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【特別企画】GDC Awardsノミネート記念、“尖った”インディーズゲームの数々を紹介
旅から戻ると自宅には誰も居なかった。家族の失踪の謎を解く「Gone Home」
(2014/4/1 00:00)
旅から戻ると自宅には誰も居なかった。家族の失踪の謎を解く「Gone Home」
続いて「Game Developers Choice Awards」でデビュー賞を受賞した「Gone Home」を紹介する。ちなみに今回紹介する4作品の中で筆者の1番のお気に入りだ。
「Gone Home」は米The Fullbright Companyが開発したアドベンチャーゲーム。海外旅行から帰った主人公を待ち受けていたのは、誰も居ないガランとした自宅。家族はどこへ行ってしまったのか、なぜ居なくなってしまったのか、その真相を探す事が目的だ。
雷雨の中空港からのシャトルバスに乗り自宅に帰り着いた主人公。帰国日をちゃんと電話で伝えたはず、さすがに誰も居ないというのは不自然ではないか、そして玄関には妹からのメッセージ「私を探さないで下さい」。
本作はアドベンチャーゲームだが、「○○を発見した」、「○○はこう話した」といった様なシステムからのメッセージはほとんど表示されない。特定のオブジェクトに触れることで、妹から主人公へ向けた日記がボイスと共に浮かび上がる。これが物語の鍵を握る、そして数少ないメッセージだ。
だが屋敷の中を探検すると、残された物から徐々に背景が浮かび上がってくる。例えばロビーに飾ってある家族写真からは主人公は4人家族で両親と妹がいることが、父の仕事部屋にあるタイプライターと編集者からの手紙からは父が小説家を生業としていること、新聞の死亡記事からこの家は元々父親の叔父の持ち物だったことなど……が浮かび上がってくる。
こうして家の中にある様々な物から家族に何が起きたのか、妹からのメッセージの真意が徐々に浮かび上がってくるというわけだ。
ネタバレを避けるために深く突っ込んだ紹介は避けるが、一見幸せそうに見える家族にも生活があり、それぞれに悩みもある。家の中にあふれる様々な“物”から、彼らの生活の様子をイメージするのは覗き見趣味の様だが楽しくもある。
ゲームは基本的に1本道で、様々なオブジェクトに触れ、メッセージをじっくり読んでもエンディングまで2時間程度とそれ程ボリュームがある作品ではない。
だが自分の足で歩き、自分の手でオブジェクトを掴み調べる。そして浮かび上がってくる真実。プレーヤーが能動的に調べることでストーリーが見えてくるという体験は、ゲームならではと言える。もしプレイする際は、できれば触れることのできる全てのオブジェクト、本、付箋、チラシ、手紙……に触れて、ゲームの世界をじっくりと味わってみて欲しい。
なおデフォルトの言語設定は英語だが、日本語化するローカライズファイルが公式ページで公開されている。このファイルを導入すればメッセージや手紙にいたるまで日本語化されるので、ぜひ導入をおすすめしたい。価格は19.99ドル(約2,040円)、ボリュームを考えると少し割高に感じるが、筆者は値段に見合う体験ができた。