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【特別企画】AMDの最新GPUを「バトルフィールド4」で試してみた

“快適”のその先へ。いまRadeon R9シリーズを選ぶ理由

「Radeon R9 280X」リファレンスカード
最新FPS「バトルフィールド 4」

 AMDの最新GPU、Radeon R9シリーズ搭載ビデオカードが11月中旬より相次いで発売された。コアなPCゲーマーなら、新しいビデオカードを買う際に“RadeonかGeForceか”と夜も寝られないくらい悩むところだが、今回のRadeonはこれまで以上にPCゲームをパワフルなものにしてくれそうだ。

 というのも、AMD独自のGCN(Graphics Core Next)アーキテクチャーが2つの次世代ゲームコンソール(プレイステーション 4、Xbox One)に採用されたことで、PCゲーム市場においても、“最新ゲームがAMD製GPUに最適化されやすい”という新たなアドバンテージを握ることになったからだ。

 つまり、大手ゲームメーカーの大型作品はまず最先端のゲームコンソールで良いパフォーマンスを出せるよう開発されることが多い。したがって、同じGCNアーキテクチャーを持つAMD製のGPUを搭載したPCでも良い性能が引き出されるはずだ、という理屈になる。

 これは理屈だけでなく、業界的な意志も動き出している。Radeon R9シリーズの登場にほぼ時を同じくして発売されたエレクトロニック・アーツのFPS「バトルフィールド 4(BF4)」は、Radeon R9シリーズに最適化された最初の作品だ。AMDではGPU機能を直接制御できる新API「Mantle」を準備しているが、「BF4」はこれに初めて対応するゲームになるからだ。

 「BF4」のMantle版の登場時期はまもなく、2013年内になると見られるが、今のところ、開発元のDICEではPS4版のグラフィックスエンジンをベースにMantleへの移植が進められていることが明らかになっている。これは、いわばGCNアーキテクチャー版の「BF4」と言い換えても良いかもしれない。最新のGCNアーキテクチャー搭載GPUであるRadeon R9シリーズなら、これを最善のパフォーマンスで実行できるはずである。

 そんなことを考えているうちに、筆者宅にRadeon R9シリーズのハイエンドGPUを搭載したお化けみたいなPCが到着した。Mantle版「BF4」はまだリリースされていないが、まずは現状、DirectX 11.1ベースでRadeon R9シリーズの実力を見てみるにはいい機会だ。

今回使用したPC。ケースは「クーラーマスター CM Stryker( SGC-500W-KWN1-JP)」で、CPUには「AMD FX-8350」(8コア、4.0~4.2GHz)、GPUには最大構成で「AMD Radeon R9 290X」を2枚CrossFire構成で実装。これで「BF4」を遊んでみる

「バトルフィールド4」を快適に遊べるラインは60fpsオーバー

狭い場所に大勢集まってドンパチ撃ちあう。フレームレートが下がりやすいシーン
前線にプレーヤーが集中する「RUSH」モードも高FPSを確保したい

 さて、11月7日に発売された「BF4」だが、毎日熱い戦いを繰り広げている皆さんも多いだろう。筆者はプレイ時間100時間に届こうかというところだが、まだまだアンロックを目指す武器やガジェットが多く、遊ぶたびについつい“もう1ラウンド!”と夜更かししてしまう日が続いている。

 そんな中で経験的にわかってきたのは、「BF4」は極めてフレームレートの変動が大きいゲームであるということだ。64人対戦で状況が流動的に変化するゲームだから当然ともいえるが、あるシーンで120fps出ていたかと思えば、あるシーンでは50fpsまで下がり、という極端に変動することが非常に多い。特に煙や破片が画面を覆いまくる激戦でフレームレートの低下が激しい印象だ。

 これはPC版と比較して簡素なグラフィックスで24人対戦までに制限されている現行世代のコンソール版(PS3、Xbox 360)でも同じこと。そもそもこれらのコンソール版は非戦闘シーンでも30fpsターゲットで作られているようで常時カクカクだが、爆発物が飛び交う前線で撃ち合っていると簡単に15~20fps程度までフレームレートが下がり、最悪のシーンではもはや紙芝居の中で的確に動くという別のスキルが要求されるゲームになる。少なくともPC版のウリは大規模・高画質・高fpsの三拍子なので、せっかくPC版で遊びなら、こうしたコンソール版とは別次元のクオリティで遊びたいところだ。

「BF4」の目玉、マップがダイナミックに変化する“Levolution”。ド派手なぶん発動中は動作が重くなる
フレームレートの安定した非戦闘シーンで、ひとまず90fpsを確保できれば“快適”とかんがえる

 その点で言うと、筆者のようにちょっとカクつくだけでも腹が立つプレーヤーにとっては、戦闘中を含むだいたいのシーンで一定ライン以上のフレームレートを確保できていることが重要だ。そのラインは、“よくある撃ち合いのシチュエーションで60fpsを下回らない”こと。

 これを確保するためには経験上、戦闘の発生していないシーンではある程度余裕を持って60fpsを超えるフレームレートを出せるPCが理想だ。欲を言えば、動きの少ない場面で80~100fpsを出せるパフォーマンスが欲しい。この程度の遊びがあれば、ビル倒壊中など最も重いシーンでも30fps以上は確保できるので、紙芝居状態で戦うことになるのはまず避けられるはずだ。

 重要なのはその理想をどのレベルのGPUで実現できるかだ。今回試したのは、Radeon R9シリーズのトップエンドを張る「R9 290X」(実売7万円前後)を筆頭に、それに匹敵する性能を持つ「R9 290」(実売5万5千円前後)、手の届きやすい価格ながらハイエンドに迫るパフォーマンスの「R9 280X」(実売4万円前後)の3モデルだ。

今回試したPCの基本構成。AMD尽くしのハイスペックマシンだ

(佐藤カフジ)