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カプコンがiOS向けの隠し玉「ブレイドファンタジア」を発表

王道ではなくちょっと個性的。カプコンらしい本格的スマートフォンRPG

9月19日~22日 開催(一般開催日:21日~22日)

会場:幕張メッセ1ホール~9ホール

入場料:
1,000円(中学生以上・前売)
1,200円(中学生以上・当日)
入場無料(小学生以下)

江城元秀プロデューサー(左)と池原実ディレクター(右)

 TGS2013のビジネスデイ初日となる9月19日、カプコンブースのステージイベントにて、新作iOSアプリ「ブレイドファンタジア」が発表された。

 ステージに登壇したのは、「DmC Devil May Cry」や「逆転裁判5」などを手掛けたプロデューサーの江城元秀氏と、「ブレスオブファイア」シリーズでシナリオなどを担当したディレクターの池原実氏。ブース内での試遊スペースはなくステージ発表のみとなったが、配信は9月26日という直前での新作発表となった。

ちょっと個性的なシナリオのスマートフォン特化型RPG

発表から1週間で配信という驚きのスケジュール。アプリは基本無料となる

 「ブレイドファンタジア」は、その名前から想像されるとおり、剣と魔法のファンタジー世界を舞台にしたRPG作品。物語は、勇者が何かを倒しに行くといったベタなものではなく、領主が失踪してその息子が旅に出るという、“王道ではなくちょっと個性的”なものになっている。

 ゲームはクエストを受けて進めて行くスタイル。進めるごとに行ける場所が増えていくそうで、割と自由度の高そうな印象だ。クエストにはメインとなるストーリーを進めるもののほかに、サブシナリオ的なもの、合成をテーマにしたものなどがある。

 プレーヤーキャラクターには、武器や防具のほかに、「守護神」を装備のようにセットできる。守護神には個別のポイントが設定されており、その値に応じて「スキル」を装備できる。守護神とスキルはカードゲームのようなイメージで合成して強化が可能で、成長要素の1つになっている。また装備品を変えると、能力だけでなく3DCGで描かれたプレーヤーキャラクターの見た目も変化する。

 UIはスマートフォンに特化し、シンプルなタッチ操作で遊べる。バトルでは十字に配置されたスキルのパネルをフリック操作で選んでコマンド入力する。複数のスキルを連続して入力するとコンボが発生し、大ダメージを与えられる。またスキルを使うことで「リミットゲージ」が貯まり、MAXになるとアクションポイント(スキル使用時に消費される値)がある限りスキルを出し続けられる必殺技「リミットブレイク」を発動できる。

 さらにバトル時には、モンスターに攻撃できる部位が複数存在する場合がある。例えば杖を持っているモンスターに対し、杖を攻撃してやると、その杖を破壊できる。すると敵は強力な攻撃が使えなくなり、バトルを有利に進められるようになる。

 敵の倒し方にもポイントがある。これは「ドロップロック」という要素で、敵を倒した際に「コンボで倒した」、「ノーダメージで倒した」などの条件を満たすことで、ドロップするアイテムのロックが外れる。普通に倒すと普通のアイテム、コンボで倒すと違うアイテムが出るといった形だ。この「ドロップロック」の条件によって、1種類のモンスターに複数種類のドロップアイテムが設定されている。

 本作について江城氏は、「入り口は広くてもしっかり遊べる、カプコンらしいゲームを作りたかった。今までのスマートフォンゲームが物足りないと思っている人に、じっくり遊んでもらえるはず」とコメント。また池原氏は「『ブレスオブファイア』の開発後、初めてRPGらしい作品をやらせていただいた。手ごたえのあるRPGっぽいものができたと思う」と語った。

初披露で配信間近、しかも本格的なゲームとあって、短時間の発表はかなり詰め込まれた内容だった

江城プロデューサーにインタビュー

 発表ではざっとゲームの流れが紹介されたが、もう少し詳しい話やコンセプトを伺うべく、短時間ながら江城氏にインタビューさせていただいた。

――本作のこだわりのポイントはどこでしょうか?

江城氏: いわゆるカードバトルのゲームではなく、よりゲームっぽいゲームを目指しました。コンシューマーゲームっぽいけれども、操作やわかりやすさはスマートフォンに合わせたスタイルのゲームにこだわりました。

――手触りはモバイルだけれど、中身は本格的だぞ、ということですね。

江城氏: 映像周りは3Dを使って、バトルエフェクトも本格的に作りこんでいます。中身もカプコンらしい、奥深い戦略性やストーリーがあります。ストーリーは「ブレスオブファイア」でシナリオを書いていた池原が担当していて、王道の勇者の冒険物語ではない、個性的なものにしています。

――ゲームは基本無料だそうですが、シナリオは有料で販売するのでしょうか?

江城氏: シナリオを進めるためにお金をいただくことは考えていません。有料アイテムはありますが、ストーリーラインは無料で遊べる形にしています。

――クエストを進めることでストーリーも進んでいくわけですか?

江城氏: そうです。今回ステージで紹介したクエストは、ストーリーを進めることでユーザーが任意に選べるクエストなのですが、メインとなるストーリーラインのクエストは自動的にどんどん受注する形になっています。ストーリーだけを楽しみたい方は、極端に言えばクエストを受注する必要はありません。ここはプレーヤーに幅広い選択肢を用意したいと思っています。

――ただRPGなので、クエストを進めて装備を作ったりレベルを上げたりした方が楽に進める、ということですね。

江城氏: そうですね。そこで今回は守護神がキーワードになります。より強い守護神を見つけたり、ある強力なボスを倒すことで、人型の上位守護神をもらえることもあります。プレーヤーのステータスは守護神に大きな影響を受けるので、どんどんいい守護神を見つけようというシステムになっています。

――守護神はゲームを進める中で、アイテム的なイメージで入手できるのですか?

江城氏: はい。クエストのクリア報酬や、期間限定イベントの特典アイテムとしてプレゼントされるものもあります。

――ソーシャル的な要素は入っていますか?

江城氏: サービス開始時には入れられないのですが、今後のアップデートによりユーザー間でチャットができるなどのSNS的要素を導入予定です。ゲーム自体は1人で進める形なので、攻略情報をプレーヤー間の交流としてやり取りしていただけるようなものを考えています。

――ランキング要素のようなものは?

江城氏: レイドボスイベントのようなものを計画していて、全体ランキングやフレンド間ランキングなどを用意する予定です。

――Android版の配信予定はありますか?

江城氏: 現状ではiOSのみです。Android版は今後検討していきたいと思います。

――江城さんはスマートフォンのゲーム開発は初めてと伺いましたが、開発の手ごたえはいかがですか?

江城氏: スマートフォンの画面で表現するのは、コンシューマーゲームと全く違う考え方を持たなければならないと感じました。試行錯誤して、テストも重ねつつ、他社さんのタイトルもプレイして、スマートフォンならばこういうUIが1番いいだろうというところからデザインを起こしました。入り口はわかりやすくしつつ、中身はカプコンが作る以上しっかりと作りこむ、ということはブレずにやってきました。結構な時間をかけて開発してきたので、「カプコンもいよいよ本格的なアプリを作ってきたな」と感じていただければ嬉しいです。

――最後に読者様に向けてのメッセージをお願いします。

江城氏: スマートフォンというハードウェアで、よりカプコンらしい楽しめるゲームを作ろうと、池原と一緒にやってきました。もう来週(9月26日)には配信されますので、ぜひダウンロードして試してみてください。

ステージではデモプレイも行なわれた。スキルコンボやリミットブレイクなど強力な攻撃が見ていて爽快だ

【【プロモーションムービー】】

(石田賀津男)