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「MHF-G」、「G3」アップデートインタビュー

PC版サーバーがついに統合! その裏にあった杉浦氏の思いとは……

COGの新作との連携も?「CAPLINK」で友達と気軽にコミュニケーション

パッケージ武具は性能が見直され、G級での新たな強化派生が加わる

――コミュニケーションアプリが追加されるそうですが、これは何でしょう?

杉浦氏: COG(カプコンオンラインゲームズ)にも「MHF-G」以外のタイトルが増えてきたので、全てのタイトルにまたがるコミュニティ機能を入れようと開発していました。「CAPLINK」というもので、このアプリを使ってフレンドになっていれば、一方が「MHF-G」を遊んでいて、もう一方が「鬼武者 Soul」を遊んでいたとしても、「○時から『MHF-G』やらない?」といったメッセージを送れます。今後のCOGタイトルには全て入ります。

――アプリと言えば8月の新作発表の中で、スマートフォンのタイトルが色々と発表されていました。「MHF-G」の派生的なタイトルもありましたが、あの辺りと連携する予定はありますか?

杉浦氏: いい読みですね(笑)。相互送客はします。あるアプリを一定のところまで遊ぶと「MHF-G」のアイテムをもらえるとか、その逆とかですね。期間限定のキャンペーンとしてやる予定です。そのためにも「CAPLINK」をうまく使いたいと思っています。

――パッケージについてですが、最近は武具の魅力がないという声もあります。今回のパッケージはいかがでしょうか?

杉浦氏: これまで防具の強化は「GSシリーズ(G級守護防具)」まででしたが、今回新たにその1段上となる「GPシリーズ」を追加します。GRが開放されるにつれ、上位ではパッケージ防具が辛くなっていましたので、それに対応できるものを用意しました。また今回のパッケージから、特別交換券で交換できるアイテムに「剛力珠」を追加しました。上のランクで役に立つアイテムがあっても、すぐに使えないランクの方もいらっしゃるので、低いランクでも有用に使えるものとして「剛力珠」を加えています。パッケージ1つで最大3つまで入手できます。

――GPシリーズの防御力はどのくらいになりますか?

杉浦氏: 剣士タイプで1,465ですので、G級のそこそこのところまでは行けると思います。最強クラスの武具はゲーム内のものになるので、たとえば時間のない社会人の方などはこれを使って序盤をクリアして、ゲーム内で最強クラスの武具入手に集中していただく、という利用イメージでしょうか。

――PS3版やWii U版も発売されますが、そこでの施策などがあれば教えてください。

杉浦氏: Xbox 360版でやっていたことは一通りやるつもりです。例えば最初はエクストラコースを無料開放する予定です。配信クエストについては、PC版やXbox 360版とは内容を変え、HR帯のクエストを多くして、データを見ながら順次SRやG級という形になると思います。ただコンソールのお客様はPC版に比べて成長速度が早いので、1カ月でG級クエストを配信、3カ月でPC版とほぼ同じクエストを配信してもいいかなという見通しです。

 また今回はファーストパーティーの協力が得られたので、そこと組んで面白いことをやりたいと思っています。プラットフォーム別の企画は、やりすぎるとPC版やXbox 360版のお客様から「俺たちも欲しい」という声が出てしまうので、新たなプラットフォームのユーザーの方々に、うちのゲームに振り向いてもらうための施策として程よくやりたいと考えています。

PC版サーバーがついに統合! その裏にあった杉浦氏の思いとは……

杉浦氏はサーバー統合はある種の念願でありつつも、長く悩み続けたという

――アップデートの話からは離れますが、先日PC版サーバーがついに統合されました。この意図と、このタイミングを選んだ理由を教えてください。

杉浦氏: 正直に申し上げますと、人が減ったからです。「G2」になる前から、どこかのタイミングでやることになるとは思っていて、いつやるべきか毎日悩んでいました。サーバー統合にはいいイメージがなく、どうしても人が減って立ち行かなくなったように見られますから。「G2」の数字を見ると、お客様の数は下げ止まってはいましたが、遊ぶには辛いというのは自分で遊んでみて感じていました。またサーバーのスペックも上がっていて、3つ合わせても問題ないということは確認できていました。

 あとはどのタイミングでやるかということでしたが、最初は「G3」の直前にやるつもりでした。「G3」を1つのサーバーで迎えるというのが美しいかなと。ただ競合タイトルも出てきますし、そこまで持つのかという懸念もありました。それと最も恐れているのは統合作業のトラブルで、「G3」の直前にやってトラブルが起こると「G3」に悪影響を及ぼしてしまいます。それならもっと前に統合して、もし不具合が起きてもきちんと直せて、満を持して「G3」を迎える形がいいなと判断しました。

――私は「MHF」をスタート時から見てきましたが、最初は1サーバーで動かしていたのを3つに分けましたよね。1つになるのは、ある種の念願でもあります。

杉浦氏: 当時、サーバー1でキャラクターが作れなくなったんです。友達が1にいるのに、遊べないので2や3に作ったという方が多くいらっしゃったので、ある意味念願ではあります。ただそれを前面に出すと、人が減っていることに対しての深刻さが足りないのではないかと誤解されるので、表立っては言いませんでした。

 サーバー統合作業はXbox 360版で1度やっているので、極端にハードルが高いと感じてはいません。Xbox 360ではサービス開始から間もない時期に統合しました。コンソールゲーム機ですから、3カ月くらい遊んで、次のゲームを買って遊ぶという考えの方も多いと思っていましたので、早い段階でサーバーを1つにすることが人を多く残すことになると考えていました。それと同様に、PC版も人が減り続ける悪循環に陥る前に手を打ったということです。

 サービス開始から7年目に入った今、Xbox 360版とPC版でじわじわ人が減っていくのは否定できないことだと思っています。仮に「G1」の失敗がなく、ここまで酷い結果ではなかったとしても、減ってはいたと思います。ではどうやってお客様を増やすかとなれば、プラットフォームを増やすしかないという判断でした。PS3版やWii U版のサービスが始まることで、PC版やXbox 360版で辞めた方よりも多い数の方がプレイしていただけるはずなので、それでやっていくということでいいんじゃないかと思っています。

 ただ、その時にPC版のサーバーを3つに分けたままにしておくと、人が多くて活気のある新プラットフォームのサーバーと、人が全然増えなくて寂しいPC版のサーバーが複数あるという、よくない形になります。そこを考えても、PC版はサーバーを1つにしてしまった方が元気が出ると思います。

 この話をすると常に「Xbox 360版は見捨てるのか」と言われるのですが、決してそんなことはありません。正直なところ、そこの数はハードの出荷台数に依存するので、それを思えばかなり善戦しているとは思います。ただ1つ言えることは、マイクロソフトさんが悪いわけではなく、むしろ我々にとても配慮してくれています。

――ちなみにサーバー統合後、定期メンテナンスの時間が変わるという話でしたが。

杉浦氏: 統合後は2時間延びて6時間になります。データベースが3つに分かれて並行してできていたものを1つにくっつけますので、本来は保存時間が3倍になります。そこを色々うまくやって時短して、何とかこうしたというところです。平日昼にプレイされる方には申し訳ありませんが、そこはご理解いただければと思います。

――サーバー統合に関しては、PC版とXbox 360版などが統合される可能性はありますか?

杉浦氏: 結論から言うと、ありません。バックエンドの作り方が全然違うので、やろうと思っても相当厳しいと思います。3つのコンシューマー版プラットフォームで共通のサーバーにできれば面白いとは思いますが、ゲームのバックエンドを1から考え直して、全てのプラットフォームをくっつけるというのは、あまりにリスクと時間がかかり過ぎるので、現実的ではないという感触です。

(石田賀津男)