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ニコニコ超会議3で「新生FFXIV」出張プロデューサーレターLIVE Part1が開催

ゲストのリードUIアーティスト皆川氏がユーザーからの質問に回答

【ニコニコ超会議3】

4月26日、27日開催予定

会場:幕張メッセ

入場料:一般入場券1,500円(前売)、2,000円(当日)

 スクウェア・エニックスは幕張メッセで開催中の「ニコニコ超会議3」にブースを出展し、2日間に渡って「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、新生FFXIV)」のイベントを開催している。

 初日の11時から開催されたステージイベント「出張プロデューサーレターLIVE Part1」では、「新生FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とコミュニティーチームの室内俊夫氏に加え、ゲストとしてリードUIアーティストの皆川裕史氏を迎えた3名で進行された。内容は、事前に寄せられた皆川氏への質問がメインで、後半にはニコニコ生放送に寄せられたコメントの中から吉田氏が質問に答えた。

 このレポートでは「出張プロデューサーレターLIVE Part1」内で、吉田氏、皆川氏が答えた質疑応答をまとめてお届けする。

皆川氏がUIや吉田氏やゲーム開発について語りまくる!

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏(右)、ゲストの皆川裕史氏(中央)、コミュニティチームの室内俊夫氏(左)

 皆川氏は、「マジカルチェイス」(パルソフト)、「伝説のオウガバトル」、「タクティクスオウガ」(クエスト)、「ファイナルファンタジータクティクス」、「ベイグラントストーリー」、「ファイナルファンタジーXII」、「タクティクスオウガ 運命の輪」などを開発してきた経歴を持つ。現在は「新生FFXIV」のリードUIアーティストを担当している。

 イベントでは、事前に寄せられた様々な質問に皆川氏が答えている間、吉田氏はトンベリサーバーに作ったイベント用のキャラクターで極リヴァイアサン討滅戦に挑戦していた。無事勝利したが、質問に答えるのが忙しく、リミットブレイクを撃ち忘れて焦る場面もあった。

―― 「新生FFXIV」のローンチからパッチ2.2までにUIを変更する機会が3回ありましたが、振り返ってみてプレーヤーに対して申し訳ないと思った所、また予想外に好評だったところはどこですか?

皆川氏 申し訳ないところは、パッチの直前に実装した実装したせいでチェックが滞り、緊急メンテナンスで修正しなければならないことが何度かあって、申し訳なかったです。UIセクションの場合、優先度の高いものはプレーヤーから寄せられた声の中から要望が多いものなので、「やっと入ったか」という声が多く予想に反して好評という声にはなかなか巡り会えないです。

―― リードUIアーティストとして、既存のオンラインゲームと比べてこだわった点や、差別化した所を教えてください。

皆川氏: コントローラーで遊ぶコンシューマのプレイ感覚と、PCのMMOのスタンダードな操作を1つに組み合わせるのが大変でした。またドイツ語やフランス語は文字が長いので、そのままレイアウトすると日本語だとスカスカになってしまたりするので、たくさんの海外言語に対応しなければいけないのが大変でした。

―― 現在の「新生FFXIV」のUIは皆川さんから見て何%くらいの完成度ですか?

皆川氏: だいたい常に予定している実装リストの80%くらいの消化率を心がけています。

―― これまでで、このUIは最高だというものや影響を受けたものはありますか?

皆川氏: 古いゲームですが「マーブルマッドネス」というゲームは、操作方法と画面が一体になっていて、すごく影響を受けました。

―― 皆川さんが関わったゲームでは特定の数字が多少上下にずれている表示がされていますが、どういう意図があるのですか?

皆川氏: プレイステーションの時に「ファイナルファンタジータクティクス」というゲームを作ったのですが、その時、羊皮紙に書いたようなメニューにしたいと思って初めてオールドスタイルというフォントを使いました。そうしたら、その後他のゲームでも、プロデューサーからこれにして欲しいと言われるようになったのです。今回も吉田さんから言われました。

―― 好きなBGMを教えてください。

皆川氏: アルテマのメインクエストで流れる「神なき世界」。曲がゲーム内のシチュエーションとあっているので印象に残っています。逆に苦手なのは、大迷宮バハムートの戦闘で流れる「試練を超える力」です。うちは奥さんも「新生FFXIV」のプレーヤーなのですが、仕事が終わって夜中の1時くらいに家に帰ると、あのBGMが必ず流れている時期があったんです。会社でも聞いて、家でも聞いて、しかも流れている時には奥さんの機嫌が悪いのです(笑)。

―― 「FFXII」HDを出す予定はありますか?

皆川氏: 僕が作るのではないならありですね。「FFXII」は大変だったので、今度は遊ぶ側になりたいです(笑)。

―― 「オウガバトルサーガ」の新作を発表する予定はありますか?

皆川氏: 仮にそういうプロジェクトが立ち上がるとしたら、絶対に参加します。

―― 松野泰己さんの元にいたということですが、松野さんと吉田さんのどちらがいい上司だと思いますか?

皆川氏: 松野さんは僕にとってお母さんという感じで、吉田さんはお兄さんという感じです。どちらが好きかは言えませんが、たくさん怒られたのはお母さんです。いっぱい説教されました。

―― スーパーファミコンの「タクティクスオウガ」の頃はかなり少人数で開発していたと聞きますが、その頃と今とはどちらがたいへんですか?

皆川氏: たいへんな場所が変わっています。「タクティクスオウガ」の頃はまだ20代だったので、相当無理な開発をしても体が付いてきましたが、今やったら死にます。逆に当時の知識しかない自分に、今のこの「新生FFXIV」のUIを作れと言われたら死にます。どちらも大変です。

―― 吉田氏には没にされたけれど、本当はこうしたかったという裏話はありますか?

皆川氏: 「FFXII」の時に作ったガンビットというシステムがあるのですが、「新生FFXIV」でもマクロ機能でホットバーの中身を書き換えるような処理までテスト実装はしてみたのですね。でもそこまでいくと、マクロがない人はちょっとということになりかねないので、そこはセーブしています。ただ、それもチョコボとか魔導アーマーとかでガンビットのようなカスタマイズができたら、いつかどこかでやりたいねという話は出ています。

―― 吉田氏の好きな所を3つ挙げてください。

皆川氏: 声が渋いとかあるのですが(笑)。真面目に同じゲーム開発者の視点で言うと、まずゴールが明確なこと。それがあった上で、状況を見ながら変更する決断をしてくれる所です。それと、作ったものをちゃんと楽しんで遊んでくれる所。ゲーム開発者としてはそれが一番大切なところなので。

―― 今後UIやパッドのレイアウトのローカルデータをサーバーに保存して、違うプラットフォーム間で共有することができるようになりますか?

皆川氏: 僕もそれは欲しいのです。家ではPS3、PS4、PC3機種を使っているのでパッドレイアウトを共有するのが大変です。テストサーバーの見積もりをしたのですが、吉田さんが真顔になるくらい高い見積もりがでてきて、もう少し別のやり方を考えないとこのままでは通せないと言われました。頼りない答えで申し訳ありませんが、もう少し検討させてください。

―― インベントリをすべて表示できるようにして欲しいです。

皆川氏: 今ちょうど作っている最中です。おそらく次のパッチではお出しできるのではないかと思います。描画不可がかかるのでPS4とPC版のみですが、自分のバッグとリテイナーの持ち物をいっきに100わく表示できるようになります。

―― ゲームパッドでプレイしている時、F.A.T.E.に参加したら自動的にレベルシンクできるようにして欲しいです。

皆川氏: F.A.T.E.のエリアに入った判定を取って、勝手にレベルシンクさせることは可能です。ただその時にかかっているバフが解除されてしまうので、F.A.T.E.をやっていない人にとっては具合が悪いことになります。ただ、アートマ等も入ったので、そろそろオプションでそういう設定ができるようになってもいいのではないかと思います。いつになるかは分かりませんが、考えています。

吉田氏がコメント欄に寄せられた質問に回答

後半は吉田氏がコメントに回答。終始、アデランスが作った特定ミコッテウィッグ姿での出演だった

 ここからは、ニコニコ生放送のコメントとして寄せられた質問への、吉田氏からの回答をまとめて紹介する。ニコニコ生放送にはこの時点ですでスタートから累積で6万近いコメントが寄せられており、5万人近い視聴者がネット経由で番組を見ていた。そこから多く寄せられているコメントをピックアップして、吉田氏が回答した。

―― ゾディアックウェポンストーリーの延期について、もう少し詳しく理由を教えてください。

吉田氏: プロデューサーレターLIVEでパッチ2.25で実装するとお伝えしたゾディアックウェポンストーリーの続きをパッチ2.28に延期しました。理由についてはプロデューサーレターにも書いたのですが、伝え方が悪くて一部誤解を生んでいる感じがいます。予定していた続編は完成しています。いま皆さんはアートマ集めや、神話を集めて本を1冊ずつクリアしている所だと思います。アニムスが完成している人はまだ多くはありません。今は本の2、3冊目辺りをやっている人が多く、ここで新しいストーリーを入れると高い山の向こうにさらに高い山が見えてしまう。しかも山に登る道は1本しかなくてかなりしんどいので、多くの人が途中で辞めてしまうのではと開発で協議しました。また新しいアイテムが必要になるのですが、それをもう少し色々なコンテンツから得られるようにしないと大変だろうという話になって、アイテムをコンテンツにばらまくための時間がかかることになってしまいました。

―― 幻想薬を早く実装してください。

吉田氏: 2.28のタイミングでいけるのではないかということで進めています。なるべく急いで皆さんにお届けするために、まずは5月にアカウント単位で1個受け取れるものを入れます。これはトレードができません。個別のキャラクターへのサービスについては2.3以降になります。

―― ゴールドソーサーが早く欲しいです。

吉田氏: ゴールドソーサーは大きなコンテンツなので、まだまだ企画を立てている段階です。今は“チョコなんとか”が一番進んでいて、ミニゲームも入れようと思っているのでそれほど早い話ではありません。じゃあ2.3には何が来るのかというと、フロントラインという大規模PvPや、“サルベなんとか”というクラフターの新しい遊びだったりします。この辺りは、次回の名古屋で詳しくお話していければと思っています。2.28でもコンテンツを入れようとしています。今後は1カ月スパンで何かのパッチが出て、3カ月スパンで大きなものを入れようと思っています。

―― 極リヴァイアサンのコンテンツファインダー対応はいつごろですか?

吉田氏: そろそろいいかなと思っています。開けるのは難しくはないので、戻ったら権代と話をして検討させていただきます。

―― 天気予報は?

吉田氏: 2.3の少し後くらいに予定をしています。ヌシ釣り以外にも天気が絡む遊びを作っています。

―― 個人宅はどうなっていますか?

吉田氏: 今フリーカンパニーの家の中に部屋を持つ「個人ルーム」と、家と土地を個人で持つ「個人宅の作業を進めています。優先順位は個人ルームが先で、できるだけ近いタイミングで個人宅も出したいです。ハウジングについては、家が売り切れいているという話も聞くので、土地の追加を考えています。ウルダハについてはいま地形を変えていて、見晴らしが良くなります。砂嵐で洗濯物がホコリだらけになりそうなので、天候も調整して、星空も専用で用意しています。水が汚いというコメントもいただいているので、開発内ではもう奇麗になっています。

―― アドオンはどうなっていますか?

皆川氏: 以前に、ローンチから6カ月から8カ月をめどに最初のバージョンをお使いいただきたいという話をしていましたが、正直言うと遅れています。まずはスキンのカスタマイズや、アイコンの変更など簡単なところから一段階ずつ実装していこうと思っています。

(石井聡)