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「Red Bull 5G」プロジェクトアドバイザー松井悠氏インタビュー

来たらわかるし、来なかったら絶対わからない

来たらわかるし、来なかったら絶対わからない

昨年の「フリージャンル」の1シーン。今年の「フリージャンル」は昨年の出場者達の因縁の戦いになる
昨年の「ファイティング」の1シーン

――オフライン予選が実施されましたが、色々ドラマが生まれたみたいですね。

松井氏:レベルの高い選手が集まるので試合によってはどよめきが起きたり、拍手喝采が起きたりしました。去年から連続して予選に来ている子もいて……。

 今まで去年もあわせてオフライン予選を4回やってるんですけど、その中で3回出てる子がいるんですね。「Red Bull 5G」は西でも東でもどっちに出ても良いんですよ。それで去年東予選で2位になってしまった子が今年どうしても出たいと言って、まずは西で出ましたが、負けちゃったんですね。それで1週間後に東で頑張るって言って出場しましたが、決勝で負けちゃいました。でも本当にゲームが好きで熱がある子なので、彼が今後どういう風にするのか。そういうのもプレーヤーから生まれるドラマの1つです。

 もう1つが「Halo 4」の出場者なのですが、西の代表チームの「FANATIC」というチームのリーダー、VEXATION選手はもともと元々東代表の「Next DimensioN」のメンバーだったんですよ。日本マイクロソフトの公式大会では「Next DimensioN」として参戦して優勝したのですが、そのあとチームを出て、オーストラリアで「Halo」のHaloリーグ「ACL」に参加するトップチームからスカウトされた。

 さらにそこで3番手4番手だった上位チームのプレーヤーを引きぬいて、自分のチームを作り始めて。その後も因縁の移籍劇みたいなのが連続して、当然コミュニティは荒れました。そのドロドロしてる中で「さぁどっちが強い」と(笑)。実は以前のユーザー主催大会では東チームが勝ったのですが、ルールが「Red Bull 5G」とは違ったので、今度はどちらが勝つか。そういうところも見どころだと思いますね。

 他にも「ぷよぷよ!!」では、去年の西代表のKamestry選手と東代表のくまちょむ選手が再び上がってきています。昨年、くまちょむ選手に敗れた西のKamestry選手は1年間練習を積み重ねて、再度この「Red Bull 5G FINALS」で相まみえるわけですから、もう激闘間違いなしでしょう。

――「Red Bull 5G」は誰に向けての場所なのでしょうか?

松井氏:まずはトップを目指すプレーヤーのために。それから「Red Bull 5G」というものに興味を持ってくれるすべてのひとのための場所です。

 これから先、「Halo 4」もやったことないし、「鉄拳タッグトーナメント2」もやったことないけど、「Red Bull 5G」に採用されるということは面白いんだろうなと思って見に行くみたいなのがあったらいいな、と思います。「Red Bull 5G」に行けば知らないゲームでも面白いし、しかも日本一のプレイが見られて、カッコいい空間で、行くだけでも楽しいよねって。

 ただそんなに気張らなくていいと思うんですよ。「レッドブルが変なゲームイベントやってるぞ」ってふらふらっと来てもらえればそれでいいと思います。見に来た結果「ゲームっていいな、久しぶりにやってみようかな」ってなると良いですね。

――来たことのない人に向けた「Red Bull 5G」の魅力を教えて下さい。

松井氏:去年はニコニコ生放送とかTwitchとかで配信しましたが、あれを見た人ってFINALSの雰囲気の5%も感じられてないと思うんですね、例えばあの独特の空気感とかがっちりした音響機器から感じられる音圧とか……。

 試合の結果、すごく喜んでる人、悔しがってる人がいて、それを見るだけで 心を揺さぶる雰囲気もあるし、空気感もある。もちろん画面を通じて伝わる部分もありますが、現地にいるとハートが揺れる瞬間というのがあります……それを感じていただきたいなと思いますね。

 実はこのイベントってチケット有料なんですよ。日本でe-Sports文化が根付かない理由の1つに、ユーザーや参加者、選手がお金を払わないから運営できないというのがあると僕は思っていて。自分たちが好きなこと、いいと思うことに参加する、乗るためには「それなりに料金を払おうよ」と考えています。

 裏を返すと、「わざわざ金払ってでも行く価値はあるよね」と言ってもらいたい。ですから、1回お金払ってゲームの大会を見に行くというのを経験してもらいたいなと。もちろん、お金を取る以上、一定以上のクオリティを維持しないといけませんから、僕たちにとってはその分ハードルが高くなるのですが(笑)。

 ただ、あの空気が味わえるのはあの空間だけなんです。あの空間、あの演出がある中でそれぞれのゲームのトップのプレーヤー達が全力でぶつかり合うと必ず何らかのストーリーがそこに生まれるんです。

 来たらわかるし、来なかったら絶対わからないんですよ。少なくとも去年来た人は来年も見たいと口をそろえて言ってくれるんですね。オープンしてからエンディングまで全部が見どころだと思いますし、色んな所に「Red Bull 5G」らしさが散りばめられているイベントです。

――それでは最後に読者にメッセージをお願いします。

松井氏:去年のダイジェストムービーや、オフライン予選のダイジェストムービーをまず見てみて下さい。そこで感じるものがあったらぜひ「Red Bull 5G FINALS」に足を運んでもらいたいですね。ダイジェスト自体は5分程度のムービーですので、サクッと見られると思います。その上で、何か引っかかるものがあったら足を運んでみてもらえたら。

 あとはプレーヤーの方ももちろんですが、開発者の方やパブリッシャーの方などゲームに触れたことのあるありとあらゆる人に1度見てもらいたいですね。自分たちの作っているゲームでこんなにも熱くなってくれるのかというのをまさに実感できる場所です。

――本日はありがとうございました。

オフラインの予選大会でも様々なドラマが生まれたという。勝ち抜いた彼らが「Red Bull 5G FINALS」でどんな試合を見せてくれるかが楽しみだ

筆者も昨年のFINALSを取材させていただいたのだが、トッププレーヤー達のプレイから生まれるドラマと、レッドブルがこれまで培ってきたイベントでの演出ノウハウが上手く融合して他のゲーミングイベントにはない、大きな感動が感じられた。ゲームを知らない人でも吸い寄せられるような魅力すら感じられる存在感のあるイベントだ

(八橋亜機)