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コードマスターズ、「GRID 2」ファーストインプレッション
傑作「GRID」の正統進化。多彩なルールでドライビングスキルを競う!
(2013/6/3 16:02)
コードマスターズは、プレイステーション 3/Xbox 新作レースゲーム「RACE DRIVER GRID 2(以下、『GRID 2』)」を7月25日に発売する。今回、本作の1部分を抜粋したプレビュー版(ローカライズ前の英語バージョン)を実際にプレイすることができたので、ファーストインプレッションをお届けしよう。
「GRID 2」は、2009年に発売された前作「RACE DRIVER GRID(以下『GRID』)」の後継作。「GRID」ではリアルさとアクション性が両立したドライビングモデルをベースに、ストリートレースやドリフトバトルなど多彩な遊びが提供されていた。本作「GRID 2」ではその路線を受け継ぎつつ、さらに遊びの幅を広げる方向で正統進化を果たしている模様だ。
シム系の遺伝子を秘めたアクション性たっぷりのドライビングモデル
今回プレイした「GRID 2」のプレビュー版では、本作のメインゲームモードとなる「WORLD SERIES RACING」モードの序盤数レースを楽しむことができた。ボリュームとしては体験版レベルとなっているが、本作に収録されている多彩なレースモードの一部や、個性的なドライビングモデルの手触りを確認できた。
まず、レースゲームの核となるドライビングモデルについて。基本的には前作「GRID」のテイストを引き継いでおり、スポーツカーが持つ高いグリップ力と機敏な反応性をさらに強調。フルスロットルで飛ばしまくりつつ、反射神経頼みの急減速・急カーブでガンガンとコースを踏破していくような迫力たっぷりの走りを楽しめる。
その上でさらに掘り下げていくと、より良いタイムを目指していくならシム系レースゲーム並の丁寧なハンドリングや、アクセルワークも要求されてくる。4つのタイヤのそれぞれが、どのように地面を踏みつけ、どのようにグリップを生み出しているのか。丁寧に走るほどそれを細かく感じ取ることができ、それを生かした的確な荷重移動でさらにスピーディーな走りを生み出していけるからだ。
このあたりは「GRID」以降、コードマスターズが手がけた「DiRT」シリーズや「F1」シリーズに添って向上されてきたドライビングシムとしての開発ノウハウがよく生かされているようだ。例えばコアなレースゲームに親しんできた筆者の場合、本作では高難度設定でのほうがスムーズで速い走りができる。各種のアシスト機能がとれ、タイヤ状況がより明確に伝わるようになり、それをドライビングに活かすことができるからだ。
難易度設定はシンプルに5段階。「VERY EASY」と「EASY」では強いABS・TCSが効き、ブレーキングやステアリングにもアシストが施されるようで、大雑把な操作でもコースを走りきれる。「MEDIUM」ではブレーキングとハンドリングをしっかり制御する必要があるが、タイヤトラクションを細かく把握する必要はない。「HARD」、「VERY HARD」では車両挙動から伝わる情報をすべて生かして、スキルを生かしてアクティブにタイヤを使っていく必要がある。
総合すると、「MEDIUM」以下ではゲームパッド使ったプレイがオススメ。「HARD」以上ではステアリングコントローラーの使用がオススメだ。このように構成されたドライビングモデルは、初心者でも十分に走りの迫力を楽しめる一方、スキルフルなバーチャルドライバーも満足できそうなものになっている。さすがレースゲームの老舗による作品といったところだ。
新ルールも搭載。個性的なレースの数々でドライビングスキルを試そう
本作のメインコンテンツとなる「WORLD SERIES RACING」では、プレーヤーは新人の雇われドライバーとなる。世界のストリートやサーキットで展開していく各種のレースバトルに挑み、ファンの人数を増やしていくことで戦いの場を広げ、頂点を目指すという内容だ。
各レースは基本的に、ゲーム進行度に応じて受けられる「招待」に合わせて進行していく。その内容は、アメリカン・マッスルカーによるストリートレースに始まり、レース仕様車でのサーキットレース、峠でのドリフトバトルに至るまで多彩。登場ロケーションも北米・欧州、中東、そして日本とワールドワイドにまたがり、毎レースともに新鮮な気持ちでチャレンジできる。
今回のレースルールとして特に個性的なのは「LiveRoutes」と呼ばれるルールだ。これは市街地コースにおいて、レース中にルートが自動的に変化していくというもの。ジャンクションに近づくたび、どちらのルートが開いているかを瞬間的に把握して、適切なコースどりを行なう必要があり、常に集中していなければならない。1度勝利したコースでも次に走ればまた違った展開が楽しめ、攻略しがいがありそうで面白い。
日本の奥多摩を舞台とするコースでは、峠を下りながらのドリフトバトルが展開。ここは比較的短めのコースだが、ひとつひとつのカーブの角度、路幅をしっかり把握して最大限の長さ、角度のドリフトでポイントを稼ぐ必要があり奥が深い。シム系の遺伝子をもつ本作ゆえに多彩なドリフトテクニックを活かせるのが良いところだが、サイドブレーキだけを使ったシンプルな操作でも、コース構造をしっかりと把握できていれば勝利が可能だ。
各レースでの使用車種は、基本的にはコースごとに事前設定されたカタログから選択する仕組みだ。他のキャリア系レースゲームのような「お金」や「ショップ」の概念はない。また、車両のセッティング要素も存在しないため、本作ではほぼ純粋にドライビングテクニックの差によってのみ順位が決まっていくスキームだ。なお、今回は体験できなかったが、マルチプレイヤーモードでは、キャッシュを稼いでクルマを買ったり、性能もアップグレードできるとのことだ。
このように本作は、コードマスターズのレースゲームに親しんできたユーザーにとって、期待に沿った内容となっている。今作ではグラフィックスエンジンの強化も行なわれており、映像面の向上も見どころのひとつ。リプレイカメラもコードマスターズ作品らしく、動きが豊富で格好いい。筆者は特に、車体の各部を舐めるようにパンしていく表現が気に入った。細かく作りこまれた車両のディティールがよく見えるのが良い。
とはいえ、さすがに今世代のゲーム機では性能の限界に近づいているようで、本作では30fps動作が基本となっているところや、運転席視点が非実装となっている点が少々残念だ。現時点では未公表だが、次世代機への展開も視野に入れた上でのスペックということであれば納得である。ここまでを把握した上で、ファンの皆さんには製品の発売を楽しみに待っていてほしい。
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