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セガとBBCの「Orbi」内覧会を開催
映像のパワーを体感できる「大自然超体感ミュージアム」
(2013/8/7 18:41)
セガと英BBC Worldwide Limitedは、エンタテインメント施設「Orbi」(オービィ)を8月19日に横浜市の「MARK IS みなとみらい」6Fにオープンする。同施設は横浜高速鉄道みなとみらい線みなとみらい駅から直結しており、アクセス面では便利。8月7日、メディアなどを招き、内覧会が行なわれた。
施設内容に関しては、5月に行なわれた記者発表会記事をご覧いただきたいが、BBC EARTH(BBCで過去50年にわたって制作された自然番組のブランド)の映像を、セガとのコラボレーションにより、大画面や迫力ある音響だけでなく、振動や3D立体視、衝撃波や風などの演出、においの再現など、様々な技術とともに楽しむことができる。
なお、同施設のチケットに関しては、公式サイトの予約と施設カウンターでの当日券販売が予定されているが、最終決定はまだとのこと。気になる方は、公式サイトをチェックしておくといいだろう。
「エキシビションゾーン」
入場料を支払うと、まずアームバンドを渡される。これを入口ゲートなどでかざすことで入場が可能となるだけでなく、いくつかのアトラクションでこのアームバンドを使うこととなる、この施設内でパスポート的役割を果たすものだ。
さて、「エキシビションゾーン」では、「発見」をテーマに12種類のエンタテインメントエキシビションが体験できる。
入口からまず目の前に広がるのが「アニマルペディア」。巨大スクリーンに等身大で表示されるCG映像による動物達のシルエットが浮かんでおり、スクリーン前にある白い円形のスポットに立つことで、来場者の動きを検知し、動物達がそれにあわせてリアクションを取るだけでなく、その動物のトリビアが表示されるようになっている。映像にはサバンナと海の2種類が用意されている。
「アニマルペディア」の真後ろにあるスロープを登ると、「EXHIBITION A 40,000」が楽しめる。半円筒型のスクリーン2枚が並んでおり、1回20人程度×2面で楽しめる空撮映像を活用した、さわやかな風を浴びながらの地球上空の飛行体験。地球一周を楽しめるところから「40,000」(km)と付けられている。こちらも入れ替え制。
入口から左に位置するのが「EXHIBITION B 1,300,000」。周囲を覆うヌーの大群(130万頭)の中に立つというシチュエーションで、4面に設置されたスクリーンの中央に、枠で区切られたエリアがあり、そこでは映像と振動装置、立体音響装置を使った映像体験が可能。ひたすらヌーの大群のまっただなかにいるわけではなく、空撮映像も取り入れられており、その群れの大きさもわかるだろう。入れ替え制。
ここから左回りにエキシビションを紹介する。「EXHIBITION B」の横をさらに奥に進んでいくと、「EXHIBITION C 60」がある。世界最大のトカゲ「コモドドラゴン」の生態を立体視映像と振動、音響ユニットや接触装置などで体験する。60本の歯で噛み付いて毒を注入することで水牛を狩るコモドドラゴンの様子をしっかりと映像で捉えている。入れ替え制。
「EXHIBITION C」の隣には、寒さを体験できるこの季節ならうれしい「EXHIBITION D -89.2」がある。このエキシビションの中は外部より室温が下げられており、最初のエリアで諸注意と健康チェックが行なわれ、今回の内覧では映像がまだ間に合っていなかったが、次のエリアで特殊構造の床で氷を踏みしめる感触が得られるという。
そして最後のフロア・ブリザードルームではサーモグラフィーの映像を見ながら、風速15mの強風を20秒間体感できる。この風がかなり強烈で、体を持っていかれそうになっただけでなく、さすがに涼しいというか寒い思いをした。また、外に出てみたら、一瞬でメガネが曇ってしまったのにはびっくりした。89.2という数字は、地球で最も寒い観測気温(南極で観測)から来ている。こちらも入れ替え制。
「EXHIBITION D」を出て左に折れると、そこにあるのが「EXHIBITION E 10,994」。幅12m、高さ2.4mの円形で構成されたスクリーンで、海中映像が楽しめる。深度0mから10,994mまで、何段階か潜りつつ、そこに息づく生物の映像が楽しめる。さらに、途中でミストによるもう1つのスクリーンが出現する。ここは自由に入退室できる。
その隣にあるのが「EXHIBITION F 75」。ウォークスルータイプの昆虫の世界を映像や演出装置で楽しめるエキシビション。今回の内覧では映像のみ体験できたが、昆虫嫌いの人にはちょっと厳しい映像が流れるので注意。75という数字は、昆虫が地球上に生息する全生物に占める割合=75%から来ている。
このほか、「エキシビション」エリアの中央部にある「ベースキャンプ」には、ブロックが積まれた壁面にプロジェクションマッピングによる映像が楽しめる。また、動物達の時間と人間の時間を映像で比べることができる「タイム・スライス」、カメレオンやイモムシ、ホッキョクグマなどをオブジェに投影し、触ると泣き声や色がかわる「モーフィング・ストーン」、BBC EARTHの映像と自分の姿を合成して写真が撮れる「フォト・スポット」などもある。
「THEATRE 23.4」
エリア全体の中央に位置する「Orbi」のメインとなる巨大シアター。40×8m(幅×高さ)のメインスクリーン、そして演出用の5.3×3m(幅×高さ)のリアスクリーン2枚に囲まれた340人収容の巨大シアターに、BBC EARTHがこのシアターのためだけに撮影した完全オリジナルストーリーによる映像がフルHD3画面分の大きさで表示される。
天井まで設置された立体サラウンドシステムによる重低音立体音響と、においや風、霧、フラッシュライトによる演出によって上映される「ICE WORLDS(氷の世界)」は、北極と南極をテーマに、その四季の移り変わりを描く。上映時間は16分、インフォメーション含め30分の滞在となる。この映像は年1~2回切り替わる予定。内覧ではにおいは実働状態ではなかったが、右に左にと大きく映し出される動物たちの姿、つららや氷の結晶が生成されていく様子など、とにかく興味を引かれる映像になっていた。23.4という数字は、太陽に対する地球の自転軸の傾きから来ている。
「AFTER SHOW & SERVICES」
「THEATRE 23.4」を抜けると、BBC EARTHのメイキング映像や写真パネルが閲覧できる「メイキング」コーナー、エキシビション体験中の様子やスタッフが館内を巡回して撮影した写真をリストバンドをかざすことで閲覧したり、コラージュしたりして出力も可能な「フォトダイアリー」、Orbiオリジナルグッズだけでなく、自然に由来したグッズなどを購入できる「ショップ」、そして「EXHIBITION A」を回り込むようにある階段を登ると館内を見渡せる位置に「カフェ」がある。
今回、「EXHIBITION G ∞」や各種演出など内覧会に間に合わなかったものもあったため、実際にサービスがスタートして体感できるものとは多少異なるものだったが、つぶさに、かつ多彩な仕掛けによって克明に記録された映像の数々を、家庭では味わえない設備や演出で体感できる施設であることは感じ取れた。入れ替え制のエキシビションが多く、チケットによる入場制限もかかると思うが、この迫力は体験してみてもらいたい。
(C)SEGA