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トッド・ハワード氏による「The Elder Scrolls」20周年記念メッセージを公開

3月26日 公開

 ゼニマックス・アジアは、「The Elder Scrolls」シリーズが今月で20周年を迎えるにあたり、シリーズでディレクターを務めるトッド・ハワード氏のメッセージを公開した。

 メッセージは、ハワード氏による20年間のゲームファンへの感謝の気持ちを述べながら、エルダースクロールズシリーズへの思い、そして「The Elder Scrolls Online」(ESO)に対してもコメントしている。コメントの翻訳文全文は以下のとおり。

エルダースクロールズの20年間

 この20年という短い期間に、様々なエンターテイメント作品が名を連ね栄えてきました。エルダースクロールズシリーズがその中の1つである事を嬉しく思います。私がベセスダで過ごした20年間を振り返ってみると、自分達が愛するゲームを作るのに、才能あふれるたくさんの人材と出会い、チーム一丸となって開発を続けられた事が、どれだけ幸運な事だったかと、感じています。

 このシリーズが長い間、輝やき続けるために守ってきた事が1つあるのですが、それは前作に対してシンプルに続きを加えるのではなく、毎回いつも初めから作り上げるようにしてきた事です。つまり各タイトルごとのオリジナリティ、独自の世界観や魂などを持たせるようにしたいと我々は考えていました。

 技術の変化と共に我々も、そして皆さんも一緒に変化してきました。それでも、皆さんをどこか別の所へ連れて行ってしまうようなゲームを作る、というゴールが変わる事はありませんでした。ゲームは、限りない可能性と共に皆さんにパワーを与えます。皆さん自身で自分の世界を作る事だってできるのです。

 このようにしてファンの皆さんとは、常にパートナーでいる事ができたと思います。皆さんから頂くサポートはいつも素晴らしいものでした。ポジティブなフィードバックもネガティブなフィードバックも、前進するには欠かせないものでした。何かに膨大な時間、年月を費やすと、それはその人の一部になります。それはまさに我々にとっても同じ事で、多くの皆さんにとっても同じだと思います。

 我々にとって、そして皆さんにとっても意味のあるエルダースクロールズシリーズの思い出はいくつもあると思いますが、私は、その中でもある1つの出来事についてよく考えます。

 それはスカイリムを開発している時、まだ正式アナウンスの前でしたが、Make-A-Wish Foundationという、難病と闘う子供達の夢の実現を手伝う団体を通じて、ひとりのティーンエイジャーの訪問を受けた時です。

 この団体はオバマ大統領に会いたいという子供、スパイダーマンに会いたいという子供、そしてなんと、私達に会いたいという、それぞれの子供達の夢をかなえていました。そして私達を訪ねてきた子供の願い、それは新しいエルダースクロールズのゲームを見る事だったのです。

 彼はチーム以外の外部の人間としてスカイリムを遊んだ、初めてのプレーヤーとなりました。

 これが単なるエルダースクロールズについての話なのではなく、まさに体験そのものが重要なのだ、という事なのです。そう、それはただのゲームであり、ただのエンターテインメントにすぎません。

 しかし、どれほど私達全員がその体験のために時間を費やしているのか、という事が重要なのです。最高の体験が、発見の素晴らしさや、達成に対する自尊心をもたらしてくれるのです。世界中の皆さんが我々と共に多くの時間を過ごし、我々のゲームが出るたびにすべてのゲームに対して応援をしてくれているという事実が、我々にとって意味のある事なのです。

 そして今、エルダースクロールズはオンラインという新たな方向に歩み出す準備が整いました。Zenimax Onlineの素晴らしいスタッフ達は私達Bethesda Game Studiosと同じ情熱と献身性をゲームに注いでくれました。

 そして、他のエルダースクロールズのタイトル同様に、ESOも独自のオリジナリティを持っています。これまでの長い間、皆さんが我々にしてくれたように、ESOに対しても変わらぬ支援、ご意見を寄せてくださる事を願っています。

 20年が過ぎ、エルダースクロールズはどこへ向かうのか? それは時が経てばわかるでしょう。でも私は、皆さんとの素晴らしいパートナーシップが続いていくという事だけは知っています。そして誰もがESOをプレイするのが、待ちきれないのです。

 ESOの中で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

トッド・ハワード
ゲームディレクター
Bethesda Game Studios

(安田俊亮)