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PS Vita「ダンガンロンパ」シリーズイベントレポート
緒方惠美さんの登場に会場大興奮! ゲームの開発秘話が明らかに
(2014/1/24 10:35)
PS Vita向けアドベンチャー「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」のイベントでは、プロデューサーを務めるスパイク・チュンソフトの寺澤善德氏と声優の緒方惠美さんが登場した。
どのイベントも大きな人気だったSCETブースだが、特に「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」のイベントは多くの人がつめかけた。特に女性が多く、彼女たちのお目当ては緒方惠美さん。女性ファン達は緒方さんがしゃべる度に黄色い声を上げ、PVで声優の名前が出るときも声を上げた。改めて台湾での声優、アニメ作品への人気の高さを実感させられた。
イベントでは寺澤氏、緒方さんのキャラクターやゲームの思い入れが語られ、さらにPS Vita版「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」の繁体字中文版の発売も発表された。
黄色い声に包まれながら寺澤氏と緒方氏が「ダンガンロンパ」を語る
日本では「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」と「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」は現在、「ダンガンロンパ1・2 Reload」というセットとして発売されているが、台湾では2作は分けて発売される形となっており、1月16日に「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の繁体字中文版が発売されている。今回、「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」の繁体字中文版が2014年春に発売されることが発表された。
「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」は優れた能力を持つ高校生が集められた「希望ヶ峰学園」で、学園を出るためには他の生徒を殺さなくてはいけないというルールの下、次々と発生する殺人事件を「学級裁判」で解決していくという異色のアクションアドベンチャーである。「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」は登場人物を一新、南国のリゾート地「ジャバウォック島」が舞台となる。
シリーズの特徴は学級裁判での参加者達の議論によるバトルにある。プレーヤーは参加者達の矛盾する発言を「言霊」を使って論破していく。この議論はアクション要素があり、ミニゲームが発生する場合もある。この議論に勝利することでストーリーは展開していく。
今回のイベントではシリーズのプロデューサーの寺澤善德氏と、声優の緒方惠美さんが登場した。寺澤氏はファンの熱意に対し、「日本語でもそのまま反応してくれるし、東京ゲームショウと変わらない。本当に驚きました」と語った。
緒方さんは「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」では主人公の苗木誠を演じ、「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」では狛枝凪斗というキャラクターを演じる。緒方さんがステージ上に登場すると会場は大きな声に包まれた。ファン達はあらん限りの大きな声で、緒方さんの仕草1つ1つに黄色い声を上げた。
緒方さんは最初に1作目の台本を読んだとき、とてもドキドキして1回で好きになり、絶対にこの作品を演りたいと思ったという。苗木誠に関しては「とても普通だけど、とても前向きで、絶対に諦めないキャラクターです。長く生きていると時々つらくなったり、悲しくなったりするけれども、苗木は絶対負けないので、とても強い気持ちで演じることで、自分も強くなった気がして、彼になるのは好きです」と語った。
一方、狛枝凪斗に関しては、「苗木とは真逆で超ダウナーで、心の振り幅がとても大きく、疲れます。演じるとちょっと気持ち悪くなります。吐きそうになって、寺沢さんに飲みに連れて行ってもらいました」と語った。
緒方さんは、「私はキャラクターの気持にならないとキャラクターの声でしゃべれないので、ここでキャラクターの台詞を言うことができません。代わりにゲームのテーマソングの『rebuild』という曲を歌います」とrebuildを熱唱した。ファンはさらに喜び興奮していた。緒方さんのミニライブの後は、寺澤氏の出題するクイズに会場のファンが答えるというクイズ大会が開催され、見事正解したファンには「ダンガンロンパ」グッズがプレゼントされた。
「rebuild」の誕生など、ゲームの秘話が明らかに
寺澤氏はインタビューなどで作品の中で一番好きなキャラクターを第1作目の「朝比奈」であると言っているが、2作目に限れば誰か? という質問が台湾メディアから上がった。寺澤氏は「罪木蜜柑」が一番好きとのこと。緒方さんにも同様の質問が向けられたが、「自分のキャラクターがいいです。それ以外だと波風立つし……」と答えた。
作品の中文化に関して寺澤氏は「今までにないタイプのゲームなので、海外でも受け入れられると思って中文版を出す事を決めた。翻訳に関しては言葉の矛盾を突くのがメインのゲームなので、とても大変だったと思う。翻訳の評判を聞いていると、うまくやってくれたと思います。ありがとうございます」と語った。
作品に関しては1作目を作ったときは続編などは全く考えてなかったという。スタッフも燃え尽きるくらい力を注いで開発した。このため好評を受けて2作目を作ることが決まってから考えていったとのこと。
収録での何か面白いエピソードをという質問に対して緒方さんは「rebuild」の誕生秘話を語った。rebuildはゲームのために作った曲ではなく、緒方さん自身が何か新しいことをするために作った曲であり、それがそのままゲームスタッフから「ぴったりだ」といわれて、ゲームのテーマに決まったとのことだ。
また狛江の役を演じるにあたっては「私はこれまで多重人格のキャラクターなども演じていますが、人格が切り替わるわけではなく狛江のまま感情の幅がひろいので、普通の人の感情を無理に広げた感じだったので、気持ちが悪かった」といった感想を持っているとのことだ。
メデイアから台湾の感想を聞かれた寺澤氏は「まず、僕がステージに出て行ったとき、きゃーっていわれたのは有り得ないと思いました。おれは緒方さんじゃないんだぞっていう、びっくりしましたね。日本語でしゃべってもすぐ反応はあるやっぱりびっくりしましたね」と語った。緒方さんは「台湾のファンはメッセージがネイティブな日本語でくれるんです。実際来てみて、言葉をわかってくださっているのがわかって、感激しました」と語った。
SCETのイベントを見ていると、本当に台湾の人達が日本語がわかっているのが伝わってくる。登壇者が冗談を言うと、翻訳の前に笑うなどとにかく反応がダイレクトなのだ。そしてその反応は明るく、親しみがこもっている。台湾のファンの好意は多くの登壇者の心をしっかりつかんでいるなと感じた。