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ベセスダ/Tango Gameworks、「PsychoBreak」プレビュー

【おまけ】Tango Gameworks社内ツアー。自由な雰囲気、活発な議論で進められる開発

【おまけ】Tango Gameworks社内ツアー。自由な雰囲気、活発な議論で進められる開発

Tango Gameworksのスタジオ。ここから奥で左に曲がり、さらに空間が広がっている
三上氏が書いたというボード。“中”の字に注目

 この後、スタジオを見ることができた。Tango Gameworksはお台場にスタジオを構えている。「PsychoBreak」はかなり大規模な人数で開発を行なっているが日本人スタッフが多く、海外のスタッフも比較的多く見受けられた。

 Tango Gameworksは朝10時半くらいから始まり、19時くらいでの終業となっていて、徹夜でという人はあまりいない。それでも仮眠室も用意されているが、ドアがついていないため不評で、改善を考えているとのこと。また、海が見える吹き抜けがあり、ここは段差を設けている。当初はここで会議などをやろうと考えていたが、スタッフが増えて手狭になってしまったとのことだ。

 会議室はフットサルのコートになっており、モーションキャプチャー用のスーツもあって、ここで動きを収録することもできる。マットなどもあって、この前も三上氏が「こうやって吹っ飛ばされるんだ!」と実演して見せ、首を痛めてしまったとのこと。壁そのものがホワイトボードになっており、ゲームの展開を壁一面に書いたりしているとのこと。

 スタジオはかなり広く、各部署に分かれて作業が進められている。グラフィッカーとプログラマーの席が近く、ゲーム部分でのやりとりは活発に行なわれている。その他の席も近く、スタジオ内で自由に行き来ができる。ゲーム部分だけでなく、システム系のプログラムも充実させており、ユーザーインターフェイスや、ロード時間の短縮なども常に研究を重ね改良を加えている。アニメーションスタッフはかなり充実させているとのこと。各部署でリーダーを中心に「どうやって行くか」ということを話し合うなど、活発な開発体制を見ることができた。

 レベルデザイナーや、展開などはホワイトボードでアイディアを出し合い決まったものを書いておく。三上氏自身も書いたものもあった。建物の“外”と“中”と書かれていたのだが、その中という漢字の代わりに「キン肉マン」の「ラーメンマン(中国出身の超人)」のイラストが描いてあったりと、ちょっとした遊び心も見れた。

 資料として膨大なホラー映画があったり、スプラッター描写のためか人間の筋肉を描いた絵があったり、人間の傷口部分を丹念にモデリングしていたりと、「サバイバルホラー」ならではというところを感じさせるところもあった。キャラクターデザインの所では、女性刑事のモデリングを見せてもらったが、刑事なのにかかとが非常に細いハイヒールを履いている。ここはデザイナーのこだわりだという。

 他にも音響も機器が充実しており、何度もシーンの音の様子を確認している人や、BGMとの調整を行っている人、専用の収録スタジオなども見ることができた。足音などの収録のため、とてもくたびれた革靴なども用意されていた。一見がらくたのようなものがまとめられていて、映画の制作現場さながらで面白かった。

 この他非公開だが、デザイナーが1室のインテリアを任せられセンスのおもむくままに作っている部屋があったりと、Tango Gameworksは規模の大きいスタジオながら、細部にデザイナーが様々なこだわりを活かしている場所だと感じた。有能なスタッフが、最新の機材で開発を進めている場所でありながら、びっくり箱のように何が出てくるか想像のつかない部分がある。三上氏が率いるスタッフ達が生み出す「PsychoBreak」はどのような作品になるか。スタジオを見てさらに期待が高まった。

アートディレクターの片貝直紀氏のデスク
打ち合わせに使う予定だった階段。正面には東京湾が広がっている
サウンドの機器
効果音用の小道具
ゲームをプレイする部屋と、その上の仮眠室
会議室であり、モーションキャプチャーもできるフットサルコート。キャプチャー用のスーツや、格闘技用のグローブやミットも置かれていた
入り口には「PsychoBreak」のキャラクターのイラストが飾られていた
三上氏がベセスダからもらったという「スカイリム」の巨大フィギュア

(勝田哲也)