ニュース

消費者庁、ソーシャルゲーム利用のガイドラインを発表

依然として6割が月に1万円以上を利用、相談内容は「高額利用・返金」がトップ

4月3日発表

 消費者庁は4月3日、消費者トラブルが多発するソーシャルゲームを含む、インターネットを活用した3つの取引分野において、消費者が安全に利用するために実行すべきポイントを公表した。また、これに合わせて2012年12月までの統計データも公表し、ソーシャルゲームに関する消費者トラブルが、2012年前半のピーク時より減少傾向であるものの、依然としてトラブルの多い分野であることについて注意を促している。

 消費者庁が今回発表した「ソーシャルゲーム」をより安全に利用するために消費者が実行すべき5つのポイントは以下の通り。

〇生年月日等の利用者情報を正しく登録すること。
〇パスワード等の登録情報を厳重に管理し、むやみに他人に教えないこと。
〇無料と有料の境目を十分見極め、有料サービスの利用時には、課金状況を随時確認する
こと。
〇保護者として、課金状況を自分の目で定期的に確認すること。
〇少しでも不審なことがあれば、遠慮せずに各地の消費生活センターに御相談を。

 生年月日については、正しい生年月日を入力しないと、未成年者に対する課金上限のリミットが有効に機能しなくなるため、仕組みが有効に機能するように生年月日を含む利用者情報を正しく登録すべきとしている。

 パスワードの管理については言わずもがなだが、消費者庁では特に、友人に公開する目的や、自分に変わってゲームを進展させるために他人に依頼する目的などでパスワードを教えるケースも見られるが、相手が身近な人であってもすべきではないとしている。

 無料、有料の境目の見極めについては、「フリーミアム」という専門用語を使い、フリーミアムモデルを採用したソーシャルゲームを利用する際には、有料サービスの中身と金額を“冷静”に確認し、その後も課金情報を随時確認すべき、さらにどんなにゲームに熱中していても「課金された感覚」を忘れないことが重要と、珍しくやや踏み込んだ表現で、消費者に対してプレイに熱くなりすぎないように注意を促している。

 4点目は、主に保護者に対してのメッセージで、保護者のクレジットカード等を無断で使った高額課金トラブルを防ぐために、子供の課金サービスの利用を適切に管理するだけでなく、クレジットカードの利用状況を定期的に確認すべきとしている。

 最後に、少しでも不審なことがあれば、遠慮せずに各地の消費生活センターに相談して欲しいと結んでいる。消費者ホットラインは以下の通り。

【消費者ホットライン】0570-064-370

 次に統計データについては、契約者の年第、利用金額、月ごとの利用金額の推移、相談内容、月ごとの「高額利用・返金など」の詳細区分の推移の5点。

 契約者の年代については、国勢調査や消費者相談データベースの年代と比較して、ソーシャルゲームがの利用者が、10代から30代までで75%以上を占めるという、若年層が突出して多い実情を浮き彫りにしている。

【契約者の年代】

 次に利用金額については、「10万円以上100万円以下」が全体の36.2%で最多という依然として超高ARPU(客単価)が続いている。しかし、時系列の傾向では、2012年前半のピーク時と比較してやや減少傾向にあると報告しており、全体としては低下傾向にあるとしている。

【利用金額】

 月ごとの利用金額を見ると、1万円以上利用しているユーザーがピーク時の80%から、60%まで軽減しているが、その一方で、1,000円未満のユーザーはなんと0%、つまり有料サービス利用者の100%が1,000円以上使っているという結果になっている。もっともこのデータはサンプル数が15と少なく、結果が若干偏っている可能性は否定できないだろう。

【月ごとの利用金額の推移(支払月が特定されたもの)】

 相談内容については、先述したように、「高額利用・返金など」がもっとも多く、次いで、サイト運営者関連、課金の仕組みへの問題提起と続く。こちらもまたピーク時と比較ルウと、「未成年者取消」や「未成年の高額利用」などの未成年関連のものは減少傾向にあるとしている。また、その他の区分では、主体が不明ながら「不正利用」に関するトラブルも発生しているということだ。

【相談内容】

【月ごとの「高額利用・返金など」の詳細区分の推移】

(中村聖司)