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EIZO、新映像技術で視認性を大幅に向上。ゲーマーモデル「FORIS FS2434」を発売

フレームレス、専用ソフト&リモコンで快適環境を実現

7月11日 発売予定

価格:オープンプライス

プロゲーマーが認める品質と性能。さらには「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」推奨周辺機器でもある

 EIZOは、液晶モニターの新モデル「FORIS FS2434」を7月11日に発売する。2012年に発売され好評を博した「FORIS FS-2333-A」後継機種で、デザイン、画質、機能をさらに向上。価格はオープンプライスで、EIZOダイレクトでの販売価格は47,800円(税込)。

 「FORIS FS2434」は、e-Sportsなどのゲーム、Web/写真鑑賞、動画、アニメなどホームエンターテイメント市場におけるさまざまな用途に対応した新型液晶モニター。特に注力されているのが、フレームレスをうたう新デザイン。没入感を高めるべく、左右上部のフレームを6mm(ベゼル2.0mm、非表示エリア4.0mm)まで抑制。「FS-2333-A」よりも全体サイズを小型にしつつ、搭載液晶サイズを23.8インチ(「FS-2333-A」は23インチ)まで拡大。横方向の造形による広がりと一体感ある“臨場感の創出”を実現している。

 視認性向上技術「Smart Insight 2」は、「FORIS FS-2333-A」で搭載された「Smart Insight」の明るさ補正にくわえて“彩度”の自動補正が可能になった。効果の強度はOFF、1~5の6段階で調整できる。こうした機能やカラー調整は、専用ソフトウェア「G-Ignition」やリモコンで操作が可能。同社サイト「Gaming.eizo.com」にて、プロゲーマー用途や写真鑑賞などに適した設定ファイルを後日提供予定としている。

 入力端子はHDMI×2、DVI-D、ラインアウト、音声入力端子、ヘッドホン端子、さらには新たにUSB 3.0を用意。USB3.0はハブ2ポートと前述の「G-Ignition」をコントロールするためのインターフェイスひとつで構成される。

 モニターのカラーモードは、ユーザーが好みに応じて変更できる「User1」、「User2」、ゲームの暗いシーン向け「Game(Dark scene)」、ゲームの明るいシーン向け「Game(Light scene)」、映画鑑賞向け「Cinema」、写真鑑賞やWebデザイン向け「Web/sRGB」、ブルーライトを低減し電子書籍などの文字表示向け「Paper」の7つ。「Web/sRGB」モードでのプレイは、スクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」推奨周辺機器認定となっている。

 その他の主なスペックは、サイズが前述のとおり23.8型フルHD(1,920×1,080ドット)ノングレア液晶、応答速度4.9ms(中間諧調域)、表示遅延0.05フレーム未満、最大表示色約1,677色、輝度全域フリッカーフリー、IPSパネル視野角178度(水平、垂直)、コントラスト比1,000:1(拡張時5,000:1)。0.5W+0.5Wスピーカーを内臓。モニタースタンドの可動域は昇降60mm、チルト25度アップ、スィーベル344度。水平/垂直周波数はHDMIが15~68kHz/49~61Hz、DVI-Dが31~68kHz/59~61Hz(VGA TXT時:69~71Hz)。外寸は539.4×398.3~458.3×200mm(横×高×奥行)、重量約5.2kg。液晶パネルを含む5年保証(購入時から5年間、使用30,000時間以内)に対応する。

正面
背面

上面
映像入力端子

右側面
リモコン
実機背面・電源部など

本機は「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」推奨周辺機器に認定されている

【「FORIS FS2434」プロモーション映像】

 価格は前述のとおりオープンプライス。EIZOダイレクト販売価格は47,800円(税込)。EIZOダイレクトでは、YAMAHAスピーカー「NX-50(15,000円相当」)」セットを52,800円にて販売。また、発売日より1週間早い7月4日に入手できる先行出荷キャンペーンを実施。7月10日までに予約購入した人には、EIZOタンブラーがプレゼントされる。販売窓口は、同社サイトまたは家電量販店など。6月12日より、以下の店舗にて実機展示が先行して行なわれる。

先行展示実施店舗
法人名店舗名住所
ツクモDOX/Vパソコン館東京
ツクモ名古屋1号店愛知
ビックカメラ池袋本店パソコン館東京
ビックカメラ新宿西口店東京
ヨドバシカメラマルチメディアAkiba東京
ヨドバシカメラ新宿西口本店マルティメディア館東京
ヨドバシカメラマルチメディア梅田大阪
EIZOEIZOガレリア銀座東京

「Smart Insight 2」が生み出す視認性と専用ソフトウェアによる快適な操作性は強烈無比!

 ホームエンターテイメント向けに各部の機能強化が図られている「FORIS FS2434」だが、我々ゲーマーにとって最大の注目点はやはり「Smart Insight 2」ではないだろうか。

 先代「FORIS FS-2333-A」で世界中のゲーマーから絶賛された「Smart Insight」も素晴らしかったが、「Smart Insight 2」は明度(コントラスト)だけでなく“彩度”を自動調整するまでに進化。「そんな調整、普通のモニターでもOKでしょ」と思われる方もいそうだが、「Smart Insight 2」はそういう次元のものではない。まず「自動」というだけでも凄いのだが、それ以上に「効果が絶大」かつ「簡単」という点で他の追従を許さない“突出した存在”になっている。

 現代のPCゲームシーンにおける2大ジャンル「FTP」と「RTS」。これらでもっとも重要視されるのは“視認性”。たとえば薄暗く入り組んだフィールドで、遠方やオブジェクトにまぎれた敵を正確に捉えるのは非常に難しい。「それこそモニターの明度を上げればいい」といわれそうだが、コンマ1秒を争う対戦プレイのさなかに、いちいちキーボードやマウスから手を離してモニター側をいじるなど自滅行為以外の何物でもない。これが明度だけではなく“彩度”もからむともなれば、なおさらのこと。映像に興味がある人で、彩度調節の難しさを実感せずにいられる人は皆無だろう。開発者にとっても取り扱いの難しい案件のひとつだ。

 「Smart Insight 2」は、こうしたゲーマーが抱える難題を、いとも簡単に解決してくれる。明るさ、彩度、コントラストを自動調節してくれるため、敵の居場所が明暗問わず一目瞭然で、普段気づかなかったようなオブジェクトのディティールまでハッキリとわかる。さらに凄いのが、こうした映像処理をはさむと表示遅延が発生するのが通例だが、本機ではありとあらゆるモードにおいて“映像処理による遅延”は生じない。

 補正量は前述のとおり6段階で調整可能。添付のWindows専用ソフトウェア「G-Ignition」を使えば、「Smart Insight 2」のオンオフや細かい調整が、リモコン、マウス、キーボードで一瞬のうちに行なえる。たとえば、アクションシーンで敵の姿をしっかり把握したいときはオン、デモシーンを綺麗に鑑賞したいときは瞬時にオフまたは適切なモードに変更など、すべてをストレスなく瞬時に行なえる。

 また「Smart Insight 2」オン・オフ時は「パッ!」と2値的にではなく、フェードイン・アウトする要領でじわっと各処理がほどこされる。ユーザーの目に負担をかけないための処理だが、こうした細かい部分でも「FORIS FS2434」は非常に気が利いている。設定をファイル形式でインポート・エクスポートできる点も、非常にありがたいの一言だ。

 これらの映像処理は、ゲームだけではなく一般的な用途でも威力を発揮する。たとえばYouTubeの動画をブラウザで鑑賞する際は、モニター画面全体ではなくブラウザ内の動画部分だけを自動検出して処理を適用(Smart Deteciton機能)したり、レトロゲームなどの解像度が低いコンテンツも鮮明に映し出す「Smart Resolution機能」を搭載。sRGBのカバー率もほぼ100%と、ジャンルを問わない使い勝手の良さが際立つ。

左が「FS2434」、右が「FS-2333-A」
「Smart Insight 2」は効果絶大。特にFPSでは顕著といえる
Windows専用ソフトウェア「G-Ignition」でモニター設定などを瞬時に変えられる。特にキーボードで直接行なえるのは我々ゲーマーにとって心底ありがたい

マルチモニター環境をより快適にする新フレームレスデザイン

 発表会では、本機を3台並べたマルチモニターを展示。フレームレスによる解像度5,760×1,080ドットの環境は、一般的なデジタルカメラ画像の横幅をほぼ原寸大で表示できる超快適環境。新フレームレスデザインにより、マルチモニターにありがちな「場所をとってる感」もほとんどない。

 なにより素晴らしいのは、6mmというベゼル部の薄さによる視認性の良さ。先代「FS-2333-A」のベゼル部が16.6mm。「FS2434」であれば、2台並べても足した厚みで先代とほぼ同じという薄さ。展示されたマルチモニター環境は、遠めにも「リッチな環境だなぁ」と羨望ありありだったが、実際に座って使わせていただくと「こりゃやばい。これに慣れたら自宅の環境に戻れない……」というくらい筆者のハートを捉えて離さない魅惑の産物だった。

 前述のWindows専用ソフトウェア「G-Ignition」は、マルチモニター環境もしっかりサポート。USB3.0でリンクさせておけば「Smart Insight 2」のオン・オフや各種設定を3つのモニターで同時、あるいは個別に調整可能。並べた際の違和感も最小限で、試しにプレイさせていただいた「Battlefield 4」ではまったく気にならなかった。それどころか「Smart Insight 2」のオン・オフなどを試していると「えっ、このシーン、壁にこんな落書きがあったの!?」や「横のモニターで味方の兵士が確認できるけど、こいつ俺が必死で戦ってる最中に何もせず棒立ちなんだな……」など、新たな魅力(?)が山のように発見でき、言葉に尽くせないくらい楽しかった。

 これだけの機能と内容で、このリーズナブルなお値段。個人的にはEIZOダイレクトでマルチモニターセットを販売して欲しいと思ったくらい。本誌読者的にはゲーマー視点でも「ぜひチェックして! 損はさせないから」と叫びたいくらいだが、それを差し引いてもマルチユースとしての隙のなさは完璧といっていい仕上がり。気になった方は、先行展示などでぜひその目でお確かめいただきたい。

上画面・左と中央、左が「FS2434」、右が「FS-2333-A」。先代の半分以下、6mmという薄さ
ベゼル部が薄いため並べて使用する際も違和感は最小限。マルチモニター環境にありがちな圧迫感もない

我々ゲーマーとしては、やはりゲームをプレイすることで「FS2434」の凄さがより実感できる。特にマルチモニター環境は本当にやばい!

(豊臣孝和)