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ガスト、20周年パーティで初TVアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」を発表

（2013/11/6 21:59）

11月6日開催

「ガスト創立20周年発表会」に登壇した出席者

　ガストは、会社設立20年を迎えたことを記念し発表会を開催し、20周年記念新事業の発表、および20周年プロジェクトの概要を発表した。

　発表会には、同社で総合プロデューサーを務める井上忠信氏（常務取締役・プロデューサー）を始め、アトリエシリーズの岡村佳人ディレクター、「サージュ・コンチェルト」シリーズの土屋暁ディレクターが登壇。11月21日の発売を控えているアトリエシリーズの最新作であり20周年記念タイトル「新・ロロナのアトリエはじまりの物語～アーランドの錬金術士～」と、2014年1月14日発売予定の「アルノサージュ～生まれいずる星へ祈る歌～」のプレゼンテーションも行なわれた。

　このほかにもゲストとして「アトリエ」シリーズのイラストレータを務める岸田メル氏、イオン役の加隈亜衣さんも来場。トークを繰り広げた。

　発表に先駆けて挨拶した襟川陽一代表取締役社長は、「強烈なファンの皆様に支えられ、20周年を迎えることができたことが大変うれしい。ガストは“風”という意味だが、ゲーム業界に新風を巻き起こしたいという想いから社名につけられました。ここ2年間、50％の成長を記録している。今回発表する新しいプロジェクトにガストの未来はかかっていますし、今後のガストにも期待しています」と語った。

　続いて登壇した井上忠信氏はガストの歴史を振り返りながら、「走り続けてこられたのはひとえに皆さんのおかげ」と語り、長野県で初めてのゲーム会社として設立した当時を振り返りながら「当時はメンバーも10人ほどで非常に苦労しました」と感慨深げだった。そして今後について、「これからもオリジナルあふれるコンテンツを作り続けていきたい」と決意を新たにした。

コーエーテクモホールディングスの代表取締役社長であり、ガストの代表取締役社長でもある襟川陽一氏

総合プロデューサーを務めるガストの井上忠信氏（常務取締役・プロデューサー）

　発表会はプレイステーション 3/PlayStation Vita用新約錬金術RPG「新・ロロナのアトリエはじまりの物語～アーランドの錬金術士～」とプレイステーション 3「アルノサージュ～生まれいずる星へ祈る歌～」のプレゼンテーションに分かれていたが、最も大きな話題となったのが、「アトリエ」シリーズ初となる「エスカ＆ロジーのアトリエ黄昏の空の錬金術師」のテレビアニメ化だろう。制作は「咲-Saki- 全国編」や「きんいろモザイク」を手がけたスタジオ五組。

　放送時期などについては明らかにされていないが、2014年に放送される予定。アトリエシリーズの岡村佳人ディレクターは「アニメ化は何度か話が上がったことはあるが、なかなか実現しなかったので非常にうれしい。『エスカ＆ロジーのアトリエ』は、主人公が2人いるので、そこがどのようにアニメ化されるのか楽しみ」と期待感を寄せた。詳細については今後発表されるという。

【「エスカ＆ロジーのアトリエ黄昏の空の錬金術師」TVアニメ化】

岡村佳人ディレクター

「アトリエ」シリーズのイラストレータを務める岸田メルさん

　「新・ロロナのアトリエはじまりの物語～アーランドの錬金術士～」のプレゼンテーションは、岡村佳人ディレクターと「アトリエ」シリーズのイラストレータを務める岸田メルさんによって行なわれた。

　プラスシリーズは従来作に様々な追加要素をつけてリリースしていくシリーズだが、今回はタイトルに「プラス」ではなく「新」とついている。この点について岡村ディレクターは「今回はキャラクターの3Dモデルを一新し、岸田氏のイラストに近づけるようにした。完全リメイク作と言うことで、『新』とつけた」とコメント。2009年に発売されたプレイステーション 3版はかわいらしい感じだったが、改善されて、岸田メルさんのグラフィックスに近づけられている。もちろん、岸田氏も監修している。

　さらにはゲームとしてより楽しめるよう、戦闘システムも一新。グラフィックスの向上だけでなく、ゲームシステム的にも集大成となっている。戦闘演出も見直され、岸田氏は今回のために新規ストーリーにおいて新規イラストを追加で描いたのだという。岡田ディレクターは「最近では1番描いていただいている」と、岸田氏とともにこの作品にかける意気込みを語った。

　様々な要素が加えられているが、すでにPS3版をプレイしている人にとっても新しいのは、仲間にならなかったサブキャラクターが仲間になって戦闘に加わるといった点ではないだろうか。コスチュームについては主人公クラス以外も変更することができ、幅が広がっている。中にはちょっと過激な衣装も用意されているということで、岡田氏は「ユーザーの皆さんの期待に応えるために用意しました」と経緯を語った。

　こういったやりこみ要素は多岐にわたっており、盛りだくさんな内容に仕上がったという。前作とは比べられないほどボリュームアップしているので、「遊んだ人も遊んでない人も手にとって楽しんでほしい」と岡田氏はアピール。また、「これで終わりでなく、ユーザーの声を重視したアトリエシリーズを作っていきたい」とファンに向け語りかけた。

　岸田氏も「もととなったPS3版の『ロロナ』は自分が初めてTVゲームに関わった作品。苦労したけど想い入れあるタイトルです。今回はその集大成でもあり、光栄です。想いのこもったいい作品になっていると思うのでぜひ遊んでいただきたい」と語り締めくくった。

「新」しているのは完全リメイクであるため。グラフィックスのモデルの一新から始まり、戦闘シーンの見直しも行なわれている。やりこみ要素も豊富で、新シナリオも収録。プレイしたことのない人はもちろん、プレイした人も気持ち新たに楽しめるだろう

【スクリーンショット】

土屋暁ディレクター

イオン役の加隈亜衣さん

　「アルノサージュ～生まれいずる星へ祈る歌～」のプレゼンテーションは、土屋暁ディレクターとイオン役の加隈亜衣さんによるトークで行なわれた。「サージュ・コンチェルト」は、7次元先に本当に世界があり、そこにアプローチしていく物語。いろんなハードにおいてシリーズを続けていく中での2作目となる。

　ここで初公開となる特別映像が公開された。土屋氏はこの映像について、テーマである「絆」や「心の内面」を盛り込んだイメージムービーとして仕上げたという。コーラスが印象的な曲は、オープニングテーマをそのまま使用。

　今作でも登場するイオンは、「シェルノサージュ～失われた星へ捧ぐ詩～」同様、加隈亜衣さんが演じている。加隈さんは今回のイオンの印象について「『シェルノサージュ』の印象とガラリと変わっている。イオンらしいなという部分があるのと同時に、大人っぽく一新されている」とコメント。それに対して土屋氏は「イオンもいろいろ経験しましたからね。同じイオンなのか？」と気になる応対をし、加隈さんも驚いていた。まだまだ様々な謎が隠されているようだ。とはいえ前作同様、魅力的なキャラクターが登場し、それらキャラクター同士の絡みからドラマが繰り広げられ、笑いあり感動ありのRPGとして安心して楽しめそうだ。

　加隈さんは、「イオン役は声優デビューして初めての役。いろんなことが初めてで、イオンと1年以上おつきあいして、声優人生をイオンと一緒に歩んでいる。新しいイオンを演じられるのは幸せ。成長したところを見せられればとおもいます」と「アルノサージュ～生まれいずる星へ祈る歌～」に向けてコメント。

　土屋ディレクターは、ほかのRPGにはない溜めて打つなど違う爽快感がウリ。歌が15曲はいっており、世界を大きく表現してくれている。また、『AGENT PACK』という限定版にはオルゴールが付属しています。音がメインのゲームなので、こちらの世界でもオルゴールを鳴らしてもらって共有してほしい」と限定版についてもアピールした。

　加隈さんは、「大好きなイオンとして出してもらえるということで、プレーヤーとしても楽しみだし、作品としてお届けできることをうれしく思っている」とユーザーに向けて語った。

　そして最後は、今後のガスト作品について、土屋氏は「ガストは新しい風を巻き起こすべくがんばっている。ガストならでは味のある作品を作り、新しいサプライズを与え続けることが使命。楽しみ与えていきたい」とコメント。

　岡村氏も、「少人数の会社で30名程度でゲーム業界作り続けて20年。独自タイトルを毎年提供できたことが支持され続けられた要因で、それがユーザーに伝わっているのだと思う。今後も支持を得るものを作り続け、ユーザーにさらに楽しんでいただけるもの提供したい」と語り締めくくった。