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ASUS、1台2役のタブレットおよびオールインワンPCを発表

電話もできる7インチタブレット、デュアルOS搭載のWindows 8/Android PC

4月19日発表

会場:原宿クエストホール

 ASUSTeK Computerは4月19日、都内で「新世代デバイス発表会」を開催し、7インチタブレット「ASUS Fonepad ME371MG」および、WindowsデスクトップとAndroidタブレットを融合させたオールインワンPC「ASUS TransAiO P1801」の2モデルを発表した。発売日は「ASUS Fonepad ME371MG」が4月25日、「ASUS TransAiO P1801」が4月20日を予定。価格は共にオープンプライスで、実売価格が「ASUS Fonepad ME371MG」が29,800円、「ASUS TransAiO P1801」が159,800円。

【ASUSの新世代デバイス】
今回発表された2つのデバイスは、既存のラインナップの両端を拡充するものとなる
7インチタブレット「ASUS Fonepad ME371MG」
WindowsデスクトップとAndroidタブレットを融合させたオールインワンPC「ASUS TransAiO P1801」

「ASUS Fonepad ME371MG」は7インチタブレットとしては珍しく通話機能を備える。女性が持つとさすがに大きいか
「ASUS TransAiO P1801」は18.4インチのフルHD(1,920×1,080ドット)ということで、デスクトップPCとしても十分な性能を備えている

挨拶を行なったASUS JAPANマーケティング部長 シンシアテン氏
2製品の商品説明を行なったASUS JAPAN システムビジネス部テクニカルプロダクトエンジニア阿部直人氏
Atomプラットフォームの新製品「Lexington(レキシントン)」をASUSがいち早く搭載したということで応援に駆けつけたインテル執行役員技術本部本部長土岐英秋氏

 ASUSは昨年から、着脱式のタブレットPC「ASUS TransBook TX300CA」や、デュアルスクリーンを搭載したタブレットPC「ASUS TAICHI 21」など、デザインや機能面で他社と差別化を図る戦略を展開しているが、今回発表された製品も、これまでありそうでなかったユニークなデバイスだった。

 「ASUS Fonepad ME371MG」は、スマートフォンとタブレットの機能を融合させた7インチタブレットで、「Lexington(レキシントン)」と呼ばれるIntelのスマートフォン向けプロセッサー「Atom Z2420」を採用。最新の22nmプロセス世代ではなく、32nmプロセス世代のAtomプラットフォーム製品ながら、消費電力とパフォーマンス、価格のバランスに優れ、コストパフォーマンスを重視したタブレットとなっている。

 商品説明を担当したASUS JAPANのテクニカルプロダクトエンジニアの阿部直人氏は、「Fonepad」の企画経緯について、スマートフォンで通話機能があまり使われておらずタブレット的な使い方が多いことに注目し、スマートフォンとタブレットの2台持ちによる重量とコストの2重化を避けるためにそれらの半分のコストで実現できる「Fonepad」を手がけたことを説明。

 機能面では、7インチタブレットながら音声通話が可能なところが大きな特徴で、SIMフリーのmicroSIMスロットを搭載。ビデオ通話、直接通話、スピーカー通話の3種類の通話スタイルに対応する。ノイズキャンセリング機能を備え、従来のタブレットによる簡易通話機能と比較して、ノイズやエコーの少ないクリアな通話を実現したとしている。

 3G通話機能に関しては、ASUS側ではデータ通信プランは特に用意せず、日本や海外でその都度安いプランを選択して利用して欲しいとしている。なお、4月25日より、IIJ SIMを購入者に対してプレゼントするキャンペーンを実施する。

 デザイン面では、外装にはメタリック素材を用いて高級感を演出し、前面にはIPS方式の7インチ液晶パネルを搭載。背面には7インチとしてはまだ少ない背面カメラを搭載している。背面カメラはオートフォーカス機能、720pの動画撮影機能を持ち、専用アプリ「ASUS Story」を介して動画や静止画の管理共有が手軽に行なえる。

 7インチ液晶の表示解像度は1,280×800ドットで、ストレージは8GB、メインメモリは1GBとなっている。OSはAndroid 4.1 Jelly Bean。バッテリーは、Wi-Fi通信時で約11.5時間、モバイル通信時で約9.5時間を確保。重量は約340gとなっている。インターフェイスはmicroUSBや、microSDカードスロットなどを用意している。

【ASUS Fonepad ME371MG】
7インチタブレット汎用スリーブも発売される

「ASUS TransAiO P1801」はハードウェア的に2台のPCを、1つの製品としたユニークなプロダクトだ
Android 4.1とWindows 8の2つのOSを搭載
Andoroidタブレットとして使用中に、PCステーションにモニターを接続すると、Windows 8 PCとして使える。2台同時に使えるところが大きなメリットだ
1台として考えるとかなり高額だが、2台として考えるとかなり魅力的な価格設定だ

 もうひとつの新製品「ASUS TransAiO P1801」は、Androidタブレット、Windows 8タブレット、Windows 8 PCの3つの機能を融合させたオールインワンPCとなる。ちなみにTransAiOはトランスエーアイオーと読み、AiOはオールインワンを意味している。

 実売価格で159,800円と、ハイスペックのゲーミングノートPCが買えるほどの強気の価格設定になっているのはわけがある。

 見た目は、Windows 8搭載の18.4インチ液晶オールインワンPCだが、18.4インチのタッチパネル液晶部分がタブレットPCになっており、PCステーションの台座部分から取り外して使うことができる。台座装着時はWindows 8 PCとして使用でき、取り外すとシステムが切り替わり、Androidタブレットとなる。Androidタブレットとして使いながら、PCステーションをHDMIケーブルで別のモニターに接続することで、単体のWindows 8 PCとして使うことも可能。さらにリモートデスクトップ機能を使えば、取り外した状態でWindows 8タブレットとしても使えるなど、1台を2役にも3役にも使うことができる。

 2台として使えることからも想像できるように、ハードウェアもしっかり2台分入っている。まずタブレット部分は、OSはAndroid 4.1 Jelly Bean、CPUはNVIDIA Tegra 3、メインメモリ2GB、ストレージは32GB。18.4インチIPS液晶の表示解像度は1,920×1,080ドット。そのほかインターフェイスや無線機能など、タブレットとして必要な機能はひととおり揃えている。バッテリー駆動時間は約5時間。本体サイズは466×294×18(幅×高さ×厚さ)mmで、重量は2.4kg。Windows 8タブレットとしても大柄だが、Androidタブレットとしては超弩級のサイズだ。

 一方、PCステーション部分は、OSはWindows 8 64bit、CPUはインテル Core i7-3770、GPUはNVIDIA GeForce GT 730M、メインメモリ8GBなどとなっており、ハイスペックゲーミングPCとしてのパフォーマンスを備えている。何よりこれ1台でWindows 8 PCとAndroidタブレットでのゲーミング環境が整うのは嬉しいところ。両デバイスの買い換えを考えている向きには特にオススメできる1台と言えそうだ。

【ASUS TransAiO P1801】
7インチタブレット汎用スリーブも発売される

(中村聖司)