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「スクエニChan! in E3」その1を配信。野村哲也氏が「FF XV」について語った!

6月11日 発表(現地時間)

会場:Los Angeles Memorial Sports Arena

野村哲也氏

 スクウェア・エニックスは、ロサンゼルスで開催されているE3の会場から配信されているインターネット番組「スクエニChan! in E3」において北瀬佳範プロデューサー、鳥山求ディレクター、野村哲也氏を招いての番組を配信した。メインパーソナリティは安元洋貴さん。

 番組では、「ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII」、「ファイナルファンタジーX/X-2 HD Remaster」、そして前日のSony Computer Entertainment Americaのカンファレンス「Sony PlayStation E3 Press Conference」において電撃的に発表された「FINAL FANTASY XV」、「KINGDOM HEARTS III」について各制作陣からトークが披露された。

「FINAL FANTASY XV」、「KINGDOM HEARTS III」について野村哲也氏が語る

「FINAL FANTASY XV」

 番組では後半に登場した野村哲也氏だったが、これまで「FINAL FANTASY Versus XIII」として開発が続けられていた作品がなぜ「FINAL FANTASY XV」に変更となりナンバリングタイトルになったのかなどについて語られた。

 「FINAL FANTASY XV」についてはまず安元さんが「RPGは敵とエンカウントして戦闘シーンに入りますが、これはシームレスで進行します。スゴイですね」と切り出すと野村氏は「『Versus』では元々それがやりたかった」と語った。同氏の中ではナンバリングタイトルはRPGのシステムをメインに据えたタイトルであるべきと言う思いがあったようで、「Versus」ではアクションベースのバトルであるため、当初はナンバリングとは別タイトルとして制作をスタートさせたという。

 しかし制作を続ける中で、会社側から別にいいのではないかといった意見も出され、結果的に今回の「FINAL FANTASY XV」へと改称されることとなったのだという。野村氏は「ナンバリングタイトルは注目度が変わってくる。期待の大きさを感じながら制作を続けています」とコメント。

 アクション要素の強いバトルシーンということで、通常のフィールドからそのままバトルシーンに移行し、バトル中もフリーランで戦闘が進行。たとえば、ベヒーモスのつのを掴んでモンスターに登ったりといったアクションも可能な場面もあるという。このほかにも部位破壊を狙ってのアクションも用意されているという。

 それではこれまでのシリーズ作品とは全く違うのかというと、野村氏は「見た目にはアクションがあるが、それ以前に『FINAL FANTASY』である。従来のアクション作品とは違うということは、意識して作っている」と説明している。

 ストーリーについては、「基本的にはクリスタルをとられたので取り返すというシンプルな内容」だというが、シリーズ作品で描かれてきたドラマ部分については「人間ドラマは深かったり、ふざけていたり……」ということで、きちんと様々なドラマが描かれているようだ。

 気になる今後の展開だが「次の情報がしばらく出ないといったことは無いようにしたい。大きなイベント毎に情報を出したいので、待っていて欲しい」と締めくくった。

 「FINAL FANTASY XV」は、プレイステーション 4/Xbox One用として発売されるが、発売日/価格は未定。ジャンルはロールプレイングゲームとなっている。

【ストーリー】

世界に現存する最後のクリスタルを有するルシス王国。軍事国家ニフルハイムとの長き冷戦に終止符を打つべく、和平調停を結ぶ運びとなった。

その歓喜の中、兵器の使用を禁ずるルシスの魔法障壁が破られ、ニフルハイム軍の攻撃が始まる。

平穏な日々を過ごしていたルシス王家後継者のノクトと、その仲間達は突如として戦乱に巻き込まれて行く。

【メインキャラクター】

  • ノクティス・ルシス・チェラム/鈴木達央
  • グラディオラス・アミシティア/三宅健太
  • イグニス・スキエンティア/宮野真守
  • プロンプト・アージェンタム/柿原徹也
  • コル・リオニス/東地宏樹

【「FINAL FANTASY XV」2013 E3 トレーラー】

【スクエニChan! in E3】

 「KINGDOM HEARTS」シリーズについては、まずは「KINGDOM HEARTS HD 1.5 ReMIX」について触れられ、制作について問われた野村氏は「思った以上に大変。オリジナルが古すぎてデータがなかったり。他人のプログラムなので、どこにどのデータがあるか手作業で調べてデータの差し替えを行なった」と苦労を振り返った。

 一方、「KINGDOM HEARTS III」については、久しぶりのナンバリングタイトルであることについて、「自分でも(間が開いたことは)意識していなくて、8年経っていると聞いてちょっと長すぎだなと。もっと早く出さなくてはいけなかった」と語り、ナンバリングの意味としては「据え置き機で発売されることと、ソラが主人公でドナルドとグーフォーがお供についてくる」ことだという。

 ゲームシステムについては、シリーズ2作目の正統進化で、2作目をベースにスピンオフタイトルで取り込まれたシステムをどうからませていくかを考えているところだという。「KINGDOM HEARTS III」を作ると考えた段階で「KINGDOM HEARTS HD 1.5 ReMIX」の制作も決めたので、まずはそちらをプレイして欲しいということだ。

 「KINGDOM HEARTS III」は、プレイステーション 4/Xbox One用として発売されるが、発売日/価格は未定。ジャンルはロールプレイングゲームとなっている。

【ストーリー】

これまでの“キングダムハーツ“をめぐる戦いが、キーブレード戦争を引き起こそうと目論むマスター・ゼアノートの意のままに進んでいたことを知ったソラ達は、闇に対抗する、7人の光の守護者を揃えようとしていた。

王様とリクは歴戦のキーブレード使いの居場所を探し始め、ソラ、ドナルド、グーフィーの3人は「心を戻す鍵」を探すために、再び様々なディズニーのワールドを駆け巡って行くのだった。

【「キングダム ハーツ III」2013 E3 トレーラー】

【スクエニChan! in E3】
「KINGDOM HEARTS III」
「KINGDOM HEARTS HD 1.5 ReMIX」の中から一場面

 また、PS4とXbox Oneについて聞かれた野村氏は「作り方がこれまでと全く違う。ベースはPCで作ってしまい各ハードに移植していくが、このポーティングと呼ばれる最適化の作業でわからない」と語った。

 番組内では、同氏がFPS好きで遊んでいることや、「FINAL FANTASY」の1作目が発売されたときは、おもちゃ屋さんでバイトをしていて、普通に店員として売っていたといった話題も取り上げられ、面白い内容となっていた。

北瀬佳範プロデューサー、鳥山求ディレクターによるトーク

北瀬佳範プロデューサーと鳥山求ディレクター

 北瀬佳範プロデューサー、鳥山求ディレクターによるトークでは、「ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII」と「ファイナルファンタジーX/X-2 HD Remaster」について語られた。

 「ファイナルファンタジーX/X-2 HD Remaster」については、北瀬氏は「思い出補正に負けないように頑張っている」とコメント。過去のタイトルが記憶の中で美化されていることに対して、今回プレイする時にガッカリしないためだという。

 また「ファイナルファンタジーX/X-2」の制作時を振り返り、「ファイナルファンタジーX」で召還獣が封印されてしまうため、「バトルの花形がいなくなるので、それに変わる派手な見せ場として『X-2』でドレスチェンジを導入した」と振り返った。このほかにも、「X-2」の立ち上げについて触れ「それまでにナンバリングタイトルの続編はなかったので、理解を得るためにスタッフ集めが苦労した」とも語った。一方鳥山氏は「ボイスもカメラも初めてで経験が無かったので手探りで作り上げた」とコメント。

 北瀬氏は「初めての人はもちろん、プレイしたことがある人も、別の視点で感動できるかもしれないので、ぜひプレイして欲しい」とアピールした。

(船津稔)