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こいつはロボゲーの新境地だ!「Titanfall」βテストレポート

大ヒットへのカギはマッチングの工夫とさらなるゲームモードの充実

大ヒットへのカギはマッチングの工夫とさらなるゲームモードの充実

カスタムロードアウトの設定画面
タイタンも同じ要領でカスタマイズできる
1ラウンド限りの強化要素となる「Burn Cards」
プレイ統計も「Battlefield 4」クラスの細かさ。ソロプレイが多く勝率が散々になってしまったが……

 本作には戦闘内容に応じて経験値を獲得し、レベルアップしていく「Battlefield」ライクな成長と装備類のアンロックのシステムがあり、今回のβテストではレベル14までの成長要素を体験できる。

 パイロットとタイタンには一見クラス制に見える3種類の装備プリセットがあるが、実際には主武器・サブ武器、補助兵器の選択によって自分なりの役割を自由に定義できる仕組みだ。レベルアップする毎に使える武器の選択肢が増え、それに応じて戦い方の幅も広がっていく。

 さらに戦法をカスタマイズする方法として用意されているのは「Burn Cards」という要素。これはセッション中の1ラウンドだけ効果のある強化要素で、例えば通常より強い武器が使えたり、タイタン呼び出しのクールダウンが短くなるなどの“カード”があり、任意に消耗して恩恵を受けられる。セッションが終わったら、また新しい「Burn Cards」をランダムにゲットだ。

 本作はこれらの補助的な要素で各セッションに変化をつけて遊べるようになっているが、βテストで見られる範囲では、そもそもゲームモードが3種類しかなく、そのどれもが他のFPSでも見られるオーソドックスな内容であるため、本作の製品版における遊びの幅はまだ読み切れない。

 製品版では本作ならではのプレイをさらに深めるような、オリジナルかつ本命の対戦モードが欲しいところである。たとえば、本作は一見カジュアルテイストながら、対戦の駆け引きは非常にカッチリしており、全体的に実力差を覆しにくいゲーム性となっている。したがって、下手なら下手なりに楽しめるような、協力ミッション的なものも必要だろう。その点の充実が本作の評価を大きく変えることになることは間違いない。

 また、現時点のマッチング仕様は、大多数を占める一匹狼プレーヤーに非常に厳しい。本作ではフレンドと最大6人でパーティを組んで対戦することができるが、連携が生命線を握るゲーム性であるだけに、しっかりとした意思疎通で戦うチームは非常に強い。他方、ソロでゲームに入っていくプレーヤーは“烏合の衆チーム”に与することが多くなり、ひとりで活躍してもチームとしては負けになりがちだ。セッション間のシャッフルもなく固定チームで戦い続けることになるため、チーム差は永遠に覆されず、何試合やってもそのまま延々と負け続けるはめになる。

 実際に筆者の場合、ソロで遊んだ37試合での勝率はたったの16%。大半のセッションでスコアトップ3に入り、MVPを6回獲得しても84%は負け試合だ。「LAST TITAN STANDING」ルールで10連敗、ひとりで11キルしても負けたときには、さすがにこの仕様はマズいと思った。かたやフレンドとパーティを組んだ際の勝率は100%。ほとんどが圧勝だった。

 せめて平均的プレーヤーの勝率が40%程度になるようには収斂させないと、大半のプレーヤーはついていけなくなるだろう。対策として、セッション間のチームシャッフルを導入する、パーティプレーヤーは他のパーティと、ソロプレーヤーはソロプレーヤー同士でのマッチングを優先させるといった仕様の導入が考えられる。製品版では各プレーヤーのレベル・戦績に基づくスキルレーティングベースのバランシングも機能するだろうから、それによって一匹狼プレーヤーの境遇がもう少し良くなることを期待したい。

 いずれにしても、本作は製品版での適確な仕様を導入することによってコアゲーマーとカジュアルゲーマーの双方が満足できる傑作となりえるし、「Titanfall」フランチャイズの壮大な幕開けを飾ることができるだろう。今回のクローズβテストをプレイし、そのような手応えを感じられた。

スクリーンショット
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(佐藤カフジ)