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韓国のプロゲーマーが八百長を苦に自殺を図る

プロチーム監督自身がゲーム賭博に参加し、勝敗を操作しようとした疑い

3月13日発生

 3月13日の早朝、韓国のプロゲーマーリーグで八百長を苦にプロゲーマーが自殺を図る事件が発生した。

 自殺を図ったのは韓国で「League of Legends」のプロリーグに参加しているプロチームAHQ Korea所属のPromise選手。韓国のゲームサイトInvenに、「League of Legends」プロリーグで八百長が行なわれていることを暴露する書き込みを行なった後、書き込みの予告通りその5分後に飛び降り自殺を図った。幸い一命は取り留め、現在病院で手当を受けているという。

 自殺の理由は、韓国で非合法で行なわれているゲーム賭博に、AHQ Korea監督のノ・デチョル氏自身が関与し、賭博に勝つために大手チームとの試合にわざと負けないと、今後の試合に参加させないと選手を脅したためとしている。

 Promise選手の書き込みによれば、AHQ Koreaは、そもそもノ氏が賭博で儲けるためだけの目的で設立されたプロチームで、冠スポンサーである台湾AHQとは、名前とデバイスの無償貸与だけの契約で、チーム運営費については賭博で儲けたお金で工面していたという。

 韓国でプロゲーマーリーグを主催するKeSPAはこの件について「監督による選手の恐喝、詐欺事件」として事実関係について調査を進めているという。開発元のRiot Gamesもまた事件を注視しており、再発を防ぐために、KeSPAや試合を中継しているテレビ局と話し合いを行なうと発表している。

 韓国では、日本と比較してはるかに巨大なプロゲーマー市場が存在する一方で、その多くは10代から20代前半で、熾烈な競争が繰り広げられている。こうした選手側の「プロになりたい」、「試合に出たい」という想いを悪用した詐欺事件は少なくない。

(中村聖司)