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植松伸夫氏による電子絵本「Blik-O 1946」トークイベント

植松氏が紡ぐブリキのロボットの物語と楽曲。イラストはドッグイヤーの小川洋輝氏

9月19日~22日 開催(一般開催日:21日~22日)

会場:幕張メッセ1ホール~9ホール

入場料:
1,000円(中学生以上・前売)
1,200円(中学生以上・当日)
入場無料(小学生以下)

「Blik-O 1946」ストーリー・楽曲を担当した植松伸夫氏
イラストを描いた小川洋輝氏
プロデューサーの北條元彦氏

 acttilは9月19日、「ファイナルファンタジー」シリーズの作曲で知られる植松伸夫氏が手がけた電子書籍「Blik-O 1946」のトークイベントをアパホテル&リゾート東京ベイ幕張にて開催した。

 「Blik-O 1946」は、人間の心を持ったブリキのロボット「Blik-O(ブリコ)」を描いた電子書籍型の絵本。物語をイメージした楽曲が3曲(「Blik-O 1946」、「あぁ、それなのになぜ?」、「近すぎて近すぎて」)あり、絵本と楽曲を合わせて1つの作品となっている。ストーリーと楽曲は植松氏、イラストは植松氏のレーベル、ドッグイヤー・レコーズの小川洋輝氏が務めている。

 本作日本語版は現在配信中で、書籍部分のみで音源未収録のKindle版は700円。書籍+音源収録のApple Store版は不具合のため配信中止中(近日配信再開予定)。なおApple Storeでは音源が個別で販売されている。価格は各曲200円、3曲一括450円。

 作曲のイメージが強い植松氏ではあるが、そもそもストーリーを書く気はさらさらなかったのだという。ただ、世界を周るツアーやホテルでの空き時間があったため、「なにか書いてみるか」と思ったのがきっかけになっている。

 ストーリーができあがると、次に必要なのはイラストというわけで、イラストも描ける小川氏に声をかけた。時期としては3年前で、当時は販売するつもりもなかったが、その後ヒットメーカーの北條元彦氏と焼き肉を食べる機会があり、「電子書籍のアイデアはないか」と聞かれて「Blik-O 1946」を思い出した。それから北條氏がプロデューサーとなって話が進み、植松氏が楽曲を新たに付け加えて完成に至ることとなる。

 ゲーム音楽を主に手がける植松氏は普段だと「ディレクターやプロデューサーから注文を受けて作曲するが、自分の世界観なので音楽はつけやすかった」という。またストーリーについては、「人間は、感情がある以上はいがみ合うし傷つけあうが、その上で相手を思いやる気持ちがあれば美しい世界ができる」という思いを込めているという。

 なおイラストを手がけた小川氏は「自分はプロではない」と謙遜しながらも、「植松さんの作り出す世界を描くという認識があり、なるべく植松フィルターを通したものにするよう努力した」と話した。北条氏は、本作について「植松さんは、素晴らしい曲を書くし、お話も面白い。夢もあり、心と心の繋がりを大事にしている。その優しさを伝えられたら」と語った。

会場で流れていたスライドショー
イベントでは、英語版の販売を手がけるacttil主催ということで海外メディアが多く集まっていた。その場では植松氏による即席のサイン会が行なわれた

(安田俊亮)