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LG、ウルトラワイドモニターに34インチ3,440×1,440ドットモデルを投入
2014年全モデルにフリッカーとブルーライト低減機能を標準搭載
(2014/3/12 18:18)
LGエレクトロニクス・ジャパンは3月12日、都内にて新製品発表会を開催し、ウルトラワイドモニターの新製品を中心とした全7シリーズ16モデルを正式発表した。
PC向けモニター大手のLGエレクトロニクスは、毎年、幅広いPC用途に向けた豊富なラインナップを提供している。パネルの供給をLGグループのLGエレクトロニクスから受けられる強みを活かし、新しいテクノロジーを積極的に取り入れ、大胆なチャレンジを行なっているメーカーとしても知られる。
過去の例で言えば、120Hz表示をいち早く取り入れゲーミングモニターとして大ヒットした「W2363」シリーズを筆頭に、有機ELモデル、3D立体視モデル、4Kモデル、そしてアスペクト比21:9のウルトラワイドモニターなどなど、ラインナップは常に豊富かつユニークだ。
今回発表された2014年モデルは、主力モデルとしてウルトラワイドモニターを昇格させ、かつ全モデルに、PCユーザーの敵であるフリッカー(ちらつき)やブルーライトを軽減させる仕組みを導入した点が大きな特徴となっている。「W2363」シリーズのようなゲーミングモデルこそなかったものの、作業領域の広さと、使い勝手の良さで、ゲームを含めたエンターテインメント用途向けに広くアピールしていく戦略だ。
頭文字に「U」を採用したウルトラワイドモニターシリーズは、従来の1シリーズ2モデルから、3シリーズ5モデルに拡充。サイズも29インチのみから、エントリーとして25インチ、メインストリームとして29インチ、そしてハイエンドとして35インチという3つを用意し、LGが積極的に推進してきたウルトラワイドモニターを主力製品としてアピールしていく考えだ。
フラッグシップモデルとなる「34UM95-P」は、3,440×1,440ドットのいわゆるシネスコサイズの34インチ液晶を採用し、想定実売価格は135,000円。“余裕で6桁”というのはPCモニターでは最近少なくなってきているが、10億色超の表示色や、モニターが浮いたように見えるクリアスタンド、HDMI(×2)やDisplayPort(×1)に加えて、Macとの親和性をグッと高めるThunderboltを2ポート搭載するなど、その分リッチなモニターとなっており、LGモニター製品群の新たなシンボルとして君臨することになる。
なお、3,440×1,440ドットという4K(3,840×2,160ドット)に準ずる高解像度で利用するためには、10bitカラー出力に対応したGPUが必須となる。対応GPUは、Windows OSの場合で、Intel内蔵グラフィックスはHD4400以上、AMD RadeonはHD7000以降、NVIDIA GeForceは650以降。Mac OSの場合は、Mac Proが搭載するAMD FirePro D300以降となっている。リフレッシュレートはThunderboltもしくはDisplayPortで60Hz、HDMIで50Hzが上限となる。
エントリーモデルの25インチと、メインストリームの29インチは、従来モデルと同じ2,560×1,080ドットの表示解像度を備え、後述するフリッカー(ちらつき)やブルーライト低減機能を搭載した以外は従来モデルと同じとなっている。なお、従来モデルの売りのひとつとしていたMHL端子は、利用率が低いとして2014年モデルでは搭載されていない。
そしてLGモニター 2014年モデルのもうひとつの大きな特徴は、PC利用における眼精疲労や肩こりの原因となっているフリッカー(ちらつき)やブルーライトの軽減機能だ。共に技術としては新しいものではないが、両方の軽減機能を全モデルに導入しているところにLGの覚悟が窺える。
これについてLGエレクトロニクス・ジャパンの李起旭氏は、「我々はお客様の体験に向き合うところからがスタート。お客様の問題を解決した発表し、PCモニターに対して、新たな価値と新たな使い方の提案を行なっていきたい」と抱負を述べた。
まず、フリッカー低減機能「フリッカーセーフ」は、フリッカー発生の根本原因だった調光方式をPWM調光方式から、DC調光方式に切り替え、完全に取り除いている。その代わり、方式として仕組みが複雑なため、調光範囲が狭くなるという弱点がある。
ブルーライトについては、その発生源であるLEDバックライトの光から、色温度を変えることでブルーライトの発生を低減し、最大で83%のブルーライトを低減することができるという。
ただ、方式は文字通り色温度が変わるため、色味が黄色みがかってしまう。このため、写真や映像関係など色を使うコンテンツの利用には向いていないというが、ビジネス用途での書類作成やメール、Webの閲覧には全く問題がないとしている。この2つを組み合わせて使うことで眼精疲労を大幅に低減できるようだ。