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テレビCM効果は本物か? iOS/Android「パズ億~爽快パズルゲーム」

「ポコパン」と「Candy Crush Saga」のいいとこ取りパズル。テーマ設定に違和感あり!

配信中

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

連続で繋いでいくと、それに合わせた特別なマスも登場する
ステージごとに様々な形があり、クリア条件も異なる

 「お・か・ねがだいすき~♪」と朗らかに歌い上げ、大胆な内容だけど実はゲームのコンセプトでしたという戦略的なテレビCMで強い印象を残したiOS/Android「パズ億~爽快パズルゲーム」(パズ億)。CM効果もあったのか2月17日には200万ダウンロードを突破しており、話題のタイトルとなった。

 そのゲーム内容は、「円」や「ドル」など世界の通貨記号が記されたマスを3つ以上なぞって消していき、各ステージをクリアしていくというもの。CMでのゲーム画面では完全に「ポコパン」と同じだったが、「パズ億」はステージクリア型となることでゲームプレイに違いを持たせている。

 1つ1つのステージは制限回数・時間が設けられており、何円以上でクリア(本作の点数の単位は「円」)、消すとひっくり返る「青マス」をなくすことでクリアなど、それぞれにクリア条件がある。ステージは日本エリアやアメリカエリアなどに分かれていて、エリアを進むことで世界地図を旅するような気分を味わえる。

 ステージクリア型ということで真っ先に思い返されるのは、Kingの「Candy Crush Saga」だ。「Candy Crush Saga」は3マッチパズルではあるものの、ステージごとに設定された課題をクリアしていく気持ちよさと、段々と苛酷さを増していくステージギミックによってついついのめり込んでしまう面白さがある。「パズ億」も同じような進行となっており、流行りのなぞり系パズルと「Candy Crush Saga」のステージデザインを合わせたような、いいとこ取りのタイトルとなっている。

 パズルとしては、連続するマスの4個目を消した時、10個目を消した時に登場する「お札」と「偉人」が重要だ。「お札」は再度消すことで矢印方向の一直線上のマスを消すことができ、「偉人」は再び消すことで画面上の同じ色のマスをすべて消せる。

 特に「お札」は4つ消すだけで簡単に登場する上、「お札」が出現するマスをなぞっている方向がそのまま矢印の方向となる。プレイ中は1個だけ孤立した「青マス」を狙うのに重宝するため、5つ以上消せる場面でもあえて4つまでにして「お札」の矢印方向を調整するなど、「ポコパン」や「Candy Crush Saga」とはまた違ったパズルを体験できるので、ゲームとして良くできている。

 難点なのは、なぜ「お金」がテーマなのかさっぱりな所。本作にはこれまでのプレイで「かせいだお金」が表示されるようになっているが、プレイを繰り返すだけで増える「お金」には点数以上の意味がなく、プレイしていても「お金をかせぐ」感覚には到底なれない。

 「円」や「ドル」という至極現実的なものを持ち出している以上、日常生活での「お金」の感覚が必要になってもいいような気がするのだが、対する「パズ億」での「お金」の扱いはかなり雑になっているため、そこに違和感を持ったままプレイを進めなくてはならない。

 CMでは「おかねーはおっかねー♪」という気づきにくいダジャレのワンフレーズが入るが、どうせなら、プレイを通して「お金はおっかない」と思わせてくれるような、経済のシビアさを味わえる要素が本作には必要だったのではないだろうか。

【「パズ億~爽快パズルゲーム」TVCM 「お金が大好き」篇 30秒】
【スクリーンショット】
クリア条件としては、「青マス」を消すという項目が主流になる
ステージのデザインは様々。離れ小島のようなマスのあるステージも存在する
ステージは世界地図がモチーフ。日本エリアからスタートする
iTunesで購入

(安田俊亮)