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【E3 2014】圧倒的な力を持ったエイリアンから逃げ惑うホラーサバイバル「Alien: Isolation」プレイレポ
これぞまさに正統派ホラー。心の奥底から湧いてくる“恐怖”に震えた
(2014/6/13 19:27)
セガはE3会場にて「Alien: Isolation」のプレイアブル出展を行なった。
本作は映画「エイリアン」の15年後という設定で、映画「エイリアン」の主人公「エレン・リプリー」の娘「アマンダ」が「エレン・リプリー」の失踪の理由を解き明かす為に戦いをスタートさせる、という設定だ。
ホラーを自称するタイトルは多くあるが、その中でも「Alien: Isolation」は突然の物音で驚かせたり、グロテスクな表現で恐怖や気持ち悪さを生むタイプではなく、「エイリアン」という圧倒的な力の差を持った相手に怯えさせられるという正統派のホラーゲームになっている。
今回はセガブースにてプレイアブルデモの展示と、プレイムービーの上映が行なわれていたので、両方の内容を織り交ぜながら本作に感じたインプレッションをお届けしていく。
「モーショントラッカー」で見えない敵に怯えながら宇宙船内を探索する
ゲームの舞台は「エイリアン」と同じ、宇宙船の船内からスタートする。宇宙船はところどころ蛍光灯が切れかかっている、謎の地響きなどは見られるものの、例えば船体に穴が空いていたりとか、船内自体に大きな損傷は見られない。
だが船内には“鋭利な何か”で胸を突きぬかれて息絶えている無残な遺体や、口から血を吐いている遺体がゴロゴロと転がっており、とても正常に航行している状態とは思えない。
ゲームをスタートすると画面に現在の目標が表示される。プレイアブルデモで表示されたのはエリアを脱出するという目標。製品版のプレイでは宇宙船の奥深くに入っていくためにカードキーなどのアイテムを探したり、時にはオブジェクトを起動したりと、徐々にアップデートされる目標にあわせてゲームを進めていく。
本作でもっとも大きなフィーチャーが「モーショントラッカー」だ。文字通り、周囲で動くものをレーダーに表示させる装備だ。
「モーショントラッカー」を見て怪しい影があるか、どの方向か、近づいてきているのか遠ざかっているのか、そういった情報を得ながら「エイリアン」を回避しつつ、宇宙船の内部を探検する。
もし「エイリアン」と接触してしまうとどうなるか。プレーヤーにとって「エイリアン」は圧倒的な力の差を見せつける生き物だ。こちらから対抗できることはないに等しい。序盤で入手できる火炎放射器を使えばかろうじて一旦は後退させることができるものの、“倒す”ようなものではない。走って逃げても追いつかれる。姿を捉えられた時点で終わりなのだ。前から頭を噛み砕かれるか、後ろから胸を一突きされるか……死に方のバリエーションは豊富だが、生き延びる方法は全くない。
心の奥底深くから沸き上がってくるジメジメとした“恐怖”
筆者はいわゆるホラー物が苦手なのだがプレイ序盤や、ムービー中は全く恐怖を感じなかった。だがそれはただプレーヤーと「エイリアン」の力の差を知らなかったからだ。自分で実際に「アマンダ」を動かし、逃げても死ぬ、立ち向かっても死ぬ。
そうして何度か死亡を重ねていると、プレーヤーはこのゲームを支配している圧倒的な力の差に気付く、そしてそこから“恐怖”が生まれる。数回も死ねば、この圧倒的な力の差が体に染みこむ。
筆者も最初はバタバタと強気に走り回り脱出方法を探していたが、徐々に弱気になり走るどころかしゃがみっぱなしのプレイになった。「モーショントラッカー」から目を離すのが不安で仕方がないし、そしてそれほどまでにチキンなプレイをしていても、「エイリアン」は冷酷にプレーヤーを見つけ、襲い掛かってくる。
襲いかかってくるだけならまだ良い。プレーヤーには“死”しか選択が残されていないからだ。こちらは気づいているが、「エイリアン」が気づいていない時の緊張感、「息を呑む」という表現がこれほどまでに適したシーンはないだろう。プレーヤーの鼓動は昂ぶり、そして主人公「アマンダ」の鼓動もコントローラーの振動としてプレーヤーに伝わってくる。高まる緊張感、脳内が“恐怖”に侵されていく--。
十数分もプレイしているとその“恐怖”から肩は震え、些細な刺激にも敏感になり、見慣れたはずの死体や消えかけの蛍光灯にすら驚き、体がビクンと反応してしまう。この感覚こそが“ホラー体験”だ。
「Alien: Isolation」は北米市場で10月7日に発売予定、プラットフォームはPC/PS4/Xbox One/PS3/Xbox 360。なお日本での展開は未定だが、これまでのセガの「エイリアン」フランチャイズタイトルの扱いを考慮すると日本での展開はほぼ絶望的とも言える。
そんな状況でもこうしてレポートとして日本の読者に伝えたかったのは、本作の恐怖体験にそれだけの魅力を感じたからだ。凄惨な表現や、プレーヤーを驚かせることで生まれる“恐怖”ではなく、心の奥底深くから沸き上がってくるジメジメとした“恐怖”を感じられる本作、ぜひ何らかの形で日本のプレーヤーにもプレイして頂きたい。