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【スマホアプリ今日の1本】海底都市の狂った恐怖を完全モバイル化「Bioshock」

画質落として内容落とさず。MFiコントローラーでの操作感もチェック!

8月28日 配信

価格:1,500円(税込)

蘇る海底都市「ラプチャー」の恐怖。秀逸なストーリーテリングを楽しめる

 海外では2007年、日本では2008年に発売され、今もなお根強いファンを持つ「Bioshock」。息も詰まるような閉塞感が漂う海底都市「ラプチャー」を舞台に、常軌を逸した世界設定とストーリーで旋風を巻き起こした1人称視点のアクションアドベンチャーゲームだ。

 本作はXbox 360やプレイステーション 3といったコンソール機やPC用のAAAタイトルとして作られているが、今回これをモバイル用として完全移植したiOS版が配信された。価格は1,500円(税込)とモバイルゲームとしては割高で、対応機種も最新のものが必要ではあるのだが、名作FPSをまるごとiOSに落としこむ意欲的なタイトルであるので、そのプレイ感も含めてご紹介したい。

 「Bioshock」は1960年代のアメリカ文化と発達しすぎた科学文化が融合した異色の世界の中で、探索によって都市の謎を知っていったり、自身の能力を強化することができる。iOS版では本作のストーリーや演出、マップや敵などが完全再現されており、操作方法もモバイルに適したUIが採用されている。

 操作はバーチャルパッドによって行なわれ、左手で移動、右手でカメラ操作、装備中の武器やプラスミド(超能力)の表示をタップすることで攻撃、などとなっている。またApple認定コントローラー(MFiコントローラー)にも対応しており、コンソール版と変わらない感覚での操作も可能となっている。

 ゲーム内容についてはWindows版のレビューがあるのでここでは省くが、奥へ進むのさえ躊躇われるような狂気の都市の怖い雰囲気は存分に楽しめる。特に音による効果は非常に高いので、近づく敵を察知する意味でも「何かがいる」恐怖を味わうためにも、音量のONあるいはイヤフォン等はプレイに必須だ。

 しかし残念なのは、iOS版はコンソール版やPC版に比べて相当画質が荒いということ。ハードウェアの性能上ここは致し方のないところなのだが、コンソール版を1度でもプレイしていると特にiPhone版は「汚いなー」と思わざるを得ない。裏を返せば移植するための苦労が伺える点でもあり、全然プレイできないというほどでもないのだが、もし対応するiPadを持っているのであれば、少しでも画質の良くなるiPad版の購入をオススメしたい。

【画質比較】
左がiPhone版(iPhone 5s)、右がWindows版。影もなくなっているなど、明らかに画質が違う。あとUIもちょっと邪魔

SteelSeriesのMFiコントローラー「Stratus」。本作に対応していることを確認
本作で最も印象深いキャラクター「ビッグダディ」。口ひげで子沢山の人ではない

 また可能であれば、MFiコントローラーの使用をオススメする。バーチャルパッドだと視界が指で隠されてしまって煩わしいことが少なからずあるのと、正確な狙いをつけづらいという2つの障害が発生してしまうが、MFiコントローラーを使用することでこれらを解消できる。

 コントローラーを使うことでコンソール版と変わらない感覚でプレイできるので、使うメリットは非常に大きい。決してカジュアルではないゲームなだけに、MFiコントローラーによってよりゲームへの没入度は上がる。

 ただし注意点もあって、同じMFiコントローラーでも対応にバラつきがある。実際に試してみると、ロジクール「G 550」では動かなかったが、SteelSeries「Stratus」では問題なく使用できた。なおSteelSeries「Stratus」は大きさは小さめだが左右のアナログスティックに加えてR2、L2ボタンまで付いているので、機能的に使いやすくてオススメだ。

 またコントローラーを使用した場合、完全にコントローラーによって操作できるわけではなくて、一部はタッチ操作が必要な場合もある。逆にハッキング時の水道管ゲームはタッチ操作の方が有利なので、端末は手の届く範囲に置いておくのがいいだろう。それと本作は英語版のみ。せめて日本語字幕くらいはあると嬉しいところだ。

 コンソール版に比べると色々と劣る点はあるものの、より安く、手軽に名作「バイオショク」が遊べるのは非常に画期的だ。モバイル化されて怖さまで失われたわけではないので、未プレイの人がトライしてみるのもいいし、子沢山のおっさん……じゃない方の強すぎる保護者「ビッグダディ」にもう1度会いたいという人も再トライしてみるといいだろう。

【スクリーンショット】
iTunesで購入

(安田俊亮)