが、ゲームの動作に影響が出ている様子は全く見られなかった。そのあたりが新CPUの力ということだろう。

 そして気になるのは、「New3DS」と「New3DS LL」だけで遊べる“専用ソフト”の存在だ。現行の3DS用ソフトとはどこがどのように変わってくるのか? その場で伺ってみたのだが、それについては今後の情報をお待ち下さいとのことだった。

 ちなみにこの日は、10月に追加予定の新機能「テーマ機能」の試作版も見ることができた。こちらは従来機の「3DS」で見ることができたのだが、ホーム画面がマリオやリンクの姿でにぎやかにカスタマイズできるのは嬉しい限り。BGMもそれぞれのテーマに合わせたものに変わってくれる。テーマの切替えもスムーズで、テーマが反映されたあとも画面の切替え動作が重くなるような様子も見られなかった。カスタマイズされる箇所はテーマによって異なっており、上画面表示部分だけ変わるものもあった。

 この機能も「New3DS」のきせかえプレートとテーマで、外も中も自分好みにしたくなってくる。そういう意味でも「New3DS」と「New3DS LL」の選択は悩ましい……。ちなみに「テーマ」は「テーマストア」で販売される。ちなみに、「テーマ」は現行のニンテンドー3DS、ニンテンドー3DS LLでも楽しむことができる。

 また、「New 3DS」と「New 3DS LL」はNFCリーダー/ライターが搭載されており、「amiibo(アミーボ)」を下画面に乗せると自動的に読み取ってくれる機能になるという。先日Wii Uで実現された「Suica」による支払いサービスも、後日実装される予定という。

10月に追加予定の新機能「テーマ」機能。アニメーションするし、BGMも専用のものが流れるが、処理が重くなっている様子は見られなかった

「どっちにしよう?」とすぐに悩める完成度の高さ

手に取った瞬間から、「これは欲しい」という声が連発だった現場の様子。完成形と言っていいほど、高いクオリティと満足度を感じた

 実際に触って感じたのは、細かいところにいろいろ手が入った“「3DS」シリーズの完成形”なのではないかという感覚だ。Cスティックの追加も視点移動を前提としたゲームには非常にありがたいし、3D立体視の調節機能も、裸眼立体視の仕組みを理解している方なら「おおっ!」と思えるだろうし、そうでない方にも自然に立体視でゲームを遊んでもらえるだろうなと思える、スイートスポットを意識せずに楽しめるものにまで昇華させてある。なによりも、手に取った瞬間から「これは!!」と直感するほどに、ハードとしてのバランスの良さが感じられた。

 おそらくだが、実際に両機種でのプレイを体験すると、すぐに「『New3DS』と『New3DS LL』どっちにする!?」という選択に悩まされるのではないだろうか。筆者もこうして実際に触らせていただいて、さらに悩みは深まった。店頭でも試遊台が新機種に置き換わっていくそうなので、実際にお店で触れてみて、「3D」をオンにして、その違いを感じていただきたい。

(山村智美)