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セガ、「ファンタシースターシリーズ25周年記念コンサート シンパシー2013」を開催
25周年を最高の体験で振り返る! 光吉氏が熱唱!! 「PSO2 EPISODE2」も発表!!
(2013/3/30 20:18)
セガを代表するRPG作品「ファンタシースター」シリーズが、2012年12月で25周年を迎えたことを記念したコンサート「ファンタシースターシリーズ25周年記念コンサート シンパシー2013(以下、『シンパシー2013』)」が開催された。シリーズ歴代作品の楽曲を生のオーケストラ演奏を中心に演奏するという、25年という節目を記念したコンサートイベントだ。
東京の日比谷公会堂にて開催されたこの「シンパシー2013」は、昼、夜の2回公演。どちらも2,000席が用意されたが、チケットは完売、満員御礼という盛況ぶりだ。筆者が取材させて頂いたのは昼の部だったのだが、開場前から開場をいまかいまかと待つ列が日比谷公園内に長く続いていた。グッズ販売にいたっては、1番早かった人で朝6時過ぎの電車始発頃、午前9時には500人ほどの列になっていたという。その熱気と人気の高さが伺える。
コンサートの演奏はオーケストラが中心。指揮は「ファンタシースター」シリーズにてオーケストラ楽曲収録の指揮を行なったこともある天野正道氏。演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が務めた。場所も伝統ある日比谷公会堂と、非常に豪華で、記念すべきイベントにふさわしい舞台が整った。
この日、司会を務めたのは、自身もプレーヤーとしてシリーズを楽しむ声優の榎本温子さん。そして、プロデューサーの酒井智史氏だ。榎本さんは初代「PSO」の頃からプレーヤーとして以降のシリーズ作を親しみ、酒井氏はやはり初代「PSO」の頃にデザイナーとしてシリーズ作に携わるようになり、「PSO2」プロデューサーの現在へ至る。
この日の演奏楽曲は、シリーズ作を過去のものより辿っていくような構成。まずはじめはオンライン以前の初期4部作、セガマークIII「ファンタシースター」、メガドライブ「ファンタシースターII 還らざる時の終わりに」、「時の継承者 ファンタシースターIII」、「ファンタシースター 千年紀の終りに」からの楽曲がメドレーで演奏された。
なにしろ初期4部作はセガマークIII/メガドライブ時代の作品であり、それら楽曲が25年後にこうしてフルオーケストラで演奏を聴けたことは感慨深い。25周年という大きな節目までシリーズが続いたからこそ実現したものだ。
また、この日はステージのスクリーンに、それぞれの作品の映像を上映。眼と耳でプレイした作品を思い出し、楽しむという趣向となった。これにおいては、初期4部作はドット絵の2D見下ろしRPG時代であり、「PSO」以降にシリーズ作に触れたという人も多かったと思うが、非常に新鮮だったのではないだろうか。
「PSO」シリーズとしての括りでは、「PSO」、「Ver2」、「Episode1&2」、「Episode3 カードレボリューション」、「Blue Burst」「Blue Burst Episode IV」。そして、「PSO」の原点を描いた「ファンタシースターZERO」から8曲を演奏。詳しくは記事末に収録しているセットリストをご覧頂きたいが、オープニングテーマ&エンディングテーマ、そしてオルガ・フロウ戦やボスバトル曲となっており、映像ももちろんそれぞれに合わせた各作品のシーンだ。続いて、「ファンタシースターユニバース」からは、7分を超えるロングバージョンの楽曲「Save This World」が演奏された。
「ファンタシースター」シリーズはSFの世界観が特徴であり、楽曲については「PSO」以降、オーケストラとSF的なエレクトロが融合した印象がある。この日は可能な限りをフルオーケストラ側で演奏し、スクラッチ音など独特なものについては原音を加えるといった趣向になっていた。弦楽器の旋律によるメロディーをはじめ、フルオーケストラによる生演奏になったことで壮大さが原曲以上に広がり、生演奏の力強さを持った音が楽しめた。単純に素晴らしい演奏だっただけでなく、聴き馴染んでいた曲に新たな魅力を発見した人も多かったのではないだろうか。そうした点でもプレミアムな体験だったと思える。
コンサート中盤に入ると、スペシャルゲスト&スペシャルな演目が盛りだくさんとなった。まず登場したのは、セガ在籍時に「PSO」プロデューサーを務め、「ファンタシースター」と「ファンタシースターII」でメインプログラマーも務めた、現・プロペの代表取締役社長である中 裕司氏だ。
当時デザイナーだった酒井氏とプロデューサーであった中氏とで、当時を振り返ってのぶっちゃけトークが披露された。ドリームキャストでオンラインプレイの実現を目指した「PSO」では、時代の最先端を目指して努力をしたという。それは今もシリーズ作に受け継がれているところだ。
また、「PSO」発売直後に発覚したバグでアイテムロストするという問題があったのだが、これが発覚したことで本来発売後は一段落できる予定だったところ、予定を変更してすぐにVer1.1の開発に着手することになったそうだ。それについて当時は謝れなかったので、この場を借りて謝るという場面もあった。
中氏から、この日に来場していたお客さんに向けての逆質問では、「『PSO』がきっかけに知り合った人と結婚したという人はいますか?」という質問が。これに手を挙げた人はなかなか多く、会場からも驚きの声が挙がっていた。このご結婚をされたという人にはコンサート終了後に酒井氏、中氏との記念写真撮影および、なにか記念の品も贈りたいという記念のプレゼントが行なわれた。
コンサートはここからPSPで展開された「ポータブル」シリーズへ。ポータブルシリーズと言えば、テーマ曲がボーカル曲であり、演奏もオーケストラからコンポーザー小林秀聡氏率いるバンドスタイルにチェンジ。ボーカルのアネットCさんがパワフルな歌声を聴かせてくれた。アネットさんの奥行きも伸びやかさもあるオクターブの広い歌声、そしてパワフルなパフォーマンスに、会場のテンションもガラリと変わり、多いに盛り上がりをみせた。
「ポータブル」、「ポータブル2」とメインテーマ曲を続けて歌ったところで、突如アネットさんは舞台袖へ消えてしまう。それと入れ違いに入ってきたのは、なんと特別ボーカルゲストの光吉猛修氏! 光吉氏は「ポータブル2」のタイトル画面曲「Go Infinity アレンジVer」を披露。バックコーラスもしっかり光吉氏になっているスペシャルバージョンだ。
アネットさんに負けず劣らずのパワフルなパフォーマンスをみせる光吉氏は、軽快なトークで笑いもがっつり取りつつ、“光吉氏と言えばあの曲”と言える「Burning Hearts ~炎のANGEL~(バーニングレンジャーより)」を熱唱!! 終盤にはアネットさんも再登場し、男女デュオボーカル状態のスペシャルVerを披露! 最高のパフォーマンスとなった。
そこから連続して、アネットさんによる「ポータブル2 インフィニティ」の「Ignite Infinity」へ。サビの「インフィニッティー」のフレーズが印象的で、今回の演奏楽曲アンケート第1位にもなった曲だ。テンション最高潮なままに突入したこともあり、サビは会場全体での大合唱に。この日最高の盛り上がりを見せた。
ちなみに光吉氏の「Burning Hearts ~炎のANGEL~」は「PSO」や「ポータブル2」シリーズではマイルームのジュークボックスからゲーム内で聴く事もできたので、それで知ったという方も多いとのこと。それもあってのこの日の演奏だったというわけだ。なお、「『PSO2』でも聴きたいですか?」という酒井氏の質問に、会場中から大きな拍手が。これについては「もうしばらくお待ちください」とのことだ。
コンサートはいよいよ終盤。最新作「PSO2」の楽曲に入る。「PSO2」の楽曲では、タイトル画面曲からステージメドレー、ボス曲が演奏された。こちらもフルオーケストラならではの生音の艶やかさ、ホールの反響の良さが加わり、最も“リッチな演奏”をたっぷり満喫できた。スクリーンに大きく映し出されていた各シーンの映像の効果もあって、巨大なスクリーンでプレイしているかのようにも感じられる。
「PSO2」の楽曲が演奏されたということもあり、ここで酒井氏からサプライズの発表が2つ行なわれた。ひとつは「ファンタシースター感謝祭2013」の開催だ。全国5都市で開催され、この感謝祭のメインイベントとして、日本一のプレーヤーを決定する「アークスグランプリ」も行なわれる。詳しくは4月下旬に正式なアナウンスを行なうということだ。
「ファンタシースター感謝祭2013 アークスグランプリ」日程
・6月9日:東京会場
・6月15日:名古屋会場
・6月29日:福岡会場
・7月14日:大阪会場
・7月28日:札幌会場
・8月3日:アークスグランプリ決勝(東京)
もうひとつは、「PSO2 EPISODE2」という衝撃の内容だ。公開されたのは悲壮な雰囲気漂う曲の中、次々に新要素のキーワードが浮かび上がるという謎の多い映像のみだったのだが、その中からキーワードをピックアップすると、
「PSO2 EPISODE2」キーワード
・新種族、新クラス、新武器カテゴリ、新惑星、新フィールド
・アークスの始まりと終わり
・本当に戦うべき敵
・2013年夏始動
というものだ。酒井氏によると「これまで謎だったものが次々に明らかになっていく衝撃の内容」とのこと。こちらも続報を楽しみに待ちたいところだ。
コンサートはいよいよラスト。「PSO2」からダークファルスアーム&ファルスエルダー戦のメドレーが演奏されて一旦幕を閉じたが、その後アンコールで「PSU」や「ポータブル2」のエンディング曲である「For Brighter Day - Orchestra Version -」が演奏された。明日をもっと輝かせていこうというテーマ性を持った曲であり、25周年を超えてこれからも続いていく意欲を示したセレクトだったようだ。
たっぷりと25周年の歩み、オーケストラ演奏の魅力、バンド&ボーカルのスペシャルな趣向、そして発表ありと、充実の内容となった。終了時には大きな拍手が長く響き、大盛況の中、コンサートは幕を下ろした。
公演データ&セットリスト
【公演データ】
名称:ファンタシースターシリーズ25周年記念コンサート シンパシー2013
開催日:2013年3月30日
昼の部:12時30分開演 / 夜の部:16時30分開演
会場:日比谷公会堂
【出演者】
指揮者:天野正道
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
MC:榎本温子
オーガナイザー:酒井智史
特別ゲスト:中 裕司
バンドボーカル:アネットC.
特別ボーカルゲスト:光吉猛修
【セットリスト】 | |
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Fanfare | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Phantasy Star Medley for Sympathy 2013 | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Phantasy Star Online OPENING THEME ~The whole new world~ | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Can still see the light ~Phantasy Star Online ENDING THEME~ | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
"IDOLA" have the immortal feather & the divine blade Medley | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
World with me ~Phantasy Star Online EPISODE2 ENDING THEME~ | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
"LET THE WINDS BLOW" - Theme of Phantasy Star Online EpisodeⅢ- | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Underworld -equilibrium- | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Phantasy Star Zero | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
たいせつなもの | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Save This World - Orchestra Version - | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Save This World - νMIX - | 小林秀聡 feat.アネットC. |
Living Universe | 小林秀聡 feat.アネットC. |
Go Infinity | 小林秀聡 feat.光吉猛修 |
Burning Hearts ~炎のANGEL~ | 小林秀聡 feat.光吉猛修 |
Ignite Infinity | 小林秀聡 feat.アネットC. |
Title - PSO2 - | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Stage Medley - PSO2 - | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Dark Ragne | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Big Varder & Quartz Dragon Medley | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
Falz Arm & Dark Falz Elder Medley | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
For Brighter Day - Orchestra Version - | 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:天野正道 |
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