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「龍が如く 維新!」発売記念サイン会を開催!

名越氏「注目されているハードに1番乗りできたことは誇り」

2月22日 発売

 2月22日、セガのプレイステーション 3/4「龍が如く 維新!」の発売を記念し、発売記念抽選会&体験会が東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の店舗にて開催された。

 さらに、「ビックカメラ有楽町店」、「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」において、シリーズ総合監督・名越稔洋氏と、プロデューサー・横山昌義氏によるサイン会も開催となった。

 18時スタートのヨドバシカメラ マルチメディアAkibaには、寒い中、サインを求めて開始時点で70名ほどが集まったとのこと。パッケージのインナーや思い思いのグッズを持ち込み、名越総合監督と横山プロデューサーにサインをもらうだけでなく、握手や一緒に写真に納まる風景が見られた。

 ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの1階イベントスペースにて行なわれたサイン会。寒さが足元から伝わる18時前、名越総合監督と横山プロデューサーへの囲み取材が行なわれたので、その模様をお届けする。

――発売日を迎えたご感想は?

横山氏:朝から、「皆さんもうプレイされているのかな?」とネットを見ていたりしていましたが、プレイステーション 4の発売と重なったこともあって、ゲーム業界自体がパッと盛り上がったこともあって、いっぱいニュースが出ていますので、その中に「龍が如く 維新!」というキーワードを見ると、「この日に間に合ってよかったな」という実感がすごくありますね。あと、皆さん気を使っているのか、今回あまりネタバレしていないなと。いつもより黙って黙々とやってくれている感じがあるので、明日以降、ゲームを作っている立場としては、中身の反応がすごく気になるので、注意深く見守らせていただこうかなと思っています。

名越氏:カウントダウンイベントにも出させていただいて、その盛り上がりの中で、今日から皆さん「龍が如く 維新!」を手に入れることができて、まずはホッとしているところです。ちょいちょいですけれども、売り切れているお店も出てきている話も聞きますし。一方、PS4との結びつきが強くて、PS3版も作ったので、そちらも売れてほしいという気持ちもあり……ハードのローンチにゲームが出るというのは、ハードメーカーでもありましたので、そういう複雑な……変な意味ではなくて、気持ちもあったりとか。過去任天堂さんのハードのローンチにゲームを供給したことはありましたが、実はソニーさんのゲームハードのローンチにゲームを供給するのは初めてだったので、また違った印象だな、ということもありますね。(PS4は)今1番注目されているゲームハードだろうと思いますし、その注目されているハードに1番乗りできたことは誇りに思いますので、うれしいです。そして寒いです(笑)。

――体験会と、有楽町でのサイン会を終えられた後ですが、ユーザーの皆さんの熱量に関して、どんなご感想をお持ちですか?

名越氏:ユーザーの方の熱量は変わらず、毎回ありがたいと思いますし、寒いから行くのがめんどくさい、と思われるのに、いつもと変わらない数の方々に来ていただいているのはうれしいな、と思います。

横山氏:いやー、発売日なんで、例えば朝10時に買って、もう家に引きこもられるのかな、と思っていたわけですよ。そうしたら、結構夕方のこうしたイベントにもいらしていただいていて、うれしいですよね。家に帰って暖かい環境で楽しんでください、と思う反面、こうして来ていただけて、こちらも勇気がいただけるので、ありがたいな、という気持ちでいっぱいです。

――Vita版のアプリが先行配信されていましたが、そちらの反応はいかがでしたか?

横山氏:手応えはものすごく感じています。本編の下準備として、相当お金や武器を貯めて頂いて、気持ちを昂ぶらせてゲームを始めてもらっていると思うので……有楽町のサイン会のときも、「Vitaで相当やってます」という声を何人も頂きましたので……Vitaを持っている人は、ですけれどもね。

名越氏:「龍が如く」にこれまで接触の機会がなかった方にも、機会を増やしたいという思いで結構大盤振る舞いなものを出したので、ダウンロード数はかなりのものになりましたが、その何割が「維新!」を遊んでくださるのかな、というところはドキドキしますが、触れていただけるだけで我々は満足なので。評判がよくて、喜んでいます。

――PS4のローンチタイトル、そしてVitaでのアプリ配信とチャレンジをされてきましたが、今回1番チャレンジだな、と思ったことはなんですか?

横山氏:「維新!」自体がチャレンジでしたね。世界観もこれですからね。スピンオフは何タイトルもやってきているところはありますけれども、やっぱり、坂本龍馬という主人公で、幕末という舞台で、「龍が如く」の名前を背負って作る、ということ自体が勇気がいることですし。中でも、ゲームシステムとして面白いものを提供できたという自信はあるので、1年前ですか、下したその決断自体がチャレンジだったんだろうと思います。

名越氏:PS4のローンチタイトルにできた、ということじゃないですかね。あまり深い話はできませんが、僕たちは1年に1本作ってきた、というペースは皆さんご存知だと思いますが、ソニーとセガの中で、いったいいつの段階でオファーがあって、いつの段階でそれを受ける、と決めたのか、というのは……そんなに余裕があった話ではなく。「大丈夫ですかね?」という話であったりとか。我々もすぐに返事ができなかったりとか。ぶっちゃけていえば、「維新!」が始まった段階で、選択肢としてPS4はなかったので。ある日、それをやるという日が来て、それが分岐点だったんじゃないですか。それに加えて、無料のVita版アプリをやるというのは、単純に言えば、SKU(最小在庫管理単位)の数で言えば、今まで1番多いというチャレンジをしたので……。デバッグの時間も最もかかりましたし。それがこうして箱に詰められて店舗に置かれるというのは、最もチャレンジで、しんどかったですね。スタッフをほめてやりたいです。

――「維新!」では、ナンバリングタイトルではもう出てこないであろうキャラクタが多数登場されますが、収録などのエピソードで思い出深いものがあれば教えていただけますか?

横山氏:総じて皆さん、喜んでいただけましたね。例えば、柏木修(「3」に登場)が演っている井上源三郎を演じる咲野俊介さんは、てっきり自分は死んじゃったものだと思っていたみたいで、「維新!」では登場シーンも多いわけです。メインの役になった、ということに驚いてらっしゃいましたし、周囲からも「『龍が如く』に出てましたね」って言われることが多かったそうなんで、「維新!」で依頼が来たから、再出演の方々のテンションはおしなべてものすごく高かったです。「また演れるんだ!」ってタイトルになったのは、こちらとしてもありがたかったので、キャストの人たちと一緒に作っている感覚はありましたね。

名越氏:僕は中村師童くんと飲みにいったり仲がいいんですけれども、彼自身新しいものにチャレンジするのが大好きなアクターなので、ゲームの仕事も楽しんでいたみたいなんですよ。出演してみたものの反響がわからなかったのが、知らず知らずすごい反響があって、「あの仕事ってすごかったんだ」と。「自分も楽しかったし、もう1回演りたいな」と言ってくれた人にオファーが出せてよかったなと。

 高橋ジョージさんなんかは「本編では殺されちまったから、スピンオフしか出られないんだよね」って発表会のときか何かで言われて……。恨みのように言われるのも、すごく名残惜しくて言ってくれる表現だと思うので、復活させたくなる気持ちもこちらも生まれますしね。それもいい関係なのかな、と思います。もちろんファンの方からも、「どうせ生き返らせるんだったら、あいつも生き返らせてほしかった」という声もたくさんいただいたので……こちらも時間の制約などもあって、その声も、次に反映したい何かになっているので、応えていきたいなと思っています。

――横山さんは「5」に続いてプロデューサーとしては2作目で、アプリを含めると3タイトル同時にリリースとなりましたが、振り返ってみていかがですか?

横山氏:今年の1年は長かったです。歳を取ると1年が早くなるものだと思ってたんですけれども、「5」が1年ちょっと前ですよね。それが3~4年ぐらい前のことなんじゃないかな、と思うぐらいではありますので。それは1日1日が濃かったからだと思うんですよ。去年の8月18日の「維新!」の最初のお披露目をやったときのことも、もう遠い昔に感じるので……1年前にはとうてい戻りたくもないですし。すばらしく濃い1年が過ごせたんだな、と思いますね。今日。

名越氏:横山もたくましくなったと思いますし、ディレクターの阪本(寛之氏)も。作品を通じて自信が生まれていくことが1番いいことだと思います。自信がついたら、後は調子に乗らないことだけなんで、そこだけはビシッとやっていけば、人間成長していくと思うので。うちのスタッフは割と謙虚なので、「成長していってくれているな」と信じておりますので。また次にいい作品が生まれる勉強をしているんだろうなと思っています。

――改めて、今日からプレイされる方々に一言お願いいたします。

横山氏:寒いですしね。家にこもってゲームを思いっきりしましょうよ、ということだと思うので。我々が作っているのは家庭用、家でやるものなんですよ。家でたくさん遊んでほしいと思って作ったゲームシステムですし、ゲームの内容になっているので、外は寒いですけれども、家の中ではアツくプレイしてもらえれば、と思いますので、とにかく、「ゲームしてください」。よろしくお願いします。

名越氏:「龍が如く」は、決まっているわけではないですが、割と寒い時期に出ることが多いんですよね。別に狙っているわけではないですが。でも、発売される時期は僕らも意識はするんですよ。通行人の服装とか。遊ぶ環境がいつぐらいで、今世の中はこうなっていて、ゆえにこういうお話で遊んでもらいたいな、とか、気持ちになってもらいたいなとか、意外と考えながら作っていたり、横山もそういう目線で演出をかけたり。今日は思いっきり寒いんで、「維新!」には現代劇にはないアツさがあると思うので、最後まで遊んでもらえれば、「龍が如く」の魅力がまた1つ増えたんだな、と感じてくれるお客さんがまた増えていくと思うので。そういう新しい魅力を、見所は満載なので、隅々まで見てもらえたらうれしいなと思います。

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(佐伯憲司)