ニュース

あの“野犬”シミュレーションがパワーアップして帰ってきた! 「野犬のロデム」

公園を舞台にした壮大なワールドシミュレーター?

7月2日 配信開始予定

価格:1,000円(税込)

「野犬ロデム」からシミュレーション要素の圧倒的強化、そしてグラフィックスと音楽をこれでもかと収録。ただの移植作から、ついには新作「野犬のロデム」として生まれ変わった
制作を担当したピグミースタジオの小清水史氏(左)とイタチョコシステムのラショウ氏(右)

 いきなりだが、「イタチョコシステム」をご存じだろうか? そして「野犬ロデム」をご存じだろうか? もしご存じであれば相当の強者だろう。「野犬ロデム」はその昔、独特のグラフィックスとシュールな作風で注目を集めたゲームだ。制作を手掛けたのは、その昔「ボコスカウォーズ」を手掛けたことでも知られるラショウ氏率いる「イタチョコシステム」。

 MacにCD-ROMドライブを接続し、「マルチメディア」なんて言葉が最先端の言葉としてもてはやされた時代。「野犬ロデム」は3.5インチ フロッピーディスク1枚に収録されMac用ゲームとして発売された。

 そのグラフィックスはこのページにあるスクリーンショットを見ていただければわかるとおり、懐かしいような、不安なような、猥雑なような、可愛いような……一言では括ることができないが、とにかくここにしかない雰囲気を持っている。そしてゲームの内容は、公園で野犬として生き抜いていく“野犬シミュレーション”だ。

 そんな「野犬ロデム」を家庭用ゲーム機で出したいという想いを持つピグミースタジオとイタチョコシステムが移植作業を開始したが、ラショウ氏から溢れんばかりのアイディアが出されたことから、PlayStation Mobile用新作「野犬のロデム」としてパワーアップして配信されることとなった。7月2日配信開始予定で、価格は1,000円(税込)。

 「野犬のロデム」は、飼い主に繋がれた鎖が外れ「ヒャクジリ公園」にやってきた犬のロデムが野良犬として生き抜いていく物語。ロデムの顔をタップすることで切り替え、モノを咥えたり敵に攻撃を仕掛けたり、仲間を作ったり、モノを食べたりすることができる。ちなみに、公園にある木はもちろん、敵の犬を攻撃しやっつけて食べるなんてことも可能。ステージ上にあるものほぼすべて食べることができる。

 ロデムが食べたモノは、身体の中でどのように消化され栄養素となっていくのかがグラフィカルに表現されている。そして最終的には排泄物となって体外に排出される。この排泄物がステージの栄養素となり、植物が育つ力となる。木/火/風/水の4元素のパラメータが存在し、世界のなにかに影響を与えていくという。たとえば木を食べるとロデムはお利口になり、ほかの犬と社交的になり仲間を増やすことができる。このように、ロデムの行動により公園がどのような変化を見せるのか、プレーヤーのゲームの進め方にかかっている。実に壮大なシミュレーターとなっている。

 「野犬ロデム」も生き残ることがなかなか難しいゲームだったが、「野犬のロデム」でも難易度に関しては辛口のまま。やはりロデムは生き残ることは難しくなっている。ゲームをし終えると何日生き残ったかが表示される。

 「野犬のロデム」のシミュレーションに確実性はなく、すべて乱数による確率で決定される。「野犬のロデム」の解説に来たラショウ氏はこのゲームについて「好きなように遊んで欲しい。なにがただしいというわけでない」とコメント。いろいろ考えながらプレイして、この世界を楽しんでいただきたい。

【PlayStation「野犬のロデム」プロモーションビデオ】

【スクリーンショット】
食べて、糞をして、自然の中で気ままに生きていく……しかし、死ぬ。とにかくコロコロとよく死ぬ。「ロデム」から野犬としての“生”の厳しさを学ぶ。というよりは、気楽に世界観を楽しみながらも工夫してゲームを進めていくと良いだろう
イタチョコシステムのアート作品などを収集する要素も用意されており、ラショウ氏曰く「イタチョコシステムの集大成的な作品になっている」という。また、PlayStation Mobile用ということでXperiaでもプレイ可能だが、ラショウ氏曰く「PS Vitaが発色が良いので、ぜひ、PS Vitaでプレイして欲しい」とのこと

(船津稔)