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【E3 2014】ゲームはここまで実物に近づいた!「FIFA 15」プレイレポート

今作からPC版も次世代バージョンへ。ピッチ内外の進化点をチェック!

6月10日~6月12日開催(現地時間)



会場:Los Angeles Convention Center

「FIFA 15」が大きくフィーチャーされていたEA Sportsブース

 6月10日(米国現地時間)より開幕したE3 2014。Electronic Artsのブースでは今年もEA Sportsブランドのタイトルが軒並みプレイアブル出展され、まずは今秋発売予定の「FIFA 15 World Class Soccer」を実際に試すことができたのでご報告しよう。

 まずPC版ユーザーに嬉しいご報告を。本シリーズは前作「FIFA 14」から次世代機向けのエンジンであるIGNITE Engineを採用し、プレイステーション 4/Xbox Oneがリードプラットフォームとなっていたが、今作ではそこにPC版も加わることになった。したがって、PS4/Xbox One/PC版は同一の内容となり、旧エンジン版はPS3/Xbox 360版および、PC用F2Pタイトルの「FIFA World」が引き継いでいく形となる。

【FIFA 15 - Official E3 Gameplay Trailer】

ビジュアルのチカラを大幅に強化したピッチと選手表現

シリーズで最も実写に近づいたビジュアル
芝の1本1本まで緻密に描写されている

 EA Sportsブースでは「FIFA 15」の特徴を伝えるプレゼンテーションが実施されていたほか、Xbox OneおよびPC版のプレイアブル展示が行なわれており、他の来場者と一緒に対戦することができた。

 「FIFA 15」における強化点は公式サイトの機能紹介ページ(http://www.easports.com/fifa/features)にてひと通り確認できるが、やはり実際にプレイしてみると前作「FIFA 14」との違いがよくわかる。

 まず印象に残るのが、全体的なビジュアルの向上だ。本作ではライティングを実際の試合の中継に近づける調整が行なわれており、明暗のダイナミックレンジがぐっと実写に近いものになった。全体的な陰影の深みが増して、まさにテレビ中継で見る試合の色味だ。

 スタッフによれば、選手の3Dモデルも全面的に作り直したという。「FIFA 14」以前はなんとなくゴリラ体型というか、やや不自然に寸胴気味だった選手たちのシルエット。それが本作では、自然なメリハリのある印象になっている。これにより各モーションの説得力が増しているほか、ユニフォームや髪の毛の揺れもきちんと再現されるようになっていて、リプレイシーンの“実写感”が凄い。

【FIFA 15 Features: Authentic Player Visuals】

 それらに輪をかけてピッチの本物感を伝えてくれるのが、芝の再現。踏まれた芝が潰れ、急激なターンやスライディングを決めれば土までめくれ上がる。試合時間が経過するごとに激しい競り合いの跡が芝に刻まれていき、試合終盤にはあちこちがボコボコになるという凝り具合。

 さらに、選手のユニフォームも芝や土との接触で汚れていくため、後半ロスタイムともなれば両チームともボロボロの泥まみれ状態。終盤に交代で入った選手は綺麗なままだったりするので、元気な選手が誰かひと目でわかるという効能もある。

【FIFA 15 Features: Living Pitch】

 時間の経過とともに変化していく風景は、選手のリアクションにも現われる。今作のAIは、個々人のシミュレーションに試合全体の流れを強く影響させる仕組みになっていて、ビハインドで終盤を迎えればセンターサークル付近にひとりだけDFを残してあとは全員攻撃、逆に1点を守りきれば勝ちという状況ならFWも下がって10人でディフェンスするといった状況が現われてくる。

 それに加えて、選手の感情表現もチーム全体で連動するようになっている点が面白い。プレゼンテーションでは一例として、マンチェスターシティとバルセロナの試合、ネイマールがナスリに悪質なタックルをしてしまったシーンがデモされた。

 起き上がったナスリがネイマールを睨み付け、互いに胸元を突きつけあって一触即発の状況になってるそばで、ヤヤ・トゥーレが審判にカードをアピール。一方、イニエスタは審判に駆け寄りつつ「カードは厳しいよ」的なジェスチャー。その直後、審判がネイマールにカードを提示。憮然とするネイマール。ひとつ後方で様子を眺めていたメッシが頭を抱える。

 ……といった感じで、ファウルシーンひとつ取ってもチーム全体の様々な反応が見られてとても面白い。プレイ外の演出に関しては長足の進歩を遂げた印象だ。

【FIFA 15 Features: Emotional Intelligence】

攻防両面でボールコントロールが向上、よりスムーズな試合へ

地味ながら重要なボールコントロールの改善も抜かりない

 肝心のボールに対するプレイも根本的な調整が行なわれている。高速での切り替えしの際に、より細かなステップを刻んでターンできるようになったほか(このためアジリティの高い選手はボールのタッチ機会が増える)、ドリブルのタッチパターンが大幅に増え、可能な限り利き足でのコントロールを維持してくれるようになっている。

 前作以前では、ボールの位置に応じて簡単に逆足も使うようになっていたため、このあたりの個性がうまく出ていなかったものだが、今作では、例えばメッシなどはアウトサイド、インサイド、インステップ、トゥと様々な部位を使い、左足にこだわってボールを動かしてくれる。おかげで、右サイドから切り込んでシュートに持ち込むような、実際の試合でよく見るプレイのイメージも掴みやすい。

【FIFA 15 Features: Agility and Control】

 そのほかディフェンス面では、タックル時にボールを弾き飛ばすのではなくその場に止めるようなアクションが可能に。ショルダーチャージによるボール奪取の効果も増しており、様々なシチュエーションで、奪ったボールをスムースに次のプレイに繋げられるようになっている。奪ってもこぼれ球を拾われて……という状況が明らかに減っているので、ハイラインプレス戦術の効果が増しそうだ。

【FIFA 15 Features: Man-to-Man Battles】

 というわけで2試合ほどプレイしてみた印象はすこぶる良好だ。特にボールへのコントロール性が増したことで、前作以前はよくあった、“ゴチャゴチャした「こぼれ球」合戦が続いて何となく事故っぽいゴールが決まる“的な状況は大幅に減りそうな印象。ゴリ押しでなく、きちんと崩すサッカーへの要求が高まりそうな気配である。

 本作「FIFA 15」は例年通りの時期に発売される予定だが、今後も新しいゲームモードやマッチシステムなど新情報の発信が行なわれていくとのこと。サッカーゲームファンの皆さんは是非、お楽しみに。

(佐藤カフジ)