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【特別企画】AMDの最新GPUを「バトルフィールド4」で試してみた

最高設定で理想値を叩き出す「R9 290X」を筆頭に高いパフォーマンスを示す

最高設定で理想値を叩き出す「R9 290X」を筆頭に高いパフォーマンスを示す

「TEST RANGE」にて、高台に登って風景描写のフレームレートを測る
OverDriveは有効に。最大1割程度のOCが自動でかかる

 ベンチマークには「BF4」のゲームモードのひとつ「TEST RANGE」を使用。これは1人で練習する用のモードで、他のプレーヤーやAIキャラクターなどが存在しないため、安定したフレームレートの計測ができる。

 今回はマップ中央のタワーに登り、島の風景を最も広く眺められる視線角度でフレームレートを計測した。画面内に入るジオメトリの複雑度がかなり高くなるため、このシーンで90fps以上を確保できればかなり余裕をもってマルチプレイでも常時60fps以上を確保できるはずである。

 まずは「R9 290X」、「R290」、「R280X」それぞれのパフォーマンスを見てみよう。画質設定はプリセットの「低」、「中」、「高」、「最高」を用い、画面解像度は一般的な1920x1080とした。

 使用CPUは前掲したとおりAMD FX-8350(8コア、4.0~4.2GHz)、OSはWindows 7 Professionalで、GPUドライバは現時点で最新の“AMD Catalyst 13.11 Beta9.4 ”である。また、GPU温度に応じて自動的にオーバークロックする機能“AMD OverDrive”はONの状態で計測した。

ベンチマーク結果その1。フルHD(1,920×1,080ドット)解像度
ビデオカードを「R9 290X」、「R9 290」、「R9 280X」に換装しつつ計測した
「R9 280X」のみPowerColor製のモデルを使用、他はリファレンスカード

 「BF4」は最高画質設定にてDirectComputeを使用したヘビーなポストプロセッシングが行なわれるタイトルだが、トップエンドの「R9 290X」なら余裕の80fps超え。これなら激戦シーンでも60fpsを下回ることはほぼないだろう。「R9 290」も76fpsと健闘しており、GCNアーキテクチャーの高いGPGPUパフォーマンスを裏付けた形だ。

 中、低と画質設定を下げていくと「R9 290X」、「R9 290」は常時120fpsプレイも余裕のパフォーマンス。120hzや144Hzの高リフレッシュレートモニターを所有して「BF4」をプレイするなら、このラインを前提にPCの構成を考えたいところだ。

 一方でワンランク下のGPUである「R9 280X」では、DirectCoputeを活用する「高」以上の設定ではやや厳しいパフォーマンスであることもわかる。ただ「中」設定からは充分に快適なフレームレートが確保できるため、コアなプレーヤーであっても多少画質面で妥協することができれば、充分に最高レベルのプレイが展開できるGPUといえよう。

 GPU制御のオーバーヘッドが大幅に削減されるMantle版がリリースされれば、この数値は更に伸びる余地がある。と考えれば、ミドルハイクラスの価格で手に入る「R9 280X」の存在価値はさらに高まることになりそうだ。

 また、「R9 290X」以上のモデルで見られる「中」→「低」領域でのフレームレート上昇の鈍化についても、Mantle版でオーバーヘッドが劇的に解消されれば大きく上抜けしていく可能性があり、この点についても目が離せない。

ベンチマークその2。4K解像度
フルHDモニターであってもスーパーサンプリングのオプションで4K相当の解像度で描画できる

 次に、コアPCゲーマーでもなかなか手の出ない最強構成、「R9 290X」の2枚刺しCrossfire構成でのベンチマークを見てみよう。こちらは膨大なレンダリング能力を活かすため、フルHDの4倍の描画負荷がかかる4K2K解像度でのフレームレートを検証した。

 「BF4」はグラフィックス設定の中に“解像度スケール”という項目がある。これはディスプレイ解像度に対してどれくらいのサイズで実際の映像をレンダリングするか、という設定で、100%より大きな値に設定するとより高い解像度でのレンダリングが内部的に行なわれ、スーパーサンプリングされた高品質なグラフィックスを楽しめるという仕組みだ。

 “解像度スケール”の最大値である200%に設定すると、ディスプレイ解像度1,920×1,080ドットならばレンダリング解像度は3,840×2,160ドットとなる。これで、いわゆる4K2Kディスプレイに等倍表示する際と同じ描画負荷を実現可能だ。その設定にて「R9 290X」のCrossFire構成筆頭に、フレームレートを計測したのが上のグラフである。

 4K2Kは1フレームあたりおよそ800万ピクセルを描画することになり荷が重い解像度だが、さっそくCrossFire構成の真価が現われている。すべての画質設定において「R9 290X」単体に対してほぼ倍のフレームレートを叩きだしており、2枚刺しに期待されるパフォーマンスがそのまま出ている格好だ。

 それでも「最高」設定では荷が重いが、「高」ではプレイアブル、「中」、「低」では快適ラインの平均90fpsを軽く越えて、超高解像度環境での高FPSプレイを約束。単体の「R9 290X」や「R9 290」では同設定ででようやくプレイアブルというラインであるため、通常よりも高い解像度で「BF4」をプレイするなら間違いなくCrossFire構成がオススメだ。

 「R9 280」の結果も純粋なレンダリング能力を示す結果となったが、さすがに4K解像度は荷が重いようだ。「低」設定でようやくコンソール版並みのフレームレートが出るかどうか、といったところなので、こちらはやはりフルHD解像度でのプレイを前提としたほうが無難だ。

(佐藤カフジ)