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「ArcheAge」の世界を見る・作る・遊ぶ~「作る」編~

“カモ”状態の帰り道、泥棒、そして監獄へ

帰りこそ本番。“カモ”と化した筆者たちの運命はいかに

敵プレーヤーから見るとタダの“カモ”である。マップの隅を歩いて帰ることにした

 無事目的地にたどり着き、筆者たちは2人分の特産物の制作に成功したわけだが、この折り返しからが本番だ。こちらは荷物を背負っているので移動速度が大きく落ちており、これだけで敵勢力のプレーヤーから見れば格好の“カモ”である。もし倒されると特産物はその場に落ちてしまい、誰でも持ち去ることが可能だ。一時的に地面に荷物を置いて戦うこともできるが、その隙に奪われてしまう可能性もある。

 どうか敵プレーヤーに見つからないように……と祈っていたのだが、無情なもので敵プレーヤーに見つかってしまう。すぐに攻撃されると思ったのだが、その時は戦争が終了した直後だったため、運良くどのプレーヤーも攻撃できない状態となっていた。それでも向こうから見ると目の前に美味しいカモがいる状況、みすみす見逃してくれるはずもなく、執拗に後ろをついてきた。

 彼から逃げるために焦って道を外れたのがまずかったのだろう。一緒に向かったプレーヤーが「ゴールド平原」に出現するモンスターに倒されてその場に特産物を落としてしまった。ここら一帯のモンスターはLv30あたりと高レベルなのも手痛かった。その後、ついてきた敵プレーヤーにその特産物を持っていかれたことは言うまでもない。

 筆者はなんとか生き残り、仲間が復活するのを待ち合流。モンスターにも敵プレーヤーにも見つからないようにマップの端を移動して海岸まで戻った。

 あとはこの海を渡りきれば大量のゴールドが手に入る……そんな油断が操作にも出たのかもしれない。帰りもクラゲに襲われ、今度は振りきることができなかった。「この貿易もここで終わりか……」と覚悟した時、仲間が身を呈して筆者に回復魔法をかけてくれ、そのお陰でなんとか筆者は生きながらえた。しかし、彼は船から落ちてクラゲの注意を引きつけ、そのまま倒されてしまった。

 「彼の無念を晴らすためにもこの交易を成功させなければならない」。そんな強い思いを胸になんとか無事に東大陸に帰還したのだが、ここである事実に気づく。「金貨交易商」がいない……!

 オープンサービスの前段階にあたるファミリーテストの時点では「金貨交易商」がいたのだが、クローズドβテスト以降は「金貨交易商」が削除されてしまっていたのだ。公式サイトの説明によれば、これは貿易によって起こる、通貨獲得量過多によるインフレと、一部プレーヤーの利潤過多を防止するための措置だという。

 なお「デルフィナードの星」を交換してくれる「デルフィナードの星商人」はそのまま残っている。確かに「デルフィナードの星」も貴重なアイテムなので魅力的だが、このアイテムはトレード不可能なアイテムで、他のプレーヤーと取引することはできない。今はゴールドが必要だったので、為す術もなく作戦は失敗となった……。

 また「金貨交易商」については、今後はイベント時など期間限定で登場する予定があるという。夢は幻と消え去った今回の作戦ではあるが、その際は再び、「エクストリーム特産品制作」を目論んでみたい。

【スクリーンショット】
なんとかたどり着いたものの、「金貨交易商」はいなかった。またイベントで復活することを心待ちにしたい

遂に禁断の「盗み」に手を出してしまう

隠し畑の一例。マップを見てもらえればわかるが、道から外れた辺鄙な場所にある事が多い

 頼みの綱である貿易でゴールドを稼げなかったという失態に加え、原稿の締め切りが着々と近づいるというダブルパンチに見舞われてしまったが、「なんでもあり」がウリの「ArcheAge」では、最後の手段が残されている。その手段とは、ズバリ「作物泥棒」だ。

 本作ではプレーヤーはフィールド上に作物の苗や種を植えて育てることができる。プレーヤーの畑は広さが限られているので、より多くの作物を収穫したいというプレーヤーは盗まれるリスクを負いながらフィールドに作物を植えている。これはプレーヤー間では「隠し農場」などと呼ばれており、その名の通り見つかりにくい場所にあることが多い。今回はどうしても船を造らなければいけないので、直接素材を拝借することにした。上手くいけばかなり早く素材を集めることができる……!

 まずは「隠し農場」を見つけなければいけないのだが、これにはいくつかのコツがある。例えばエリアの境目や高い山の上、グライダーを使わないと辿りつけないエリアなど、少し捻った場所にあることが多い。これらを見つけるのは少し苦労がいるが、考えることはどのプレーヤーも一緒の様で、1つ見つけるとその付近に複数の「隠し農場」が見つけられる可能性が高い。

 というわけでファミリーテスト、クローズドβテストと「隠し農園」を探してきた筆者の経験と勘を生かし、いくつかの「隠し農場」を見つけることができた。しかし同じ事を考えるプレーヤーも多いようで、とある農園では持ち主の他に3人のプレーヤーが作物が育つのを待って横取りを狙っているということもあった。筆者も参加したのだが、取り合いになってそれほど収穫(泥棒)はできなかった。

 そんなひと悶着もあったが、同業他社や持ち主との収穫競争にもめげることなく事業に勤しみ、レベル上げも放棄してなんとか「ハープーン高速艇」の素材を集めきることに成功した。

悪の栄えた試しなし。そして監獄へ

「賄賂を渡すので見逃して欲しい」と言ってみたのがダメだったようだ。言ってみただけなのに……

 しかし悪事は働くものではない。各方面での泥棒行為が所有者の逆鱗に触れ、見事に「裁判」にかけられてしまった。

 「ArcheAge」では、泥棒行為が許されている一方で、「裁判」という制度も整っている。犯罪をするとその場にログが残り、被害にあったプレーヤーは「通報」という行動を選択できる。一定数通報されたプレーヤーは被告として法廷に呼ばれ、善良なプレーヤーの中から選ばれた5人の陪審員達によって裁かれ、犯罪記録や被告の弁論を元に投票によって量刑が決められる。ここでもし有罪が確定すると被告は牢獄に送られるが、無罪を勝ち取ることができれば、その場で解放される。

 大量の作物を盗んだことは事実なので、無罪を勝ち取るのは難しいとしても、なんとか減刑を狙いたい。そう思って「船を作るために仕方なく盗んだこと」、「計画的な犯行でなかったこと」を必死に陪審員に訴えたのだがあまり反応が良くなかった。

 こうなれば最後の手段と「賄賂を渡すので見逃して欲しい」と言ってみたのだが、余計に心証を悪くしてしまったようで、有罪で最長刑を受けてしまった。

 かくして筆者は念願の大海原に冒険に出るという目的を前に、狭く暗い牢獄に収監されることになってしまった……。「作る」編ながら船を作るところまで至らず、次回の「遊ぶ」編まで黄色信号である。これはピンチ……。

 しかしまだ希望はある! 色々と苦労を重ねてきたが、次回は監獄を華麗に脱出するところから始めたいと思う。監獄の外には、作成した船で海へ繰り出すという1番の醍醐味が待っている。「遊び」編では、外海ならではの冒険と遊びを紹介していく予定だ。

【スクリーンショット】
「ArcheAge」プレーヤーならお馴染みの牢獄。筆者はもはや常連でもある

【予告】
牢獄の塔から外を臨む。この宝箱は一体……?
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(八橋亜機)