ニュース

PS3/PS Vita「ワンピース 海賊無双2」に台湾ゲームファン熱狂!

中文版の発売は2013年夏、より派手に多数の敵をなぎ倒せる爽快無双アクション

1月31日~2月4日

会場:南港展覧館

 「ワンピース」は台湾でもとても人気のあるコミックだ。SCETブースでプレイアブル出展されていた「ワンピース 海賊無双2」の人気は高く、プレイしている人の画面をのぞき込み、自分の番を待ってる人が特に多かった。その関心の高さで、2月2日にブースで行なわれた「ワンピース 海賊無双2」のイベントでは、他のタイトル以上に多くの人が集まった。

 台湾ユーザーの特徴はその“熱さ”にある。ゲームが好きで、ゲームのキャラクターが好きという感情を素直に、強く表現し、熱狂的な歓声を浴びせるファン達はクリエイターに強い感動を与えるという。今回は各タイトルごとに、イベントの様子や合わせて行なわれた台湾メディアによるインタビューを紹介していく。最初は「ワンピース 海賊無双2」を取り上げたい。

鯉沼氏によるデモプレイでのルフィの大活躍に会場は拍手喝采

バンダイナムコゲームスの佐々木夕介氏
コーエーテクモゲームスの鯉沼久史氏
中文版の発売時期が発表され、ロゴも初公開となった

 PS3/PS Vita「ワンピース 海賊無双2」では、開発責任者のバンダイナムコゲームスの佐々木夕介氏、コーエーテクモゲームスの鯉沼久史氏が登壇した。佐々木氏は「皆さんの熱気が凄く、すごいパワーが感じられます」、鯉沼氏は「こんなにゲームが皆さんに愛されているかと、驚きました」と語った。

 両氏は中国語のスライドで、「ワンピース 海賊無双2」の特徴を語った。今作は物語の中で成長を遂げた“新世界編”での麦わらの一味や、「エネル」「ペローナ」など新キャラクターが参戦し、オリジナルストーリーによる「ワンピース」のキャラクター達の戦いが楽しめるアクションゲーム。PS3とPS Vita版が制作されており、日本での発売は3月20日を予定している。

 台湾では日本語版が3月20日に発売されることが予定されているが、今回会場で中文版のPS3とPS Vita版が2013年夏に発売されることがアナウンスされた。中文版のロゴが公開されると会場は大きく盛り上がった。中文版は日本語音声・繁体字字幕となる。字幕付のスクリーンショット、プロモーションムービーも紹介された。

 さらに鯉沼氏のデモプレイが始まると歓声はさらに大きくなった。今回デモで使用されたのは日本語版で「空島」が舞台となっている。鯉沼氏はルフィを使い、ゴロゴロの実の能力者エネルが待ち受ける空島に攻め込んでいく。ゴム人間であるルフィならではのアクションでエネルの部下達をなぎ倒していく姿や、今作ならではの成長したルフィが身につけた「覇気」のアクションなド派手な演出に会場から拍手も上がった。

 そしてクライマックスはエネルとの対決となった。鯉沼氏のスーパープレイに、強敵であるはずのエネルは瞬殺されてしまった。しかし続くムービーシーンでとどめを刺される間一髪のところで、エネルはルフィを空島から突き落とす。このままエネルの勝利かと思われたとき、雄叫びと共にルフィが復活、手を伸ばして空島に舞い戻ると、強力な「ゴムゴムの黄金回転弾(おうごんライフル)」でエネルを倒した。この時、会場の盛り上がりは最高潮に達した。

 この後、会場に集まったユーザーの中から選ばれた3名に両氏からプレゼントが手渡されイベントは終了した。特にデモプレイでのエネルが倒されるシーンは、ファンの原作の記憶を揺り動かしたようで特に会場の反応が大きかった。その熱気は、派手なゲーム展開の楽しさを何倍にもしてくれた。

 筆者は数年、Taipei Game Showで日本のクリエイターの参加するイベントを取材しているが、クリエイター達に感想を聞くとまず出てくる言葉は、「こんなに歓迎されるとは、想像を超えていた」というものだった。

 クリエイターが「大家好(タージャーハオ:みなさんこんにちは)」と挨拶すると、会場のファン達は大きな声で「ニーハオ」と答える。もうこの時の反応で、ファン達はクリエイターの心をつかむのだ。視界を埋め尽くすほどにに集まり、登壇者の顔を一目見ようとステージを見上げているファンの顔はうれしさに満ちており、この素直で熱狂的な好意は心を動かされずにはいられない。クリエイターが考えている「ユーザー像」を大きく広げる体験だと思う。

【「ワンピース海賊無双2」ジャンプフェスタPV】
台湾ではこのムービーに繁体字の字幕をつけたバージョンが公開された
ゲームの特徴を紹介するスライド
中文版のスクリーンショット
【鯉沼氏によるデモプレイ】
できるだけ敵を集め、ド派手な必殺技を披露していた鯉沼氏によるデモプレイ

たくさんのキャラクターで、多くの敵をなぎ倒したいという声に応えた作品

ステージイベントの後、台湾メディアによる合同インタビューが行なわれた
原作者の尾田氏も感心したという「ゴムゴムのUFO」

 続いて別室で行なわれた台湾メディアのインタビューでは「中文版は、先行販売される日本語版とセーブデータを共有できるか」というものが出た。両氏は「まだ決まってないが、検討したい」との回答。

 そのほかの質問はは前作「ワンピース 海賊無双」との違いに対する質問が多かった。前作との違いについて、「原作で覇気をまだ持っていないキャラクターも、演出面でそれに匹敵するような派手な必殺技を持っている」、「前作とはまったく異なる新しいゲームであり、パワーアップした部分と、新しい要素を多数盛りこまれている」といったことが語られた。

 前作にもあった「パートナーストライク」は今作でも取り入れられており、必殺技を打っているときに、あらかじめ選択しておいたキャラクターで追加攻撃ができる。「ワンピース 海賊無双2」は前作のユーザーから「もっと多くのキャラクターで戦いたい」、「もっとたくさんの敵をなぎ倒すひたすらド派手な戦いをしたい」という声が大きく、ここに応えた内容になるという。

 原作者の尾田栄一郎氏も監修を行なっており、尾田氏の前で実機でのプレイも行なった。この時ルフィが足を回転させ敵を攻撃する「ゴムゴムのUFO」のゲーム内での表現に対して、「こう使うのがいいのか」という感想をもらったりした。ナミに関して尾田氏は「エロいなあ」とずっと見ながら喜んでいたとのことだ。

 「前作ではさまざまなゲーム要素を盛りこみましたが、『ワンピース 海賊無双2』ではアクションの爽快感に“振り切った”作品としました。データは根本から手を入れていて、『ワンピース』のキャラクターの能力を表現することに本当に力を入れています」と鯉沼氏は語った。

 新キャラクターや、ゲーム要素など、発売に近付くにつれまだまだ公開される情報は多そうだ。会場での反応では、本当にみんな「ワンピース」が大好きで、「ワンピース 海賊無双2」はこのユーザーの声に応えるためにパワーアップしている作品だと感じた。

Amazonで購入

(勝田哲也)